トップ > 市会報告 > 2005年 > 05年5月定例市会 >

市会報告

ふじい佐富 議員

05年5月20日(金)

ふじい佐富議員の代表質問と答弁の大要 05年5月定例市会 本会議代表質問

JR西日本の列車事故について

 南区選出のふじい佐富です。日本共産党市会議員団を代表して、市長並びに関係理事者に質問をいたします。

 四月二十五日に起きたJR西日本の脱線転覆事故は、死者百七人、重軽傷者五百人を越える大惨事となりました。質問に先立ち、無念の死を遂げられた方々のご冥福と遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。また、怪我をされた方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。

 事故の要因として利益第一・安全軽視のJR西日本の姿勢が極めて重大であることが浮き彫りになっています。JR西日本は「稼ぐ」ことを第一の課題として掲げ、これを実現するために過密ダイヤを組んだうえ、労働者には遅れなどミスをした場合、いじめに等しい再教育などの制裁措置を行ってきました。

 さらに根源を追求すると、政府の施策に突き当たります。国鉄の分割民営化や安全の規制緩和を進めてきたのは政府です。ATSの設置基準も、過密ダイヤも、車両の軽量化、点検・修理のための検証体制もJRまかせ。命と安全を二の次にし、もうけ主義の暴走を許した国土交通省の監督責任をはじめ、政府の重大な責任が問われています。

 再発を防止するために、JR西日本や国の安全対策のあり方など、さらに掘り下げた対応が行われるよう強く求めます。また、東海道線・山陰線・湖西線・奈良線など市内にはJR西日本の路線が多数運行されています。京都市としても国とJR西日本に対し、安全対策を申し入れるよう要望いたします。

京都高速道路問題について:阪神道路公団との協議内容を明らかにせよ

 質問に入ります。最初は京都高速道路問題です。

 これは、京都高速道路計画全体の路線図です。これが現在、建設中の新十条通と油小路線。この油小路線が第二京阪道路と接続する計画です。

 こちらが、工事は全く未着工の三路線。久世橋線、西大路線、堀川線です。さらにこちらが久世橋線と接続する予定だった京阪連絡道路です。

 現在工事中の新十条通と油小路線の二路線の財政負担は、阪神高速道路公団への出資金や関連街路建設費など、これまでにはっきりした負担だけで四百億円。さらに、阪神公団の民営化に伴う出資金率の引き上げ、一部工事区間を阪神公団に変わって京都市が建設する「事業区分の見直し」で百数十億円の負担を新たに求められていることが明らかになりました。京都市は総額五百数十億円もの税金を投入して高速道路建設を進めている事になります。しかもこの中に、本来は阪神公団が行うべきランプ部分の建設を、京都市だけが気前良く百六十億円を越える税金を投入して、京都市の事業として進めていることもわかりました。

 自民党からも「お先真っ暗な事業」「止められる事業なら止めたい」という発言が飛び出すほどです。ところが、桝本市長は「不退転の決意で取り組む」と答弁され、事態の深刻さを全く認識していません。

 阪神公団は、今年十月一日に民営化が予定されています。総額二百八十億円分の「事業区分の見直し」は、何時までに、結論を出さなければならないのか。私が国土交通省に行って確認した内容は次の通りです。「国の予算要望の時期に当たる今年八月末までに内定する必要がある。民営化後、来年一月末までに阪神公団の整備すべき路線を正式に決定し、新しく発足する「機構」と「株式会社」がその後、来年三月末までに協定を結んで、建設の許可を国土交通大臣に求めることになっている。」との事でした。八月末というと三ヵ月ちょっとしか残されていません。ところが、未だに「事業区分の見直し」区間がどこなのかさえ明らかにされていません。京都市は阪神公団との協議内容など何一つ情報公開していません。五百億円を超える市民の税金を投入しようとする事業です。市民と議会に対し協議内容をすべて明らかにすべきです。具体的な答弁を求めます。

〈建設局長〉公団が採算性を確保するため、280億円の事業区分を求めていることは市長が既に申し上げているとおり。現在、公団に更なるコスト縮減等を求めており、公的支援が必要な場合でも、本市の財政負担が軽減される方策について、国等と協議をすすめている。

さらに膨大な財政負担を招くことになる工事中の二路線も根本から見直すべき

 市長の進めている高速道路建設の膨大な負担は、これにとどまりません。交通量を増やすための苦肉の策として浮上した、名神高速道路と油小路線とを接続するジャンクションの設置問題です。

 この設置は、二〇〇三年十二月「国土開発幹線自動車道建設協議会」の審議で正式に位置づけられました。では、その建設事業はどこが行うのか。財政負担はどうなるのか。私は重大な関心を持って調べてきました。

 国土交通省では「ジャンクションを後から追加する場合、後から設置する事業者がその費用を負担するのが取り決めになっています」とのこと。つまり、阪神公団と京都市の負担です。ところが阪神公団は「四十五年後、二〇五〇年にはすべての借金を返し終えなければならない。交通量も当初の予測交通量より一割は減ると試算している。維持費や建設費を下げ、出資金率の引上げをお願いしてもまだ、過重負担になるという結論から「事業区分の見直し」をお願いしているもので、阪神公団としてこれ以上の事業はもう出来ないということです。」とはっきり言っています。結局、京都市の事業としてやらざるを得ない。

 日本道路公団に聞くと、第二京阪道路の久御山ジャンクションの橋脚数は約百基。後付けの大山崎ジャンクションは百四十基もあります。橋脚の数から見ると数百億円の事業になることは明らかです。今でも大変な財政負担なのに、このジャンクションの事業まで係っていたらどうなるのですか。

 大阪市は、事業中の淀川左岸線の二期工事区間四・三km、総事業費一千億円の「事業区分の見直し」を求められています。大阪市に聞くと、「大阪市が四五〇億円も財政負担してまで推進するほどの事業なのか。費用対効果も考え中止も含め「そもそも論」から議論している」との事でした。

 法律は変わった。阪神公団は解散し株式会社になる。高速道路建設に関する事態は全く違う次元へと移っているのに、従来と同じ認識で突き進んで良いのか。さらに膨大な財政負担を招くことになる工事中の二路線も根本から見直すことが求められています。市長の答弁を求めます。

〈桝本市長〉京都高速道路は、必要不可欠な都市基盤施設。交通渋滞の緩和や定時走行の確保による交通の円滑化、緊急輸送道路としても機能する市民生活を守るうえで必要な道路。事業中の新十条、油小路線については早期完成を目指して、不退転の決意で取り組む。

残る久世橋線、西大路線、堀川線は直ちに中止を決断すべき

 次の問題は現在、未着工の残る三路線、久世橋線、西大路線、堀川線についてです。

 久世橋線と将来、接続する予定の京阪連絡道路はどうなるのか。西に伸びる路線です。

 国土交通省は「現在工事中の第二京阪道路が、他の高規格道路と交差してつながるので、京阪連絡道路は平成六年度に「計画路線」から「候補路線」へと格下げしたところ。平成一〇年度の見直しでも、地元から強い要望もあり候補路線として残している。」とのことでした。地元が要望しているから残しているという新しい事実が判明しました。京阪連絡道路のもう一つの地元自治体である大阪府に聞くと「京阪連絡道路については全く要望していない」との事でした。つまり、京都市だけが要望している道路ということです。未着工の三路線は、京阪連絡道路の目途がなければ全く要らない路線です。三路線の建設費の見積もりは二千九百億円。それ以外にも、用地買収費やランプ建設費には数百億円が必要です。阪神公団は三路線について「事業主体として事業を進めることはとても出来ない」と言っています。事業を進めれば進めるほど、京都市は財政破綻の道を、暴走するというのが京都高速道路事業の実態ではありませんか。市民には巨額の負担を押し付ける。その一方で、高速道路には湯水のように税金を投入する。こんな税金の使い方で市民の理解を得られるでしょうか。桝本市長、京阪連絡道路の要望は取り下げ、残る久世橋線、西大路線、堀川線は直ちに中止を決断すべきです。市長に答弁を求めます。

〈桝本市長〉残る3路線や名神高速道路と油小路線を接続するジャンクションについては、今後、本市の財政状況、国の動向や社会経済情勢といった要因を検討する中で、事業化に向けた取組を推進していく。

キリンビール京都工場跡地など巨大開発は見直しを

 次の質問は、キリンビール工場跡地開発、京都駅南口開発などに関する問題です。京都市は平成十四年六月に施行された「都市再生特別措置法」に基づき、いち早く同年九月には申請、十月には指定を受けて後先も考えずに取り組んで参りました。

 申請後二年八か月の時を経て何が変わったか? キリンビール工場跡地開発問題では、都市計画審議会の場で激論となり、示された資料を審議の対象から外すという異例の処置までされました。市内最大の商業施設で京都全体の商業に多大な影響が出ること。六千台を超える京都府下最大の駐車場建設で、目の前の久世北茶屋線や国道一七一号線では大渋滞が起きること。また、一千戸を超える分譲マンション建設による人口増加で、学校や保育園、コミュニティー施設が不足すること。九〇メートルの高層ビルが四本、巨大な観覧車で西山の景観が破壊されることなど問題は山積みです。これだけの問題を抱えたままで、一企業の開発計画を全面的にバックアップして強行するというのですか。答弁を求めます。

 京都駅南口開発問題ではどうか。京都市は開発事業に乗り出しては失敗を重ね、六年前には私が、全く利用価値のない地下駐車場計画を進めていることを明らかにし、結局中止となりました。その後、三万二千平米の土地を有する松下興産に開発をまかせて進めてきましたが、その松下興産は今、倒産状態で再建に走っている事態です。ここでもまちづくりは民間企業に委ね、京都市はこの地域のあり方、将来見通しも示せないという無責任な対応ではありませんか。

 都市再生緊急整備地域を担当している内閣官房・都市再生本部事務局によれば、「全国六十三地域で指定が行われたが、活発なところとそうでないところがある。事業化に向けて十六地区が動いているが他はそうなっていない。改めて京都にも尋ねたが動いていない」との事でした。この制度は、国として指定はするが、後は民間企業と地方自治体まかせで支援はありません。開発申請の期限は平成十九年三月。期限切れまであと二年を切りました。

 桝本市長、あなたは不良債権化した土地の再活用を目的とした国の都市再生の手法に、京都経済や周辺地域に与える影響を検討することなく飛びつくミスを犯しました。さらに、まちづくりという本来、住民が決めるべきことを民間企業に委ねて進めてきた。ここに根本的な間違いがあります。キリンビール工場跡地開発、京都駅南口開発の開発そのものを見直すことが求められています。答弁を求めます。

〈毛利副市長〉キリンビール工場跡地開発は、交通の利便性を活かした新たな拠点地区として位置づけている。交通処理や景観等に十分配慮しながら、新駅などの基盤整備を図るなど、京都府や向日市とも連携し、まちづくりに取り組む。民間活力による優良な都市開発プロジェクトの誘導に努めている。京都駅南口周辺地区は、実現にはさまざまな課題があるが、京都の玄関口にふさわしい魅力あるまちづくりを目指して取り組む。

LRT導入の検討内容の公表し、具体的取り組みを

 まちづくりに関する二つめの質問は、新型路面電車・LRTに関する質問です。LRT導入を求める声は全国に広がっています。国も補助制度の改善や超低床の新型車両の研究に補助金を出すなど前を向いて動きだしています。

 新型路面電車・LRTを日本で初めて導入した熊本市交通局を皮切りに、広島市、岡山市、高知市など、すでに十都市で導入されています。京都市もLRT導入に向けて、二年かけて検討された内容を公表する年を迎えました。ではいつ公表されるのか。LRTを導入して、新しいまちづくりに成功したフランスのストラスブールでも、数年の時間を要して幅広く市民と行政が議論を重ねて実現しています。すぐに公表し、市民と議会と行政が一体となって、導入に向けた具体的な議論を進めることが必要です。公表の時期と、導入に向けた今後の取り組みについて答弁を求めます。

〈毛利副市長〉LRT導入に課題が数多くある。自動車交通や沿線住民の生活等に及ぼす影響の整理、需要予測や整備費用、採算性等の検討を行ってきた。検討結果は今年度のできるだけ早期に市民に示し、幅広い論議を行っていきたい。

分譲マンション--継続的な調査を

 まちづくりに関する三つめの質問は、分譲マンションに関する問題です。私が初当選した十六年前、始めて登壇した本会議で取り上げた問題の一つが分譲マンションでした。当時は分譲マンションがいくつあるのかも京都市は答えられませんでした。その後、幾度となく取り上げ続けた結果、都市計画局の住宅政策課が担当し、パンフレットや手引きの発行、シンポジウムの開催などが行われています。その意味では一定の前進が図られたと認識しています。

 京都市は、京滋マンション管理組合対策協議会の応援を受けて、分譲マンションの実態調査を四年前にはじめて実施し、具体的な数字がやっと明らかになりました。市内にはすでに、千百四十三にも及ぶ分譲マンションが存在し、七万戸を超える世帯があることがわかりました。市内の全住宅戸数が七十三万戸ですから約一割を占めています。管理組合の存在が不明というマンションが、全体の三分の一を超える三百九十一。個人資産とはいえその規模と住民の多さを考えると放置できない問題です。また、築三〇年を越える分譲マンションが七五も存在する事もわかりました。

 古いマンションの増加は、居住者の高齢化という問題を抱え、バリアフリー化のための改修など、当初計画されていなかった費用の捻出。空き家や賃貸の部屋の増加、売り出してもなかなか売れないなど複雑で様々な問題を抱えています。管理組合の運営も困難という問題がすでに発生しています。

 今必要なのは、計画的に分譲マンションの定期的な実態調査を続け、問題点を行政が常に掌握することです。調査が実施されたのが平成十三年二月。四年前です。状況はさらに変化しています。管理組合の存在が不明というマンションは特に徹底した個別の調査が求められています。継続的な実態調査が必要です。調査を早急に実施すべきではありませんか。答弁を求めます。

〈都市計画局長〉平成12年に実態調査を行い管理支援の充実を図ってきた。今年度は建築後30年以上の分譲マンションについて、より詳細な実態把握に努める。

分譲マンションに対応できる総合窓口を

 私は千葉県浦安市の分譲マンション対策を調査してきました。浦安市では、共用部分の修繕に工事費の利子補給を実施。年一%一〇年間の支援を行っています。バリアフリー化への改修工事費には補助金制度を設け、団地内プレイロットの砂場の砂は申請があれば無条件で現物補給を実施しています。震災に備えて非常時の飲料水確保のため、耐震性を有する受水槽に緊急遮断弁装置を設置する補助金も工事費の2分の一、百万円を限度に補助しています。その施策は十二項目にも及びます。集合住宅対策係という部署を設け、分譲マンションに関するあらゆる問題に対応し、必要な関係部局との連絡調整を行っています。

 京都市もこの具体例に学んで、住宅政策課の機能を、分譲マンションに関するすべての施策に対応できる総合的な窓口の役割を果たせるよう充実させることが必要です。答弁を求めます。

〈都市計画局長〉マンション管理に関する情報提供や相談事業、セミナー、シンポの実施、マンション管理士等専門家の派遣等を行ってきた。これらの事業を推進し、分譲マンション管理の適正化を支援する。

国民健康保険料は値上げではなく、値下げすべき

 最後の質問は、暮らしに係る問題です。桝本マニフェストには「財政が苦しくても福祉は後退させない」と市長の信念が書かれています。ところが、二月議会で、国保料や保育料など大幅な値上げをされました。間もなく今年の国保料の通知が各家庭に送付されます。南区役所でも毎年六月になると、保険年金課の窓口の前に整理券を握り締めた人が一日百数十人も列をなしています。去年、六月末までの数週間、納付相談に来られた市民は、被保険者の十五%を越える二七〇二人にも達したとのことです。南区では、約一万七千の国保世帯の内、全体の七割、一万千九百世帯が非課税世帯です。今度の改悪で、その内の三千世帯が所得割りのかかる世帯になるとのことです。生活苦に拍車をかけることは間違いありません。

 南区役所では昨年、混乱を避けるために二回に分けて納付書を発送しましたが、今年はさらなる混乱を予想して数回に分けて発送し、押し寄せる市民の対応に備えていくとのことでした。長引く不況による営業不振、企業倒産やリストラによる失業と再就職の難しさ、やっと得た年金も当初の思惑と違って年々少なくなるなど、市民生活はかつてない非常事態に陥っています。平成十六年度は、徴収率九二%の目標に対し、三月末で前年度も下回る八六%にとどまっていることが明らかになりました。京都市は「催告や差し押さえを強化し、徴収率を上げる」としていますが、今の市民の暮らしがどうなっているのか。ここに眼を向けなければ解決は出来ません。今年度の賦課方式見直し、保険料値上げでさらに払えない市民が増えることは間違いありません。すでに、悲痛な声をいくつも聞いています。国民健康保険料は下げる事が本当に求められています。値上げなどもっての他です。答弁を求めます。

〈保健福祉局長〉17年度、更なる赤字が見込まれるため、一般会計繰入金の8億円の増額とあわせ、4年ぶりとなる医療分保険料の改定により同額を確保した。保険料全般を引き下げる考えはない。

短期証、資格証明書の発行はやめるべき

 保険料が払えなくなると、京都市はその制裁措置として資格証明書や短期保険証を発行します。消費税が五%に増税される前年度、平成八年の資格証明書の発行数は市内全域で三百八十三世帯でした。ところが、平成十七年三月には三六四〇世帯。実に九・五倍です。短期保険証では三一七一世帯だったのが一万六八三一世帯。五・三倍。

 資格証明書は地方自治体の権限で発行をやめる事ができます。市民の生命を脅かす資格証明書は原則発行しないこと。短期保険証の発行は「保険料徴収率を上げるため」という理由付けはすでに破綻しています。発行はやめるべきです。答弁を求めます。

〈保健福祉局長〉保険料を特別な理由もなく滞納している方に対しては、法令に基づき、資格証明書や短期証を交付することはやむをえないものと考えている。

敬老乗車証の有料化は撤回すべき

 敬老乗車証の有料化では、マスコミも「今回の有料化への移行は、市民の関心が高く、将来の京都市の福祉政策の行方を問う、重要な機会だったはず。市は審議会の答申を受け、条例提案するまでに、もっと幅広く議論する場や期間を設け、市民に問いかけるべきだったのではないか」と問題点を指摘しています。高齢者のみなさんが、その持てる能力を発揮し自由に社会参加する機会を制限する有料化は間違っています。

 桝本市長は「今の社会常識では三千円は払える金額」と言い放ちました。この常識は市民の目から見れば非常識です。自民・公明の冷たい仕打ちによって高齢者の年金は毎年目減りし生活は大変になっています。今からでも遅くありません。有料化は撤回すべきです。市長の答弁を求めます。

〈保健福祉局長〉持続可能な制度にするため、先の2月市会で議決いただいたところ。これを撤回する考えはない。附帯決議を踏まえ、円滑な実施にむけて準備を進めたい。

家庭ゴミの減量は有料化ではなく、分別と再資源化で

 暮らしに係る三つ目の質問は、家庭ごみについてです。現在、廃棄物減量等推進審議会・指定袋制導入検討部会では「指定袋導入」に向けた検討がされています。これまで三案が提示され、市民アンケートも実施。アンケートでは「単純指定袋制」だけで「処理手数料を上乗せしない」が回答の六〇%を占めています。にもかかわらず部会の検討では、ゴミ袋に処理手数料を上乗せする「従量制」が選択されています。今年六月にはパブリック・コメントを一ヶ月そこそこで行い、七月頃には最終答申を出して、今年度中には家庭ゴミ有料化の条例提案をする日程表まで出されています。

 「有料化すればゴミが減る」かのような前提で議論がされていますが、企業にゴミ処理費の負担を義務づける、ゴミを作らない仕組みづくりこそが必要です。市民アンケートの結果も無視して家庭に経済的負担をかぶせても、ゴミは絶対に減りません。

 全国に先駆けて九二年に有料化した島根県出雲市では、有料化直後の一年目は減ったものの、三年後から増加に転じ、その後は有料化以前より増えてしまいました。北海道伊達市、岐阜県高山市など、政府がゴミ有料化のモデルとして宣伝してきた自治体でも同じです。私は、すでに有料化を実施した北九州市や今年一〇月から実施する福岡市の状況を調べてきました。北九州市は九八年の有料化後、三十二万四千トンが三十万七千トンと翌年度はわずかに減ったものの、三年後の二〇〇一年度には元に戻っていました。

 有料化は、家庭や経済的状況などを全く考慮しない負担の不公平であり、ゴミ減量化対策としても最悪のシナリオではありませんか。すでに市民は税金を払っています。税金の二重取りです。名古屋市をはじめ、仙台市、横浜市、広島市などでは、有料化せずにゴミ減量に取り組み、成果を上げています。これらの自治体に学び、家庭ごみのゴミ袋有料化は行わず、ゴミの分別と再資源化に取り組むべきです。答弁を求めます。以上で質問を終わります。ありがとうございました。

〈環境局長〉本年夏頃に予定されている最終答申を尊重し、ごみの減量・リサイクルの推進に真に実効性ある指定袋制の導入方式を決定する考え。

第二質問

 阪神公団が秋に民営化・株式会社になることで、京都市の負担は二路線だけで新たに百数十億円も増え、五百億円を超える事態となっている。私がジャンクション建設などについて国土交通省や阪神公団に出向いて聞いた内容は、京都市に膨大な財政負担が求められるものばかりです。このまま事業を続行すれば財政は破綻し、市民の暮らしを守る本来の仕事に責任を持つことはできません。

 京都高速道路計画は京都市の財政状況から考えても、凍結・中止しか選択肢はありません。そのことを再度申し上げて質問を終わります。