トップ > 市会報告 > 2005年 > 05年2月定例市会 >

市会報告

河合ようこ 議員

05年3月18日(金)

「安心できる年金制度を求める」意見書の提案説明 05年2月定例市会 閉会本会議討論

 日本共産党市会議員団は「安心できる年金制度を求める意見書」を提案していますので、その理由について説明します。

 老後の生活を保障する年金制度は国民の大きな関心事であり、その充実は、国民の強い願いです。今日の年金制度の下で、国民年金しか収入がない高齢者は九百万人にものぼり、給付額は平均で月4万6千円に過ぎず、年金だけでは日々の生活がまかなえない低額年金者がすくなくありません。また、不安定雇用やリストラなどの拡大、長引く不況の中で所得は落ち込み、国民年金保険料の未納者は1千万人を超えています。このままでは将来さらに膨大な無年金者や低額年金者が生まれることは必至です。厚生年金などは女性を中心に劣悪な年金が放置されており、一方で、厚生年金の加入事業所数は、この5年間で約7万社も減少するなど、深刻な空洞化が年金制度全体に広がっています。

 国民生活が深刻になっている今こそ、安心できる年金制度とすることが強く求められています。しかし、政府が昨年行った年金改革は、保険料の値上げ、給付引き下げの国民負担増であり、「保険料に上限」「50%給付維持」で『百年安心』といっていた保障は全くないということが明らかになっています。しかも、国民に対する10年来の約束である基礎年金の国庫負担2分の1への引き上げについては、2009年まで先送りし、その一方で、『年金の財源』という口実で年金受給者への増税、定率減税の廃止など新たな庶民負担を予算に盛り込みました。

 今月9日、政府与党、自民党、公明党と民主党は、消費税増税を前提にした社会保障制度全般の見直し協議を早期に開始することを決めました。そして、基礎年金の財源に消費税を充てるという民主党の『年金改革』に関連して、今年秋までに「改革の骨子」について成案を得るよう三党が努力することを確認しました。これは、まさしく年金財源を口実に消費税増税に道を開くものです。社会保障という国民の願いを逆手に取った増税は許すことができません。

 世論調査では8割の国民が、年金制度の見直しを求めています。いま、国が行うべきは、この間実施した法人税減税など大企業優遇の税制、高額所得者の減税などをもとに戻すこと、関西空港二期工事などの無駄づかいをやめ、軍事費を縮小するなど、税・財政改革で財源を確保して、年金制度への国庫負担を3分の1から2分の1へ引き上げることです。そして国民的議論をもとにした安心できる年金制度への改革をすすめることです。 以上

 同僚議員の賛同を求めまして、提案説明といたします。