くらた共子 議員
05年2月24日(木)
くらた共子議員の質問と答弁の大要 05年2月定例市会 本会議代表質問
国民健康保険料の値上げはやめよ
上京区選出のくらた共子です。わたくしは日本共産党市会議員団を代表して質問いたします。
まずはじめに、国民健康保険料値上げの問題についてお聞きします。「年をとり、夫婦二人でなんとか暮らしていこうとがんばるが、わずかな年金も減らされてしまった。介護保険料の天引きに、二日に一度の買い物には消費税がかかり、町内会費の支払いも辛い。この先は病気が悪くなっても医者代などとても払えない。」これが市民の切実な声です。ところが、京都市は今回、保険料の計算方法を変えて、住民税のかからない5万4千世帯からも所得割保険料を集めようとしています。さらに、平均保険料も値上げとなることで所得が33万円以下の世帯とあわせ、全体でおよそ20万世帯への負担増となります。いまでも、高い保険料を払おうと、分割払いでがんばっている家庭が、短期証にされてしまったり、資格証明書を受け取りながら、必要な医療を受けられないことが重大な問題となっています。そこへの保険料の値上げです。2年間の激変緩和措置がとられるとは言うものの、年間所得が100万円の二人世帯では93,984円が158,298円となんと7割増しの大幅値上げです。
中間所得世帯の負担を軽くするということを口実に低所得者を苦しめる、こんな見直しは絶対に認める訳にはいきません。長引く不況に年金の改悪、定率減税の縮小、国の施策が市民のくらしを破壊しているいま、市民のいのちを守るため保険料は値下げこそするべきです。今回の保険料改訂が実施されれば、重圧に耐えられず保険料が払えなくなる方が急増することは必至です。
そもそも住民税非課税世帯とは、「負担する力がない」と公的に認められた世帯です。ここに負担を負わせることは、憲法25条が定めた生存権にも租税民主主義にも反するものとなるのではないでしょうか。このように、圧倒的に低所得者の負担となる保険料値上げはするべきではありません。値上げはやめるべきです。いかがですか。はっきりとお答えください。いま、やるべきは、支払いの限界を超えている中間所得世帯の負担引き下げはもちろん、低所得世帯の負担も引き下げることではないでしょうか。
〈市長〉108億円の巨額の累積赤字を抱え、17年度もさらに赤字が見込まれるため、一般会計繰入金を8億円増やし、やむを得ず保険料改定を行う。保険料全般を引き下げる考えはない。保険料算定方式の見直しは、制度運営の安定化と中間所得層の負担軽減を図るもの。新たに所得割がかかる非課税世帯には2年間の減額をする。
保育料の値上げは子育て支援に逆行
つぎに、保育料の問題です。今回、京都市は保育園の特例保育利用料の値上げをおこなうとしています。長時間保育である特例保育を受けているこどもは、2分の1。今や、特例保育は、保護者が安心して働きつづけながら子どもを育てるうえで、なくてはならないものと言えます。しかも、こどもの出生率の低下が大きな社会問題となっているなか、本市の合計特殊出生率は全国平均を下回る1.14という低さです。市が行った「子育て支援に関する市民ニーズ調査」でも、子育てする上で、行政に求めるものに「経済的負担」の回答が上位を占めました。ある保育園の園長先生が、「保護者の所得の下がり方はたいへん厳しい。お父さんがアルバイトで、お母さんは短期雇用の派遣社員。正規職員の家庭も一時金が減るなどで、家計はきり詰まっている。収入の増えない長時間労働で、家庭で子供と過ごす時間が年々短くなっている。」と深刻な実態を指摘されています。2歳児と5歳児を保育園に通わせながら働いているお母さんは、「朝の30分、夕方の1時間の特例保育がなければ、いまの職場で働くことはできない。長く働いているからといって収入が増える訳じゃない。それでもこの職を失ったら、生活を守ることができない。必死にはたらき、必死に子育てしているのに、なぜもっと応援してもらえないのだろうか。」と訴えておられます。保育料値上げは子育て支援と逆行するものではありませんか。子育て世代の負担を増やす保育料の値上げはきっぱりと中止をすべきです。いかがですか。お答えください。
子育て支援は次の時代をつくることです。他府県では、若い世代が子どもを産み育てやすいようにと保育料の負担を軽くする施策がうたれています。名古屋市では、三人以上のこどもがいれば、三人目以降のこどもが三歳になるまで保育料を免除しています。また、三人の子どもを同時に保育園に通わせている家庭に対し、三人目の保育料を無料にしている政令市は札幌市・埼玉市・大阪市・神戸市となっています。京都市も名古屋市と同じとまではいかなくても、せめて三人以上を同時に保育園に通わせている家庭の三人目からの保育料ぐらいは免除をするべきではないでしょうか。これは、わずか500万円の予算でできるというではありませんか。いかがですかお答えください。
〈松井副市長〉これまでから国基準の65%の保育料にし、負担を最大限軽減してきた。通常保育と特例保育では、時間当たりの額に格差がある。特例保育の内容充実の予算を増額したうえで是正を図る。多子世帯の負担軽減は、保育所に入所していない世帯との公平や市の負担もふまえ、ひきつづき検討する。
介護保険の見直しにあたって-低所得者対策
つぎに介護保険制度について質問します。国は、今国会に提案した介護保険見直し案で、今年10月から、介護保険施設での食費・居住費の原則実費徴収を打ち出しました。新たな費用負担は上限額があるものの、4人部屋の居住費と食費負担が住民税非課税で、年間収入が80万円以下の方でも一人当たり年間26万4千円、準個室になれば32万4千円の新たな負担となります。ある特別養護老人ホームでお話をお聞きすると、「これでは払えない人が続出する」と言っておられました。負担できない人にどうせよと言うのでしょうか。施設には追い出せばよいと言うのでしょうか。こんな利用者や施設も苦しめる負担の押しつけはきっぱりとやめるよう、国に強くもとめるべきですがいかがですか。
制度の見直しを目前にしたいま、緊急に解決しなければならない問題は、介護を必要としながら保険料や利用料の過重負担によりサービスを受けることができない低所得者への対応です。保険料が強制的に年金から天引きされつづけるのに、必要なサービスの利用ができないまま放置されていることは絶対に許されません。京都市は、国による保険料・利用料の減免制度をつくるように求めるべきと考えますがいかがですか。東京都は低所得者を救済するために、保険料・利用料の減免・減額制度を拡充しました。本市でも、保険料の減免・減額の制度を思い切って拡充するとともに、利用料の独自の軽減制度をつくり、国に対して国庫補助金をもとの50パーセントに戻すこと、まずは緊急に30パーセントに引き上げろと迫るべきです。いかがですか。お答え下さい。
〈松井副市長〉保険料・利用料は国の責任で適切な措置が必要。見直しの中で保険料階層の細分化、高額介護サービス費限度額の引き下げが盛り込まれた。本市独自の軽減は15年4月に条件を緩和し、利用者は14年度の2倍を超えている。地方自治体の加重負担とならないよう国に要望する。
福祉事務所での相談・対応機能の拡充を
つぎに、京都市に求められる対応についてお聞きします。
先日もケアマネジャーの学習会で、「国が、昨年の4月から要介護者が病院を受診するときのヘルパーによる介助は病院の入り口まで。院内の介助は保険で認めないといっているが、ひとり暮らしで自分の身体の具合を説明できない人やひとりでまったく移動できないひとを置いては帰れない。どうするのかと行政担当者に相談したところ、受け答えに差があり対処に困っている。」という意見が多数出されていました。ヘルパーサービスの利用者からは、「急にヘルパーの通院介助ができないと言われ大変困った。頼める身内もいない。かといって実費負担のサービスなど使えるわけがない。なんとかして欲しい」と不満がケアマネジャーに集中しています。こんななかで、止むにやまれず、ケアマネジャー自身がヘルパーに代わり受診に付き添わなければならない状況も生まれています。こうしたことがおこる背景には国の介護給付費削減がありますが、利用者の生活支援に直結する問題だけに重大です。そこでお聞きします。介護サービスの円滑な提供を図るためには、市民のくらしの実態に添って制度の運用をすすめる細やかさが必要です。ケアマネジャーは、利用者へのサービス給付に責任を持ち、利用者が安心して暮らしていけることを目的に活動を行っていますが、保険給付の内容が急激に変わるなど、利用者の療養に影響を及ぼす場面では、利用者へのすばやい対応が求められます。そこで京都市に必要なのは、正確な情報の提供とケアマネジャーの相談に即座に対応できるシステムではないでしょうか。また、とりわけ介護現場で求められているのが、複雑な家庭環境で、経済的な問題も抱えるなど処遇の困難な方々への対応です。「介護保険だけでは暮らせない方の処遇をケアーマネジャーや事業者まかせにするのではなく、京都市はきちんと責任を果たして欲しい」この切実な市民や介護事業関係者の声に応えられるよう、福祉事務所がしっかりと相談の対応などの機能が果たせるようにすべきと考えますがいかがですか。お答え下さい。
〈折坂保健福祉局長〉市民やケアマネージャーの相談には区役所・支所で適切に対応している。処遇困難なケースでは福祉事務所が中心になり関係機関と連携し適切に対応している。ケアマネージャーの資質向上にむけ、事業者との連絡会で事例検討を図っている。
地域の特性に応じた施設建設を
つぎに、小規模多機能施設についてお聞きします。わたくしは、この間長野県の取り組みについて調査を行ってきました。長野県では住民が、安心して地域にすみつづけられるための施策として、地域の特性を活かした小規模多機能施設の開設を積極的にすすめています。県の担当者は、「民家の活用や、NPOの取り組みも支援し、事業内容も独自性を尊重している。宅幼老所という名前だが、さまざまな障害のある方も含め多様なサービスに対応できる事業としている。19年度内に400ケ所の設置を目標にがんばっている。」と仰っていました。本市でも家庭的な小規模施設が身近なところにあってほしいという市民の要求はつよく、宅老所でボランティア活動をされている方からも、「こうした場所が自分の老後のくらしを支える場だ。必要なときに泊まることもできればどんなに心丈夫か。」と仰っていました。介護保険サービスが不足する過疎地域などには、柔軟な機能をもつ小規模な施設はなくてはならないものと切望されています。京都市では、本年度伏見区に1ケ所の小規模多機能施設のモデル事業が始まるとのことですが、ぜひとも各地域の特性に応じた施設建設を積極的にすすめるべきと考えますがいかがですか。
〈保健福祉局長〉小規模多機能施設は18年度から地域密着型サービスとして創設される。本市ではモデル事業を開始、伏見区内で1カ所整備している。17年度もひきつづきモデル事業にとりくみ、本格導入に向けとりくみをすすめる。
障害者医療・福祉の充実を-更生医療無料制度の継続を
つぎに、障害者の医療・福祉制度の問題についてです。国は今年の通常国会で、「障害者自立支援法」(案)の成立を目指しています。これにより、所得の少ない障害者に原則10%の定率負担の導入をしようとしています。国の改革の目的は、介護保険制度との統合を視野に入れ、所得の少ない障害者に応益負担制を導入するなど、財政の削減にあります。11月度議会で、わが党の玉本議員が質問をいたしましたが、精神に障害をもつ方の医療保障となっている通院医療公費負担制度では、現在5パーセントの窓口負担で治療を継続することができるようになっています。ところが法案では、知的・身体・精神の三つを統合し、10月からは前倒しで定率負担を負わそうとしています。費用負担が10パーセントにもなれば、慢性の経過をたどりやすく長期化する精神障害者が、受診しにくくなることは必至です。先日も、22歳で発症し、現在38歳になられる方が、「月曜日から金曜日まで早朝のアルバイトをしたあと、作業所に通う毎日を送っている。親も年金生活でこれ以上の負担はかけられない。医療費の公費負担制度がなくなれば、とても医療費を払いつづけることはできない。作業所に通うにも収入を超える利用料を払うことになれば通えない。生きていくなということか。」と訴えておられます。精神科では、診察時の処方薬だけでも、1回に5千円。新薬など高価な薬になれば1万円にもなります。これ以外に、精神科デイケアでは、毎日通う必要のある方は月に4万5千円もかかることになり、負担できなければ中断することとなります。治療の中断は再発を招き、病状悪化につながると専門医の方が指摘されています。更に仕事も失うことにつながっていきます。これらのことからも、障害を持つ方に負担を求めることがいかに重大な間違いであるか、やってはならないことであるかがわかります。京都市は、国がこんなとんでもないことをやろうとしていることに対して、防波堤の役割を果たすべきです。
ところが、どうでしょうか、京都市は、この10月からの国の公費医療の1割負担導入に合わせ、市の独自制度でおこなってきた更生医療の無料制度などを見直すとしています。京都市の社会福祉審議会では、更生医療と補装具および日常生活用具の減免制度も見直す答申を出していますが、これらは生きていくためにどうしても必要なものです。決して利益などというものではありません。市がこれまで行ってきた独自の制度を引き続き守り、国に対して障害者の負担を増やす法案の撤回を強く求めるべきです。いかがですか。
〈松井副市長〉法案は各サービスを身体・知的・精神の3障害共通の枠組みで提供するもの。精神保健福祉や地域生活移行の体系見直し、国の財政負担義務化、利用者負担の定率化を実施。法案の理念をふまえ真に自立支援となるよう要望する。更生医療の独自減免は来年度1年かけて検討する。
サービス基盤の拡充を
つづいて、サービス基盤の問題についてお聞きします。いまでも、求められるサービスの不足が大きな問題となっています。最近にも、他都市より移住されてきた知的の障害をもつ方と一緒に暮らしはじめた高齢のご家族より、「本人が通える適切な施設もなく困っている。」と相談が寄せられています。行政区の担当者も懸命に対応いただいているところですが、既存の授産施設は定員を越えており新たに対応できる状況にありません。また、精神に障害を持っておられる方の通所施設でお話を伺うと、「以前にも知的な障害を持っている方が、一定期間通ってこられたが、障害の違いから落ち着いて生活することができず、通所を断念された。」とのことでした。わたくしは、このことからあらためて、障害をもつ方が安心して地域で暮らせるための必要な施策と施設が不足していることを痛感しています。京都市は、来年度に知的障害者及び精神障害者の授産施設をそれぞれ1ケ所づつ建設しようとしています。さらに、定員をはるかに越える授産施設の実態や小規模通所施設の状況を早急に改善することが必要です。今回見送られた共同作業所補助金の増額、通所施設の抜本的な整備計画を示してこそ、本当の障害者自立支援の一歩だといえるのではないでしょうか。いかがですか、お答えください。
〈保健福祉局長〉障害者施策推進プランにより19年度までの目標を掲げ取り組んでいる。17年度は授産2カ所整備などで、101人の定員増の他着実なプラン推進の予算を確保した。共同作業所は昨年補助金を増額し高い水準。プラン達成に向け着実に取り組む。
伝統産業活性化条例(仮称)を機会に振興策の抜本的強化を
最後に伝統産業の振興と西陣の産業を支えている職人の雇用について質問します。17年度中に、伝統産業活性化条例が制定されることになりました。伝統産業活性化条例の制定は関係業界の皆さんの長年の要望でもありました。党議員団も1999年に関係者の皆さんの意見をお聞きしながら、伝統・郷土産業の振興を求める提言を発表し、伝統産業振興条例の制定を求めてきました。ぜひとも実効あるものとなるよう強く求めるものです。いま、京都の伝統産業をとりまく現状は極めて厳しく、西陣織の生産額は93年1兆400億円が97年1兆円を切る状況、京友禅・京小紋は600億円が400億円、京焼・清水焼では70億円が50億円となっています。ここで、大切なのは産地の実態に焦点をあて、条例制定を機会に伝統産業振興の抜本的な強化をはかることです。平成15年度の京都市ものづくり産業調査報告書の後継者に関するアンケートの回答で、繊維関連業種の事業者は、「事業継承したいが後継者がいない」が23.3パーセント、「事業継承についてはわからない」が43,9パーセントとなっており、さらには、このように回答した事業者のうちの64,9パーセントが今後の予定について「廃業する」と答えています。こうした状況を打開するには、財政的裏づけをもって支援策を具体化することが必要です。ところが来年度の予算をみても、全体として伝統産業関係の予算が減らされており重大な問題です。これでは、「今後、京都市は本気で伝統産業支援に取り組むのか。」と、心配の声が出されても仕方がありません。抜本的な改善が必要です。そこで京都市は、条例の制定に向け、当面3月11日までとなっているパブリックコメントに寄せられる市民や関係者の意見をよく聞き、反映をさせること、次に、業種別の具体的な振興策をうつための業種別の実態調査を早急におこなうこと、みっつめに、財政的な支援策の具体化を抜本的に強化するべきですがいかがですか、お答えください。
〈市長〉生活様式の変化で需要が減退、大変厳しい状況。条例制定に際しては業界ヒヤリングなどの実態調査をふまえ、パブリックコメントで広く意見を聴取し反映させる。その後条例の趣旨をふまえすみやかに基本計画を策定し具体的施策を実施する。
雇用創出対策を
つぎに、西陣の職人の雇用問題についてお聞きします。西陣産業に係る職人が、高度な技術をもちながら生産活動の場を失う深刻な生活実態は後を絶ちません。そのようななかで、現場の職人から「平成15年度からの取り組みとなった緊急雇用創出事業で、西陣織の技術を活かした商品開発の場を得たことが、今後の仕事を考えるよい刺激になった。職人のプライドを確認することができた。ひきつづき生産活動の機会を確保してほしい。」との声が多く出されています。本市の伝統産業「京の職人さん」雇用創出事業では、16年度2億円の委託金額により24業種のべ9,360人の雇用効果をあげています。17年度は国の補助事業が打ち切られたなかでも市独自の雇用対策事業の継続がされることとなりました。その中で伝統産業関係の予算は2千万円となっています。また、国の「地域提案型雇用創造促進事業」を活用するとのことですが、昨年度実績を下回らないように努力すべきですがいかがですか。
西陣の商品開発、販路開拓の拡充を
京都府でも伝統産業の振興に関する条例の制定に向けた取り組みがすすめられています。府との連携も視野に入れ、職人が安心して技術を後継していけるよう本腰入れた雇用創出対策を京都市が打ち出すべきと考えます。また、西陣職人による「織り額」は、なんとかして出番をつくりたいとする職人の願いとともにその技の確かさをアピールしました。来年度に向けては、この事業を更に発展させより多くの職人が製作にかかわる機会を増やし、商品化に向けた努力が求められています。伝統の技を生かし、新しい作品の形を創り出した職人の努力を仕事起こしにつなげるための支援が求められています。本市が新しく始める「京都ものづくり企業 縁むすびプロジェクト」は、中小企業を対象とした活性化支援策ですが、同時に「織り額」のような努力を次の仕事につなげていく支援策は、ものづくりの支え手、職人の切実な願いです。ぜひとも、職人も含めた商品開発と販路開拓にもつながるよう抜本的に拡充すべきです。いかがですか。
西陣織は世界に誇るブランドです。作品の意匠は保存再生できても職人の技はできません。500年以上もの歴史を紡いできた西陣織を次の時代へ継承させるため、職人を機の前に戻す施策を強く求め、わたくしの質問を終わります。
〈中野産業観光局長〉伝統産業の雇用は厳しい。緊急雇用創出事業は終了するが「京の匠ふれあい事業」を創設。国の「地域提案型雇用想像促進支援事業」が制度化された。市が中心になって協議会を設置し、採択されるよう取り組む。「縁結びプロジェクト」は、個々の職人の商品開発や販路開拓につなげるものではないが、伝統産業活性化検討委員会の中間報告でも職人グループによる開発支援が必要とされている。条例制定後検討する。