ひぐち英明 議員
04年12月16日(木)
「イラクからの自衛隊の即時撤退を求める意見書」についての賛成討論 04年11月定例市会 閉会本会議討論
日本共産党市会議員団は、「イラクからの自衛隊の即時撤退を求める意見書」の提案をしていますので、提案理由を説明いたします。
アメリカ軍がファルージャで、住民への無差別攻撃を行い、一般市民に6000人以上の犠牲者が出た可能性があることを、イスラム諸国の赤十字社である赤新月社のスポークスマンが伝えています。
国際人道法を踏みにじるこうした行為が、イラク国民の抵抗やテロ勢力を台頭させ、イラクの情勢はいっそう泥沼化してきています。
自衛隊の活動するサマワでも、ロケット弾や迫撃砲など、宿営地をねらったと見られる砲撃はこれまでに8回にのぼり、10月31日には107ミリロケット弾が、宿営地のコンテナ倉庫を貫通するといった事態まで引き起こされています。サマワでの情勢も深刻さの度合いを増しており、自衛隊派兵の根拠となっているイラク特措法の「非戦闘地域」の定義は、いよいよ根底から成り立たなくなっています。
こうした事態のもと、多国籍軍から撤退する国も相次いでいます。これまでサマワの治安維持を担当してきたオランダ軍も、交戦で2人の戦死者を出す中で、来年3月には撤退することを決定しています。
この先、サマワの治安任務はオランダ軍からイギリス軍が引き継ぐとされています。アメリカ軍とともにイラク戦争を開始し、占領を行ってきたのがイギリス軍ですから、もし自衛隊が、このイギリス軍とともに行動することになれば、ますます占領軍と自衛隊が一体とみなされることになり、イラク人の反発が、今までよりいっそう強まることは明らかです。
そもそも、イラク戦争の口実となった大量破壊兵器が存在しないことも確定しており、さらに、イラク特措法の要件すら満たしていない、というのが現在の状況です。各種世論調査でも、6割以上の国民が派兵延長に反対の意思を表明しているときに、政府が国会で論議することもなく、自衛隊派兵の1年間延長を決めたことは、断じて許せるものではありません。
以上の理由により、サマワに展開する自衛隊は一刻も早く撤退するよう政府に対して強く求めるものです。
同僚議員のみなさんのご賛同をいただけますよう心から呼びかけまして、提案説明といたします。