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市会報告

岩橋ちよみ 議員

04年11月18日(木)

岩橋ちよみ議員の代表質問と答弁の大要 04年11月定例市会 本会議代表質問

 右京区選出の岩橋ちよみです。日本共産党市会議員団を代表して市長ならびに関係理事者に質問します。

台風、地震に対する災害対策について

市民への的確な情報提供を

 まず最初に、先般の台風二十三号、新潟中越地震によって、亡くなられた方、被災者のみなさんに心から、お悔やみとお見舞いを申し上げます。日本共産党は、対策本部を設置し、現地へ足を運び、被災者のみなさんの要望をお聞きし、その対策を、国や関係機関に求めるとともに、救援活動に取り組んできました。私も、二十日の夜、渡月橋付近にかけつけましたが、桂川の水があふれ、川沿いのお店も床上浸水で水につかっていました。

 ふし原堤でも、水がぎりぎりまでせまり、雨が強く降っていれば、周辺一帯が水につかるのではないかと心配するほどでした。水尾地域では、老人ホームのお年寄り十一人が、土砂崩れの危険で自治会館に避難され、鴨川でも三条大橋や五条大橋付近は河川敷まで増水し不安の声があがりました。異常気象のもとでの災害や、三十年以内におこるといわれる南海、東南海地震などへの備えや対策は緊急の課題です。そこで二点に絞って伺います。台風二十三号で、由良川の氾濫で舞鶴市の冠水した国道に三十七人の乗ったバスが取り残される事故がありました。全員救助されましたが、通行止めの表示は、バスが孤立してからになり、非常に遅れたことが指摘されています。渡月橋周辺の浸水では、洪水注意報が発令されていたのに、行政から住民に情報が伝わらず、戸惑う住民の声!と新聞の報道もありました。上流の降雨量によって下流にどんな影響がでるのか予測するシステムや、河川を管理する国土交通省、土木事務所、警察がもつ情報、権限を効果的に生かし、市民への的確な情報提供が行えるよう、災害発生時の総合的な対策を強化し、被害を最小限におさえることが必要です。いかがですか。

〈桝本市長〉防災マップ行政区版の発行作業を進めている。自助・共助・公助の基本理念のもと、国・府・警察との連携を図りながら全力でとりくむ。

災害弱者対策を

 もう一点は、高齢者、障害者、こどもなど災害弱者への対策です。阪神大震災でも今回の中越地震でも、災害弱者への被害が集中したことが報告されています。京都市地域防災計画には、要配慮者への対応計画はありますが、災害がおきた時、初動の対応についてのマニュアルが必要と考えます。

 又、介護が必要な高齢者が災害にあった場合、避難所での対応は非常に難しく、介護施設等であれば、職員や、水や食料の備蓄もされて、体制も整っていることから、災害時の福祉拠点となります。水や食料を融通しあう防災協定のように、介護施設との協定を結ぶことで、災害時、要介護者を受け入れ、対応することができます。全国でも、岐阜市などで協定が結ばれ、実施されています。災害弱者への初動の対応マニュアルの作成、周辺市町村も含めた介護福祉施設との具体的な協定など災害弱者対策を具体化すべきと考えますが、いかがですか。

〈毛利副市長〉要配慮者のいる世帯は把握している。社会福祉施設への受け入れ調整や福祉避難所の開設、必要に応じて府や他都市などへの受け入れ要請をおこなうことにしている。

平和憲法を守りイラクから自衛隊の撤退を

 次に、平和と憲法の問題です。イラクでは、5人の日本人が犠牲になりました。そして今、米軍による大規模な掃討作戦で、全土に非常事態宣言がだされ、米軍の攻撃で全土が戦場となっています。住民を封じ込め、無差別に攻撃し、病院や診療所まで爆撃されています。患者や負傷者への治療もできず、「十三歳のこどもが、たった今私の腕の中でなくなった」という医師の発言が新聞でも大きく報道されましたが、まさに、国際人道法に反する、犯罪行為です。小泉首相は、このごに及んでも「自衛隊が派遣されている地域が、非戦闘地域である」「作戦を成功させなくてはならない」と発言しましたが、非常事態宣言がしかれているところに、非戦闘地域などありえません。命を軽視した、国の責任者としても無責任極まりない発言で、許されません。イラク戦争後、十万人のイラク人、その多くが女性やこどもたちといわれますが、その尊い命が奪われています。これ以上罪のない人たちの命を奪うことは絶対にあってはなりません。こういう事態をうみだした原因こそ、アメリカによる、イラク戦争であり、その後の軍事占領や日本の自衛隊の派兵にあります。そもそも自衛隊派兵そのものが、武力の行使を禁じた憲法9条に違反するものであり、この憲法9条を守ることこそ、世界の平和に貢献することであり、世界が求めているのではないでしょうか。9月議会で、市長は、憲法9条について自ら答弁をせず見解を示されませんでした。副市長も「憲法9条の堅持」について言及されませんでしたが、亀岡市では、9月議会で、日本共産党議員が市長に「憲法9条の堅持」について見解を求めたところ、市長は、「世界に誇れる憲法であり、9条である。永遠に堅持されなければならない」と答弁されました。自治体の長として当然の発言です。共同通信の世論調査でも、自衛隊の派遣を続けることに反対が六十三%、世論も多数が撤退を求めています。自衛隊の派兵期限も十二月にせまっています。歴史都市、非核平和都市宣言をおこなった本市こそ、はっきりと、自衛隊のイラクからの早期撤退を求めるべきです。市長の答弁を求めます。

〈高木副市長〉治安が不安定な状況だが、自衛隊員の活動は、現地市民の支持を得ておこなわれている。イラクの復興が早期かつ平和裡にはかられることを強く願っている。

地方自治体に負担を押しつける、国の「三位一体改革」にきっぱり反対を

民間保育所運営費の一般財源化について、はっきりと反対を

 今、国や地方自治体が公的責任をどう果たすのか、そして、住民のいのちやくらしをどう支えていくのかが鋭く問われています。そこで、国の三位一体改革についてです。三位一体改革では、地方税、国庫補助負担金、地方交付税の三つを一体的に改革するといいますが、二〇〇六年までに補助金4兆円を削減して税源移譲は3兆円だけ、結局、国の負担を減らすことが本質です。しかも、財務省は、地方交付税を7兆円から8兆円も減らす案さえ出しています。地方自治体の反発で、政府内もまとまらない、大混乱が続いています。国庫補助負担金の削減案では社会保障の分野で、生活保護や児童扶養手当の補助金の削減、国民健康保険については、国庫負担の一部を都道府県の負担にすることが提案されています。国民健康保険事業では、京都市国保へ現在一一〇億円の国からの交付金がおりていますが、府の負担になるとこれが保証されるかどうか全くわかりません。これでは、国保財政をさらに不安定にし、国民健康保険料の引き上げにもつながりかねません。今でも高すぎて払えない市民に、更なる負担を押し付け、医療を受ける権利を奪うことになります。又、民間保育所の運営費を一般財源化する方向が示されていることも重大です。国の補助金削減で、今年度、本市では、すでに九三億円が削られ、民間保育所では、保育士さんの夏季休暇対策費、暖房費、給食費加算が廃止され、一カ園平均二〇〇万円が減収になりました。保育園では、保育士さんの夏季休暇がとれなくなり、アルバイトも雇えない事態になるなど、現場は深刻です。これから冬にむかって、暖房費が削られて、どこから捻出をしようかと、心配の声もあります。結局、人件費を削る以外にない! 保護者負担をお願いするしかない! ということになり、関係者に一層の負担を負わせることになります。今でもこんな実態ですが、さらに一般財源化になれば、保育に対する財源は保障されなくなります。又、今年度、すでに公立保育所運営費が一般財源化され、本市への影響は一〇億円にもなります。その負担を減らそうと、京都市は、公設民営保育所に対して、来年度民設民営にするため、早急に建物を買い取れとせまっています。あまりにも拙速なやりかたではありませんか。こんなやり方をやめ、現場の声を十分聞き、合意を得る努力をすべきです。このように、一般財源化は本市の財政にさらなる困難をもたらすものです。先日、京都市保育園連盟が「民間保育園の運営費の一般財源化に反対する」アピールを発表されました。9月議会でも、「民間保育所運営費国庫負担金・補助金の継続をもとめる」国に対する意見書が全会一致で採択されています。市長、あなたは、この声にどう応えますか。民間保育所運営費の一般財源化について、はっきりと反対を表明すべきです。いかがですか。

〈松井副市長〉民間保育所運営費の国庫補助負担金は、保育環境整備や健やかな育ちの基盤。児童福祉法に規定する国の責任が今後も果たされるよう要望していく。

「三位一体改革」の本質はあきらか

 9月議会で副市長は「一方的な負担転嫁は絶対に認められない」「確実な税源移譲等を求めていく」と答弁されましたが、税源移譲の保障もなく、地方自治体に負担を押し付け、財政危機と市民サービスを後退させる三位一体改革の本質は明らかです。国や地方自治体には、住民を支える大切な役割、公的な責任があります。公的責任を放棄する三位一体改革について、きっぱりと反対すべきです。いかがですか。      

〈市長〉地方の自由度を高める国庫補助負担金改革や税源移譲の確実な実施など、地方6団体改革案が最大限尊重されるようとりくみを進める。

伝統産業活性化について

 次に、伝統産業の振興についてです。私は、先日、右京区嵯峨で、嵯峨面を制作されている方をお尋ねしました。今、日本でただ一人の制作者です。これが「からす天狗」の嵯峨面です。嵯峨面は、嵯峨釈迦堂で行われていた、狂言の面を模して作られたのが始まりといわれ、江戸後期以降、厄よけ、魔よけとしてお寺などで売られていましたが、昭和初期には完全に途絶えてしまいました。それを復活させたのが、制作者のお父さんで、いまに引き継がれています。嵯峨面は、国の伝統的工芸品には指定されていない業種ですが、私は、このように長い間かけてその技をみがき、手作りで築き上げる人と、ほんものの伝統工芸、産業が京都にあることに感動しました。

 そこで、来年制定が予定されている伝統産業活性化条例についてです。日本共産党市会議員団も繰り返し条例の制定を求め、「京都市伝統郷土産業振興策の提言」を発表してきました。今、条例制定にむけて、検討委員会で議論がおこなわれていますが、「実効ある条例にしてほしい!」と関係者から期待の声や要望がよせられています。先日、京都市ものづくり産業調査が行われ、その報告書が発表されました。理事者は、このものづくり調査を「科学技術振興計画に生かしたい」と答弁されていますが、それだけでなく、伝統産業の振興へ生かすことが必要と考えます。本市では、検討委員会のワーキンググループで業界の聞き取りをおこない、本市の職員も参加しているとのことですが、実際に技をもって制作されている職人さんなどの声はどのようにつかまれるのでしょうか。行政自らが、足を運び業種別に実態をつかむ努力や実態調査をしてこそ、実効ある条例となるのではないでしょうか。いかがですか。又、条例は伝統産業を存立の危機から救い、二一世紀に京都の基幹産業に位置づけ発展させることを目的とし、振興をすすめる財政措置や、国や関係機関に働きかける本市の責務や事業者の責務を明確にすることを求めておきます。

〈中野産業観光局長〉制定にむけた検討委員会が、28回の個別の訪問調査や職人からのヒアリングなど、実態把握に努めている。検討委員会が取りまとめる提言をもとに条例を制定し、今後の新たな展開と発展を図る。

西陣、京友禅など和装振興を

 次に、本市の代表的伝統産業である西陣や友禅など和装産業の振興についてです。西陣ではかっての機音は途絶え、西陣機業調査報告によると、西陣織の帯の生産量は、最盛期の一九七二年当時の七八〇万本から九二万本と8分の1、京友禅の生産量は最盛期1971年当時の一六五二万反から八四万反と二〇分の一まで落ち込んでいます。「あと一〇年でものがつくれない時代になってしまう」「仕事があっても生活できない」と切実な声がよせられています。厳しい中でも、その技をなんとか引き継ぎたい!との願いでがんばっておられるのです。いまこそ、まちと文化を支えてきた伝統産業のものづくりの技を二一世紀に引き継ぐための支援に本気でとりくむことが求められています。そこで、具体的に伺います。

 第一に、ものづくりの技を継承する後継者育成と職人さんへの支援についてです。静岡市を調査しますと、教育、研修から実習、独立し工房等の開業に対して月一〇万円を補助するなど事業の立ち上げ、独立までを支援する制度をつくり、指導する職人さんには、月一〇万円を支援しています。この制度を利用された方は、殆んど、その業界に残り仕事をされているそうです。市の職員さんは「自分達は事務屋ではない。業界に関わっている者、知識のある者でないとつとまらない」と誇りをもって語っておられたのが非常に印象的でした。そこで伺います、本市の技術後継者育成制度は見直しされましたが、一六年度予算は八百万円、金沢市の二千三百三十四万円の予算と比べても少ないものであり、増額すべきです。伝統産業功労者認定で支給されていた一時金二〇万円も廃止されました。これでは伝統産業の技を引き継ぐことにはなりません。静岡市のように、技を学び、実際に身につける実習から、独立し、ものづくりで生計をたてられるまでの一貫した支援策で後継者育成に本格的にとりくむことが必要と考えますが、いかがですか。又、産業技術研究所では、職人さんの研修を行う、みやこ技塾がおこなわれていますが、新たに、その道を志す若者を育成する、本格的な機関が必要です。

〈産業観光局長〉伝統産業技術後継者育英制度に基づき、昭和42年から育英資金を支給。平成15年からは年齢・従事期間など要件を緩和して対象者を拡大するとともに、支給額や方法を改めた。

緊急雇用創出事業の継続を国に求めよ

 又、現在、商店街や町家等を活用した工房で伝統工芸の実演や体験、販売が行われ、小中学校への職人さんの派遣が行われていますが、こういった取組をさらに本格的にひろげ、職人さんへの支援を行えば、雇用の創出と伝産品の販路拡大にもつながります。いかがですか。 

 国の緊急雇用創出事業「京の職人さん」事業がおこなわれ、6億円の事業費で、三万千二百二十四人の雇用をうみだしましたが、今年度で終わりです。本市は国への予算要望で継続を求めていますが、さらに強く求めるべきです。

〈産業観光局長〉平成11年度から国の緊急地域雇用創出特別交付金を活用し、伝統産業でのべ約3万7千人の雇用を創出。昨年度から小中学校や生涯学習施設等へ職人さん派遣し、体験教室を実施するなど雇用の創出、需要拡大にもつながるようとりくんでいる。

情報化へ支援強化を

 第二に、情報化への対応への支援です。西陣では、力織機に紋紙からコンピューターによるダイレクトジャガードが導入され二〇年が経過しました。しかし、対応年数がすぎて、新しいソフトを導入しようと思っても、数百万円もかかり、下請けで賃機の職人さんには、そんな負担はとうていできません。導入しても、その後投資にみあう仕事があるかどうか保証はなく、いくも地獄留まるも地獄、どちらにしても、廃業を考えるしかないと深刻な事態です。今、何とかしなければ、西陣の技、産地さえ崩壊しかねません。京都の代表的な伝統産業、西陣産地を守り、引き継ぐためにも、新たな機器の導入に対して補助や貸与を行うなど支援すべきと考えます。いかがですか。

〈産業観光局長〉産業技術研究所繊維技術センターにおいて、汎用性のあるソフトを開発し、安価に提供。機器の更新等の費用については、ものづくり元気融資等の制度融資で支援。

原産国表示の義務化を

 第三に、原産国表示についてです。今、和装の帯やきものが海外で生産され輸入され、西陣産地などを困難にしています。西陣帯は十万本が海外生産されているといわれています。九十七年公正取引委員会の通知が出され、一定の効果をあげてきましたが、織りは中国で、仕立てを日本でおこなったものを国産として販売されるなど、依然として紛らわしい扱いがおこなわれています。先月、西陣織会館で第八回きものサミットが開催され、私も参加しましたが「原産国表示、産地、品質表示をおこない消費者にわかりやすいビジネスを推進する」と、サミット宣言が行われました。本市も国に対して、原産国表示をもとめていますが、消費者にわかりやすく、正確な情報を提供するためにも、京都ブランドを守るためにも、和装品の産地や生産手法、縫製地など商品履歴の正確な表示や原産国表示の義務化を国に対し更に強く求めるべきです。いかがですか。

〈産業観光局長〉和装製品等絹製品の秩序ある輸入とあわせて消費者に適切な商品情報を提供するため、原産国表示の義務づけ等の充実の要望をおこなっている。

映画産業の振興について

 次に、映画産業の振興についてです。1897年、実業家稲畑勝太郎が四条河原で初めての映画上映を行い、日本映画の父と呼ばれる牧野省三が二条城、等持院、御室に、阪東妻三郎が太秦に撮影所をかまえるなど、京都は日本映画発祥の地、ハリウッドといわれてきました。最盛期には、京都で日本映画が年間百六十本以上制作され、京都の産業として、まちを支えるちからとなっていたのです。ところが、今、年に一本か全く制作されないかという事態にまで落ち込んでいます。今、はん流ブームが話題の韓国では、国が映画振興法をつくり、撮影所や芸術総合学校をつくり制作から人材育成までを支援し、韓国映画上映を位置づけるなど、その振興に国をあげて取り組んでいます。日本でも、日本映画を復興させようと、昨年、国のところで、関係省庁も参加した「映画振興に関する懇談会」が、これからの日本映画の振興についての提言を発表するなど、日本映画復興の取り組みも始まっています。映画は総合芸術といわれますが、映画発祥の地京都においては、伝統地場産業ともいえます。東映や松竹など撮影所も残っています。全国に誇る景観やまちなみ、歴史や文化があり、観光都市でもあります。京都こそ、映画産業を復興、振興させることができる都市であり、その役割があるのではないでしょうか。ところが、本市では、1億円の制作助成がなくなり、京都映画祭のとりくみだけになりました。やっと年内に、ロケーションサービス推進会議を設置するとりくみがはじまったところです。私は、松竹京都映画、東映京都撮影所や映画に携わる関係者のみなさんから、フイルムの保存の問題、撮影所やそこで働く労働者の厳しい実態などお話を伺ってきましたが、みなさん、映画発祥の地をなくしてはならない!との熱い思いでがんばっておられました。そこで、いくつか伺います。松竹京都映画では、人材の育成に撮影所が絶好の場所と映画塾をつくり人材の育成を行っていましたが、今はこの塾もなくなりました。東京芸大には、映像学科ができました。映像、舞台芸術に関する実験授業ということで、一部経済産業省の補助もうけておこなわれています。本市にも、市立芸術大学があります。ここに映像学科をつくったり、本市独自の映画塾をつくるなど、人材育成に本格的に取り組むべきと考えます。いかがですか。

〈高木副市長〉京都映画功労賞や京都映画奨励賞などで人材育成にとりくんでいる。芸術文化特別奨励制度を設け、映像関係者を支援している。本格的な映像学科を設置するのは、極めて困難。

 制作については、撮影ロケーションに対して、京都は多くの文化財などがあり、ロケ地も多いが、営利目的はだめと規制もあった。市の公の施設での撮影ができるように、手続きなど早くしてほしいという要望があります。ロケーションサービス推進会議を設置するということですが、このような要望をどう具体化されるのかお示しください。

〈清水観光政策監〉ロケ可能な施設情報のホームページ発信、事務の一元化など支援のとりくみを推進する。

 上映鑑賞の機会づくりについて、かっては、学校で映画鑑賞の機会がありましたが、今は少なくなりました。太秦には、「京都の文化を映像で記録する会」というNPOが独自で映画会をおこなったり、「太秦キネマ塾」を開設し、小学生に撮影技術を教えたり、映画のまち太秦を歩く「キネマ散歩」をとりくんでいます。唯一大映の名前の残る大映通り商店街でも、映画の町にちなんだとりくみが行われています。又、地元住民や映画関係者でつくられた「太秦映画を見る会」は、区のまちづくり支援事業で補助をうけ上映に取り組んでいますが、その補助は今年度でおわりです。このように太秦では、映画にかかわる多彩な活動がおこなわれています。こうした地道な活動、上映鑑賞や、映画制作の活動に対して行政が本格的に支援すべきと考えます。いかがですか。

 先日文化功労者に選ばれた山田洋次監督は、「京都の商店街でもシャッターがおりている店が多いけれど、撮影所のそばの商店街は奇跡のように、小さな商店の経営が続いている、そんなまちの生活をそのまま映画にできないかと考え続けている」と太秦の地であらたな映画づくりを考えておられるようです。映画発祥の地である本市こそ、日本映画復興と振興の役割があります。そのための積極的なとりくみを求めます。

〈高木副市長〉今年9月の京都映画祭で、映画の街・太秦めぐりと題し、大映通商店街や東映京都撮影所の見学など、地元・映画関係者と連携してイベントを開催した。

右京のまちづくりについて

市バスの利便性の向上を

 最後に、地元右京区の問題で伺います。右京区は二〇〇七年、地下鉄東西線が天神川までのび、あわせて総合庁舎も建設され、周辺整備事業で、まちが大きく変わろうとしています。右京区は、観光地、神社仏閣も多く、歴史と文化のまちでもあります。この事業が、住民にとっても、観光客にとってもより住みよく、利便性の高いものにと、住民から要望が寄せられています。特に、交通問題について、現在、西京極地域など、右京南部から区役所へ行く直通バスはなく、西院へ出て乗り換えなければなりません。御室や宇多野、高雄など北部地域も南北のバスが少なく、南へ行こうと思えば西院まで回って乗り換えなければなりません。南北をつなぐバス路線をつくってほしいという声は切実です。特に、天神川通りには総合庁舎が建設され、文化会館もあり、南には、西京極のプールアクアリーナなど公共施設があります。公共施設を結ぶバスは住民の利便性を高め、乗客を増やすことにもつながります。右京区基本計画にも、バス路線の充実として、交通拠点となる地下鉄駅を中心としたバス路線の再編、南北方向のバス路線の充実が提案されています。大覚寺発、福王子経由で天神川を南行し、地下鉄やJRなど公共鉄道や公共施設をつなぐ路線をつくるなど、区民の利便性の向上をはかるべきです。どのように具体化されますか、お答えください。

〈島田公営企業管理者:交通局長〉平成19年度の地下鉄東西線二条-天神川間開通の際、利用状況を見極めながらバス路線の再編をおこなう。

区役所、保健所の跡地を住民のために活用を

 又、総合庁舎の建設にともなって、区役所、保健所の跡地について、児童館や学童保育所などこどもたちの施設や、お年寄りや地元住民が利用できる施設にしてほしいという要望が地元からだされています。財政健全化プランには、売却用地としてこの跡地があがっていますが、公的な市有地を売却するのではなく、住民のために活用すべきです。地元の要望にどう応えるのか、具体的にお答えください。以上で私の質問を終わります。

〈高木副市長〉財政健全化プランに基づき、余剰になった土地は原則として売却するが、右京保健所跡地は地元住民の要望、小学校前という立地条件を配慮しつつ慎重に検討する。

第2質問

 ご答弁をいただきましたが、イラクからの自衛隊の撤退について、答弁にたちませんでした。イラクはまさに戦場であり、負傷したイラク人を米兵が射殺した映像が放映され、戦争犯罪の可能性があると、米軍が調査を始めるほど、住民への無差別殺戮がおこなわれているのです。このアメリカのいいなりに自衛隊派兵を続けることは、日本もこの無法を助けることにほかなりません。比較平和都市として、ハッキリと自衛隊の撤退を求めるべきです。

 防災対策については、国土交通省が15日、情報提供を住民にわかりやすく示すことで提言をまとめ、今月末には公表するといわれています。さらにとりくみを強化するよう求めておきます。

 三位一体改革については、のべましたように税源委譲の保障もなく、地方自治体にさらなる負担を押しつけるものであり、本市財政を困難にし、市民サービスを後退させるものであることは明らかです。こくにハッキリと反対を表明すべきです。