トップ > 市会報告 > 2004年 > 04年9月定例市会 >

市会報告

西野さち子 議員

04年9月13日(月)

西野さち子議員の代表質問と答弁の大要 04年9月定例市会 本会議代表質問

「イラクから自衛隊を撤退」を表明し、平和のメッセージ発信を

 伏見区選出の西野さち子でございます。日本共産党を代表して、市長並びに理事者に質問をいたします。

 初めに参議院選挙では、先の総選挙を上回る、18万6000人の府民のみなさまが日本共産党を支持して下さいましたことに、心からお礼を申し上げます。さて、市民生活を守る上で最も大切な平和の問題で質問いたします。8月13日に沖縄国際大学構内に墜落した、アメリカ軍大型ヘリの事故でアメリカは、日本の民間地なのに、日本側の現場検証を拒否し、勝手にヘリの残骸を撤去しました。その上アメリカ軍は、ヘリの機体に放射性物質を使用しており、事故直後から放射能測定をしています。宜野湾市の市長は「主権侵害だ。これが米軍基地の本質なら、住民との共存は不可能。」と、怒っておられます。そもそも、普天間基地は住宅密集地にあり、極めてキケンな基地です。32年前の1972年、建設中の沖縄国際大学の構内に、米軍ヘリが燃料タンクを落とした事故がありました。その事故以来、普天間基地所属の、ヘリや飛行機がおこした事故は70件を越えています。命を脅かされたうえ、屈辱的な扱いですから、怒りがわくのも当然です。昨日、宜野湾市では、伊波洋一市長が実行委員長となって、沖縄国際大学構内で3万人集会が開かれ、普天間基地早期返還を求める声が大きく広がっています。そして、沖縄県内の市町村議会は、続々と抗議の決議をあげ、なかには「基地閉鎖」を打ち出す議会まで出ています。ところが小泉首相は、今回の事故で沖縄県知事が面会を求めても夏休み中という事で会おうともしませんでした。そんな中の8月22日、沖縄県や宜野湾市が求める「すべての軍用機の飛行停止を」の声を無視して、墜落したヘリと同型機が飛び立ちました。それは、在日米海兵隊の副司令官が明らかにしましたが、「イラクの作戦に参加するため。」だったのです。沖縄県民の命や財産よりも、米軍の作戦最優先の姿勢です。日米同盟の存在が、日本国民の安全には到底つながらないばかりか、キケンにさらしている事を示しているのではないでしょうか。この日米同盟のもとに小泉首相は、イラクへの自衛隊派兵を強行し、憲法改悪まで行なおうとしています。

 そこで、市長がマニフェストで公約された「世界歴史都市連盟からの平和メッセージの発信」についておたずねします。2月議会と5月議会で「10月に韓国・慶州(キョンジュ)市で開催される歴史都市連盟の理事会で提案する」と答弁されています。どういうメッセージを提案されるおつもりでしょうか。イラクはアメリカ軍によって全土が戦場と化し、サマワの自衛隊駐屯地には、明らかに自衛隊を狙った砲撃があるなど、事態は深刻になっています。武力行使を伴う多国籍軍に参加をし、自衛隊がイラクにいることは、憲法に違反しています。イラク戦争の大義名分になっていた大量破壊兵器の存在が疑問視され、いまアメリカではマスコミが偏った報道をしたと反省をしています。イラクから自衛隊を即時撤退すべきという立場をはっきりさせずにどんなメッセージも説得力を持ちません。この間わが党は何度も指摘してきましたが、「10月に」と悠長なことを言っている間にも、歴史都市バグダットを含むイラクの都市が破壊されているではありませんか。

 非核・平和都市宣言をしている京都市の市長だからこそ、今すぐにでも、イラクから自衛隊を撤退すべきと表明し、平和に向けての発言をすべきです。いかがですか。

〈高木副市長〉イラクへの自衛隊派遣は、人道復興支援を目的におこなわれている。各国の支援のもと、平和が一日も早く回復することを願っている。平和メッセージは、10月の世界歴史都市連盟の理事会にはかり発信する。

平和憲法改定に反対し、擁護の立場を明らかにせよ

 次に参議院選挙でも一つの争点となりました憲法の問題で質問いたします。憲法を変えようという議論の焦点は、9条にあります。そもそも憲法9条の果たしてきた役割と、現在の存在意義とは何でしょうか。日本では300万人、アジアでは2000万人もの命が犠牲になったといわれています。私の叔父も二十歳という若さで、特攻隊としてゼロ戦に乗り命を落としましたが、こういう第二次世界大戦の悲惨な体験の中から、二度と戦争はしないという願いのもとに日本の平和憲法、特に9条は作られたのではなかったでしょうか。それは、ただ単に日本の反省にとどまらず、「戦争のない世界」を作ろうという世界の流れの中で創られ、戦後、日本は戦争の被害者にも加害者にもならずに現在にいたっています。そして、2000年5月に106ヶ国が参加して、ミレニアムフォーラムが国連本部で開かれました。この時の「平和・安全保障及び軍縮テーマグループの最終報告書」では、「すべての国が日本国憲法9条に述べられている、戦争放棄の原則を、自国の憲法において採択する」という提案が取り上げられました。このように世界では、戦争放棄の条文を自国の憲法に入れようという運動が起こっています。「戦争のない世界」への先駆けとしての憲法9条の存在意義はますます大きくなっています。梅原猛さんをはじめ、井上ひさしさん・大江健三郎さん・奥平康弘さん・小田実さん・加藤周一さん・澤池久枝さん・鶴見俊輔さん・三木睦子さんの日本を代表し、京都とも係わりの深い方々を含む9人が呼びかけ人となって、「9条の会」が発足しました。「あらためて憲法9条を世界に輝かせたい」とのアピールが出され、賛同と共感の声が広がっていますし、世論調査でも、6割~7割の国民の皆さんが9条を守るべきだとおっしゃっています。ところが自民党はどうでしょうか、2007年には憲法を変えるとしていますし、民主党の岡田代表は、7月末、国会を欠席してアメリカで行った講演では「憲法を改正し、国連決議があれば海外での武力行使を可能にするべきだ」と強調されました。そして、その後の民主党代表選挙では、「現憲法でも解釈によって武力行使は可能」という考えもあると両論併記の公約を発表されました。自民党・民主党の行き着く先はどちらも、自衛隊の海外での武力行使を認める「戦争をする国」への転換ではないでしょうか。

 戦後59年目の8月6日被爆地広島の秋葉市長は平和宣言の中で、初めて憲法擁護を求めました。桝本市長は安心・安全のまちづくりとおっしゃるのなら、京都市の市長として、「平和憲法改定に反対」と、憲法を擁護する立場をはっきりと明言すべきです。いかがですか。

〈高木副市長〉日本国憲法が希求する平和は、日本国民のみならず人類共通の願い。改正をめぐって様々な意見が出されているが、徹底した情報開示のもと、広く国民全体で議論がすすめられるべき。

市民にいっそうの痛みを強いる3つのプランは撤回を

 次に先に発表された京都市財政健全化プラン・京都市基本計画第二次推進プラン・京都市市政改革実行プランの3つのプランに関連して質問いたします。今年度は、既に事務事業の見直しによる100億円の削減が実施され、多くの市民サービスが切り捨てられています。ある生活保護家庭では、72歳と73歳のご夫婦が、夏季・歳末見舞金の廃止で、娘さんの結婚を祝って上げられなくなった上に、高齢者の加算も減らされ、生活が出来ないと悲鳴を上げておられます。高齢者のささやかな願いまでも奪い取る冷たい市政に怒りを感じます。また、学校予算が一校あたり200万円から400万円も削られたために、この暑い夏にプールの水道代が出ない学校や、医務室に置く薬代が出ない学校など、普通では考えられないこともすでに起こっています。財政健全化プランは、財源不足が1645億円になるとした上で、来年度からさらに毎年40億円ずつ削減額を上乗せし、合計4年間で400億円の市民サービス切り捨てと職員1000人削減を計画しています。その中身はこれまでの市民サービスの切り捨てをいっそう進めるものに他なりません。だからこそプランでは、「身を切るような痛みを伴う事があるかも知れないが、痛みにひるんではいけない」と更なる痛みを強調し、「市民サービスの急激な低下を回避するよう努めます」とサービス低下を前提としています。市民に対してどこまでも冷たい市政で貫かれているのではないでしょうか。市長が盛んにおっしゃっている「福祉は後退させない」の言葉はいったいどこに行ったのでしょうか。全く逆の方向に推進しているではありませんか。今年度に続き、さらに市民サービスを削減し、どうして福祉が後退しないといえるのでしょうか。到底市民の納得はえられません。これらのプランは結局痛みを押し付けているだけです。市長は「福祉は後退させない」と言う自らの発言に責任をもち、プランを撤回すべきです。いかがですかお答えください。

〈桝本市長〉京都市基本計画に掲げた政策、施策を着実に推進していくために、将来にわたって持続可能な行財政運営の仕組みを確立することが緊急の課題。民間活力の導入や行政評価システムの活用などによる行政運営の仕組みの改革と、歳出・歳入にわたる聖域なき構造改革に一体的にとりくむことによって成し遂げられると確信している。福祉を後退させないためにも不退転の決意でとりくむ。

地方自治体財政を危機に追い込む「三位一体改革」に反対を

生活保護費の国庫補助率改悪案に反対する市長の決意を

 この三つのプランの根底には、市民の自立、自助が最優先で、それでだめならNPOなどの力を借り、それでもダメな場合にだけ、最後に公の力を借りなさいという「補完性の原理」があります。さらに市民サービスの対象は、料金などを支払える市民だけをお客様と見て、自治体を企業とみる「NPM理論」があります。料金の払えない市民は、サービスの対象となりませんし、行政サービスは最後にあてにしてくださいという事になれば、自治体本来の役割である、住民の福祉の向上に努めるという公的任務を放棄することになりかねません。改めて、地方自治体本来の原点に返るべきです。

 今、京都市に限らず全国の地方自治体が、深刻な財政危機に陥っています。それをさらに厳しい状態に追い込んだのは、この間、小泉構造改革の名で行われてきた、三位一体の改革です。来年度に向けては、いっそう厳しいものになっています。「必要なものについては補助金を出す」といいながら、その必要な範囲を狭くして、補助金を削るやり方で、国民の生存権をも脅かす内容となっています。現在生活保護の国庫補助率は、給付費の4分の3でこれを3分の2に引き下げる案が示されています。深刻な不況の中、生活保護率は年々上昇しています。生活保護は憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活をする権利を保障する」ための制度です。だからこそ、政令指定都市市長会は、「国民生活の基盤を支える基礎的な行政サービスは、その財政責任のすべてを国が負い、経費の全額を負担すべき」との意見書を提出し、「強行されれば生活保護の決定や実施に関わる事務を返上する。」との談話まで発表する事態になっているのです。国はこれによって1700億円の国庫補助金削減を見込んでいますが、そもそも生活保護費の国庫補助率は80%でした。それが1985年に75%に削減され、給付抑制に拍車がかけられました。そして今回の改悪案です。憲法25条に抵触する今回の改悪案に「国の責任放棄だ」と批判が上がるのも当然です。生活保護費の国庫補助率改悪案に反対する市長の決意をお聞かせください。

〈松井副市長〉三位一体改革に名を借りた地方への一方的な負担転嫁は絶対に認められない。強く国に求める。

地方自治体の財源不足に拍車をかける三位一体の改革にはっきりと反対を

 京都市財政健全化プランでは、「国、地方を通じる財政危機を背景に、国の財政再建に軸足を置き、地方に負担を転嫁するものとする動きが見られます。こうした動きを許さず、地方の真の自立を補償する地方財政制度への改革に向けて、国への働きかけを強化します」と、述べています。プランでは地方交付税の額を1150億円と試算していますが、プラン策定直後に1089億円と決定され、特別交付税配分で見込み通りの25億円が決定されても36億円穴があく事になります。三位一体の改革のねらいと中身がはっきりと示されたのではないでしょうか。「地方に負担を転嫁するな」といいながら、三位一体の改革促進を求めることは、極めて矛盾しています。自治体の税財源が拡充される立場での税源移譲を行う事を求め、地方自治体の財源不足に拍車をかける三位一体の改革にはっきりと反対すべきです。いかがですか。

 また、政府は、景気は回復してきたといいますが、それは大企業だけで、国民にはその実感はありません。2002年に行われた所得再配分調査では、5年間で正社員が399万人減り、世帯の平均所得は1997年に比べても68万円減っています。低所得者が増え、自殺と犯罪が激増し、自助努力も限界にきています。そんな中、介護保険料の負担増、すべての高齢者から医療保険料を徴収、消費税の増税と、これでもかと負担増計画が続きますが、しなければならないことは国民生活の応援、中小企業の応援ではありませんか。日本共産党市会議員団は、「住宅改修工事費、助成条例」と「木造住宅耐震改修費、助成条例」の提案準備を進めていますが、既に実施している自治体で予算の20倍以上の経済効果があるこういう応援こそがいま必要です。

〈毛利副市長〉本市が財政健全化プランを着実に実施していくために、地方の総意として取りまとめられた国庫補助負担金改革具体案の実現により、確実な税源移譲等を求めていく。

急ぐ理由が皆無の灰溶融炉建設は凍結すべき

 次に、灰溶融炉建設について質問します。

 鉄を溶かす溶鉱炉の原理で、ごみを燃やした後の灰を1200度~1300度の高温で一気に溶かす施設、灰溶融炉建設が計画されています。しかし、市民に納得が得られていないだけでなく、建設の必要性は見当たりません。不要不急である理由の第一は安全性の問題です。環境局は「溶融炉は最先端技術で日進月歩している。最良のものを採用するため、燃焼方式もメーカーも検討中」と住民説明をしています。しかし、何も具体的な事が示されないまま、京都市は住民と今月中に協定書を結び、工事にかかりたいとしています。住民からは、「何もかもわからないままで、どんな協定を結べというのか」「燃焼方法など、具体的なことがわかってから、検討をして、協定を結ぶのが筋だ」との声が上がっています。地元住民に不安を与えたままで、見切り発車はすべきではありません。また、最先端技術でまだ不確定要素の多い施設であり、全国各地で事故が多発している施設である事も事実です。京都市でも、東北部クリーンセンターで飛灰の溶融炉に穴が開く事故が起こっています。静岡では、今年4月に稼動開始したばかりなのに、7月にスラグと溶融金属が、厚さ20センチの耐火レンガと、2.2ミリの鉄板を突き破る事故を起こしています。また、千葉県我孫子市は溶融処理能力は1日15トンという小さなものですが、稼動中止をしています。施設の課題として、我孫子市は「廃棄物処理施設の最先端技術を駆使したものであり、メーカー側でも予期できなかった不都合や施設の構造上避けられない問題点がでてきた。例えば、溶融過程において焼却灰が比重分離し、焼却灰に含まれる比重の重い非鉄金属が溶融炉の底に堆積する為長期連続運転が出来なかった事。また、全国トップクラスの資源分別回収を誇る我孫子市であっても、焼却灰中の金属を起因とする輸送機器の損傷、事故が多発した。」としています。つまり、焼却灰の中の金属が原因で稼動を中止しているのです。東部山間埋立地を見学された方はお気づきだと思いますが、埋め立てられた灰の中にさびた空き缶が無数に混ざっています。だからこそ、京都市では、灰に混ざった金属を取り除く為の新たな施設が必要なのです。さらに、焼却灰と煙突のバグフィルターに貯まるチリである、飛灰を混ぜて溶融するとの事ですが、性質の違う2種類の灰を混ぜて溶融をする事は非常にキケンだといわれています。先日、日本共産党市会議員団はすでに灰溶融炉を稼動されている横浜市金沢工場に視察に伺ってきましたが、「飛灰を溶融すると鉛やカドミウム、水銀などの重金属が気化するので、うまくいかない。全国でも成功例がない」と説明されていました。金沢工場では、飛灰は、重金属安定剤を混ぜて、コンクリートで固めたうえで埋め立てているとの事でした。すでに灰溶融炉を稼動させている所から出されている指摘や疑問を解決すべきですし、安全が担保されないまま、建設だけを急ぐことはやめるべきです。不要不急である理由の二つ目には、現状の最終処分場の使用可能年数は当初は15年だったのですが、ごみの減少で現状のままだと30年は使用可能という点です。今後も減量を進めれば、さらに使用延長は可能になります。もともと溶融炉は北部クリーンセンターを建設する際の補助要件だったという事が、後になって明らかになりました。しかし、国は「最終処分場の使用年数が、15年以上あれば、補助要件とせず自治体の判断に任せる」と国会答弁をしています。この点からも急いで溶融炉をつくる必要性は全くありません。3つ目には、財政の問題です。灰溶融炉は建設費230億、経費が毎年18億円もかかるのです。財政非常事態の今は特に急ぐ必要の無い施設建設よりまず、ごみの分別リサイクルとごみを出さない為の政策や製造者責任を追及する事で、脱焼却に1歩でも近づくことが必要ではありませんか。以上、安全の点からも最終処分場の使用年数の点からも財政の点からも急ぐ必要が全く無い灰溶融炉建設は、凍結すべきです。いかがですか。

〈桝本市長〉内陸都市である本市唯一の埋め立て処分地を一日でも長く活用するため必要不可欠。速やかに建設したい。

食の安全にむけた積極策を

 つぎに食の安全について質問いたします。

 3年前のBSE発生以来つづけられてきた、全頭検査と脳や脊髄など病原体が蓄積する危険部位除去を柱にした世界に誇る日本のBSE対策が、アメリカの圧力で危機をむかえています。9日、「生後20ヵ月以下の感染牛を発見することは困難」「検査対象から除外しても、危険部位除去を続ければ感染の危険は増加しない」とする内閣府食品安全委員会の報告が発表されました。亀井農林大臣は国内のBSE対策の見直しを検討すると表明し、政府は検査基準の緩和に向けて動き出しています。この背景には、「若い牛を検査しても、見つけられないから無駄」という言い分で輸入再開を求めるアメリカ政府の要求があります。しかしアメリカのBSE対策は大きく立ち後れており、検査を受けた牛は出荷頭数のわずか0.06%にすぎず、生後30ヵ月未満の牛は危険部位の除去もされずに流通しているのです。こんな国の肉を手放しで輸入するなど、危険きわまりません。

 厚生労働省の発表によれば、BSEの発症例を調査した結果、3種類ある「人の遺伝子」のうち、あるタイプに100%発症者が集中していることがわかりました。MM型といわれるこの遺伝子は、ヨーロッパでは37%と少ないのですが、日本人では93%以上と高く、日本人は特に発症しやすいと指摘されています。加工品にもBSEの病原体が混入する恐れもあり、牛肉を食べなければ安全というわけには行かなくなります。ブイヨンやカレー、離乳食、ラーメンなどのうまみ調味料に使われていますし、石鹸や化粧品にも使われているということです。BSEは、感染してから発病までに10年という長い潜伏期間をもっています。かわいい赤ちゃんに食べさせた離乳食にBSEの病原体が混入することも考えられます。10歳になったころに発症してあわてても手遅れです。報告には全頭検査を見直すべきとはひと言も書かれません。むしろ全頭検査が、危険拡大防止に役立ったとしています。アメリカの言いなりになって、全頭検査から若い牛を除外し、日本国民の命を脅かすことは許せません。全頭検査を堅持し、安全性を担保出来るまでは、BSE発症国アメリカ産牛肉は、輸入再開をしないように国に強く求めるべきです。いかがですか。

〈高木副市長〉中央卸売市場第2市場に入荷する牛の全頭検査、危険部位除去・焼却は今後とも継続する。BSE対策見直しは、政府の動向を注視する。

コミュニティバスへの財政支援を

 次に醍醐コミニティバスについてお聞きします。

 「コミニティバスを走らせる市民の会」のみなさんのご尽力で、今年2月16日から醍醐地域に小型のバスが走り出しました。予想よりも利用者は多く、地域に根ざしたバスとして活躍しています。しかし、その運営はやはり大変です。地域の企業や、お寺、病院、個人などからの協力金なしでは成り立ちません。醍醐地域の人々の暮らしの足としての役割りが大きくなっていくのに、赤字で経営が出来ませんから廃止しますということになっては大変です。そもそも、コミニティバスの運動は、京都市が醍醐地域から市バスを廃止して、暮らしの足を切り捨てたところから始まったわけですから、市民の足を守るという行政の責任が問われているのです。いつまでも、「京都市が手を出せば運動の目を摘む」だとか、「財政支援以外の支援をする」といっているだけでいいのでしょうか。せめて、敬老乗車証の使用が出来るようにすべきです。いかがですか。

〈保健福祉局長〉すでに要望を受けているが、将来的な課題として、市内の交通体系の動向を十分に見極めていく必要がある。

醍醐和光寮の現在の場所での早急な改善を

 次に醍醐和光寮についてです。醍醐和光寮は1938年7月に、公立では日本で最初の知的障害を持つ人の保護施設として誕生してから66年になります。市長は就任されてから6年になりますが、和光寮を訪問された事があるでしょうか。ご覧になればおわかりいただけると思いますが、狭く老朽化した施設である事や、児童棟が大人が保育園で生活をするような不便さで、毎年、居室を小さく区切って個室化したり、職員室を居室に振り向けるなど、部分的な増設や改築は繰り返されては来ましたが、かなりの老朽化と狭さでこれ以上の改善は無理な状態です。入所者に1日でも早く、人間らしい暮らしを保障する為にも、15年度策定の障害者福祉推進プランの、改修・改築の検討が必要とされた老朽施設である、醍醐和光寮の改築を急ぐべきです。そして、その場合、今の場所での抜本的な改築が必要です。去る8月28日に第20回の和光寮祭が、地域の方々の多数の参加で盛大に行われたように、醍醐地域でこそ受け入れられている実態があります。また、公園の掃除などで、今の地域に根ざした活動もされています。それを壊さないためにも今の場所で早期の抜本的な改築を強く求めまして

私の質問といたします。

〈保健福祉局長〉温かいご理解を得ながら、地域に根ざした施設。様々な改修をおこなってきたが、老朽化などの課題が残っていることは認識している。改築は障害者施策推進プランに掲げているとおり検討していく。