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市会報告

くらた共子 議員

04年5月28日(金)

介護予防対策等の見直しを求める意見書 賛成討論 04年5月定例市会 閉会本会議討論

 わたくしは、日本共産党市会議員団を代表し「介護予防対策の拡充を求める意見書」に賛成する立場で討論を行います。

 平成12年4月より施行された介護保険制度は、急速に伸展する高齢化社会をみつめ、「介護の社会化」を求める国民的要求に基づく制度として実施されました。

 制度発足当時より、要支援・要介護認定者が増え続けていることは、介護サービスを求める国民の潜在的要求を掘り起こすこの制度の性格から当然のことであります。とりわけ介護保険の要支援・要介護度1の認定者が増えているのは、国民への制度の浸透が図られてきたことと、なんらかの介護を必要とする方が、できるだけ早くから必要なサービスを利用することにより、日常生活の自立度を保とうとする意識の表れであります。高齢期をいきいきと元気に暮らしていける社会の実現は、すべての国民の願いです。

 高齢者が地域で、人間の尊厳を保ち自分らしく生きていくためには、保健・医療・福祉・介護サービスなどの総合的な福祉施策の充実が不可欠です。

 ところが、今政府、厚生労働省は、介護保険の要支援・要介護度Iの認定者への保険給付費が増えたことから、介護給付費の適正化対策を打ち出しています。この適正化対策の最大の目的が介護給付費の削減にあることは明らかです。

 今回、提案された意見書は、その厚生労働省の提案の一部だけを取り上げたものであり、給付費削減が目的だということにふれられていないことは、極めて重大だといわなければなりません。

 これは、介護保険制度に対する国の責任を放棄するもので、とうてい許されません。

 そもそも、政府は医療費の窓口負担の引き上げを始め年金の切り下げなど、高齢者が生き生きと暮らすどころか、所得の少ない高齢者に「長生きするな。」と言わんばかりの仕打ちを重ねてきました。

 現在、明らかとなっている介護保険制度の問題は、過疎地域などでの基本的なサービス基盤が不整備であることや、高い介護保険料に加え1割のサービス利用料が生活を圧迫し、最も介護を必要とする所得の低い高齢者が必要なサービスを利用できない実態となっていることなどです。

 このことは、わが国の社会福祉の理念に反する重大な事態と言わなければなりません。

 高齢者の健康増進と疾病予防の更なる拡充・強化を図り、高齢者ができるだけ要介護状態にならないようにするための介護予防策を講じていくことはもちろん大切です。

 日本共産党は、介護保険制度の改善について、ひとつには、国の制度として保険料・利用料の軽減措置をとること、二つには介護給付への国庫負担を増額すること、三つには介護老人福祉施設やグループホーム等の施設建設を計画的にすすめること。四つには緊急用ショートステイのベッドの確保と介護職員やケアマネジャーの労働条件の改善を図ることなどを提案しています。

 来年の介護保険制度の見直しに向けて政府、厚生労働省は、こうした立場で現行制度の矛盾の是正を図るべきであることを厳しく指摘し、わたくしの討論といたします。