北山ただお 議員
03年12月17日(水)
「新たな雇用を創出するための企業・創業の早急な整備を求める意見書」にたいする討論 03年11月定例市会 閉会本会議討論
ただいま提案されました意見書「新たな雇用創出するための企業・創業の早急な整備を求める意見書」につきまして、私は日本共産党市会議員団を代表し、いくつかの問題点を指摘して「賛成」の討論を行います。
不況は自然災害ではない
意見書案の冒頭は「長引く不況の中で、厳しい雇用情勢を打開するために」と背景を語っていますが、なぜ今日の深刻な不況がもたらされてきたのか、その責任はどこにあるのか述べられていません。不況は自然災害ではありません。
私は、資本主義における恐慌論から論じる気持ちはありませんが、バブルがはじけて企業の破産、倒産が相次ぎ失業は増大し、国民のくらしは所得の低下や大負担、大増税で大きな打撃を受けてきました。99年に公明党が政権に参加して以来、お年寄りの医療費負担の増大、働く人の健康保険3割負担、介護保険料の値上げ、たばこ・ワインへの増税などが押しつけられてきました。年金支給額も引き下がられました。このため国民所得は1年間で4兆円も減り、当然消費が減り経済が後退するという結果になったのです。
来年度も年金の引き下げや老年者控除の廃止、住宅ローン減税の段階的廃止、更に将来消費税の引き上げを公言するなど国民生活は行き詰まるところまで来ているのです。
大企業においては人員の削減、出向、転籍の強要、そして働く人には長時間労働やサービス残業の押しつけなど人権無視の事態が横行しています。自民・公明の小泉政治はこのリストラを強行する企業に、「産業再生法」などをつくって応援をしています。
政治の転換なしに不況を打開できない
増税や社会保障の切り捨て、企業の横暴を助長をする政治こそ不況の原因であり、この政治を転換することなしには不況を打開できないことは明白であります。
次に具体的項目の1番目に「新たな500万人雇用創出すること」とありますが、政府は昨年「500万人雇用創出」を掲げていましたが失業率はあまり改善せず依然として5%台の高水準を続けています。直ちに改善するというのであれば、サービス残業を根絶すること、労働時間を短縮することです。そうすれば160万人の雇用が隠され失業率も2・4%引き下げられると試算されています。民間研究所の資産では、新規雇用の拡大と労働時間の短縮によって国民の所得と消費が拡大されるために、企業の労働コスト上昇などに影響を差し引いても、GDP2・5%引き上げる景気拡大効果があると指摘しています。政府あげて、サービス残業をなくし、長時間労働是正にによる雇用創出に本格的に取り組むべきです。
日本経済を支える中小企業にこそ支援を
又、6項目目には「投資を促進する税制支援策の拡充を行うこと」とありますが、信用力の乏しい中小企業に税制支援をすることは当然であります。しかし、政府が行ってきたことは中小企業や国民いじめの消費税や外形標準課税の導入、配偶者特定控除の段階的廃止などの庶民増税であり、大企業に対しては法人税率43・5%から30%までに引き下げる大減税というきわめて不公平なものでありました。このような不公平税制をただして、日本経済を支える中小企業への支援こそ急務であります。こうした内容の実現に向けて努力していくことを求めまして賛成討論といたします。