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市会報告

かとう広太郎 議員

03年11月21日(金)

加藤広太郎議員代表質問(大要) 03年11月定例市会 本会議代表質問

 11月21日加藤広太郎議員は、代表質問にたち、高速道路に固執する市長に対し、高速道路計画の中止を求めました。以下、代表質問の大要をご紹介します。

市内高速道路と9号線立体交差事業(右京域)は即時凍結・中止せよ

 日本共産党議員団を代表して、最初に市内高速道路と九号線の京都西立体交差事業について質問します。

 これまでも指摘してきましたが、新十条通りは、生活道路の位置づけから高速道路にされた結果、山科西野山と深草間の二・八Kmを走るだけで四五〇円の有料道路になり、三条通が拡幅され、大岩街道も整備されたもとで、どれだけの人が利用するか心配されます。

 油小路線は、道路四公団民営化推進委員会が“事業の進捗率が低い路線を凍結する”と打ち出したからか、急速に一脚一億円から三億円もかかる橋脚工事が急ピッチで進められています。

 しかし、この高架高速道路がつながる大阪側は、交野市からの用地買収はすすんでいないのです。鴨川の南大橋が完成した一般道路の油小路通が整備されつつあり、今でも車がスイスイと走っていて、大阪につながらない有料道路を急いで完成させても利用する見込みは少なく、ムダな公共事業であることは明らかです。

 市長、あなたは二期目の選挙のとき、市内高速道路は阪神公団に委託すれば「限られた出費で早くできる。出資金九〇億円でできる」と豪語しました。実際はどうでしょうか。新十条・油小路の二路線の公団への出資金は今年の三月末で四五億円を超え、現行の二五%の出資率では二路線だけで一〇二億円にもなります。国は来年度から三五%への引き上げを検討しており、もっと多額の出費が懸念されます。市の支出はこれで終わらず、当初は公団の工事としていた“一般道路から高速道路への進入路の建設費などを京都市の負担”としたため、二路線関係の工事費だけで二八二億円にもなり、これだけでも計三八四億円の税金を使う上に、完成させても利用はあまり見込まれず、公団の赤字はさらに増える、今の民営化の動きでは、さらなる市民の税金の投入の恐れもあるのです。

残る三路線は事業化すべきでない

 そこで残りの三路線についてであります。

 建設局長は、共産党の再三にわたる計画中止の要求に「財政状況や国の動向などを踏まえ、事業化にむけて計画的に取り組む」と答えています。あくまで事業をすすめる考えですが、久世橋線は西に伸ばして高槻から大阪への第三京阪につなぐものですが、その「京阪連絡道路」自身、国は調査すら中止をしていて接続する道路はないのです。高架にするための久世橋通を南北ともに現在の倍以上に拡幅する費用は京都市の負担で、さらに膨大な税金をつぎ込むことになります。久世橋線が存在しなければ、堀川線も西大路線も成り立ちません。多額の税の投入や赤字拡大と環境破壊による被害などを考慮すれば、計画の中止は当然ではありませんか。車の走行など需要予測が過大であったこともはっきりしており、採算の見通しもなく、ゼネコン奉仕のための残りの三路線は絶対にやるべきではありません。

〈野嶋建設局長〉京都高速道路は、幹線街路や生活道路との道路網を形成。市内の慢性的な交通渋滞の解消と社会経済活動の活性化を促す。国際観光都市として、必要不可欠な都市基盤施設。事業中の新十条通及び油小路線は、早期完成に向け全力を挙げてとりくむ。残る3路線についても、今後、事業効果、本市の財政状況、国の動向、社会経済情勢等様々な要因を調査するなかで、事業化に向け、すすめる。

9号線京都西立体交差の右京区域分の中止を求める

 さらに、九号線京都西立体交差事業についても、右京区域の事業化は中止すべきです。この計画は、物集女街道の千代原口・葛野西・天神川通り・葛野大路の四カ所を四車線のうち二車線分を使って道路を地下や高架とジェットコースターのようにして、「千代原口と西大路五条間を一七分短縮する」国の事業費で二五〇億円、京都市はこのうち八〇億円を負担するものです。

 日本共産党は、千代原口の交差点改良だけでよいと考えています。右京区域の三カ所を改善しても、西大路五条手前での渋滞はさらにひどくなるだけです。国土交通省は、右京区域分の工事は、一四〇億円と私たちに答えており、ここを中止すれば市の負担は四四億八〇〇〇万円も少なくなります。右京区域の対象の地権者の多くが反対をされており、四三六戸のマンハイム五条の居住者は、9号線西立体化対策協議会を結成して反対の表明をされています。

 市長、新十条通と油小路線の即時凍結・見直しとともに、残りの三路線の事業化と「右京区域の西立体化事業」は中止すべきです。

 川崎市の市長が、市民参加の研究会を設けて地下鉄計画を検討し、“利便性の向上などメリットだけでなく、建設に必要な資金・借入金返済の総負担・将来の教育、福祉関係への予算への影響”などの情報公開を徹底した上で市民アンケートを実施し、“着工五年の延期と将来の中止に含み”を表明し、全国から注目されています。

 少なくとも市民は「必要としないムダな事業をやめてほしい、税金は市民生活を守るところに使ってほしい」の声ですから、なにが何でもやるのでなく、これ以上の事業化を中止すべきです。市長の答弁を求めます。

〈野嶋建設局長〉国道9号は、交通渋滞が著しく、国に対策を強く要望してきた。その結果「国道9号京都西立体交差事業」として採択。この事業は、千代原口、葛野地区一連の事業により整備効果がある。葛野地区の地元関係者に、事業の理解を得られるよう努め、完成に向けて取り組む。

雨水利用促進する水共生プラン基本方針の策定と積極的なとりくみを

 次に、COP3と世界水フォーラム開催都市である本市の取り組みが注目されています。私は、二〇〇〇年十一月の本会議で「大型事業優先でなく環境・財政に考慮し、雨水の貯水利用と流出抑制の総合的な浸水対策」の雨水流出抑制指導要綱を定めて、行政と市民・企業の取り組みをすすめるように求めました。

 「総合的な雨水対策の必要性、および雨水利用に係わる指針の策定をする」との市長の答弁や、翌年の下水道予算に対する「雨水管事業の膨大な費用投下にたいして、その要因を除却、減少させるための全局的な検討体制」をもとめた全会派による付帯決議が、その後どの様に具体化されていますか。企業債残高が五三〇〇億円にものぼっているにもかかわらず、市が策定した二〇二五年を目標年次とする「下水道マスタープラン」は、総事業費が約四〇〇〇億円規模ともいわれ、計画中の雨水幹線の一一〇〇億円の建設事業に対し、下水道への雨水流入量の低減等を積極的に取り組み、過大な投資を抑えるべきとの決議です。だからこそ本格的な「雨水の貯水、利用、浸透をふくめた総合治水の促進」が求められているのです。

 国の河川審議会は「構造物による治水対策には際限がない、資金や技術にも限りがある、川の自然と共存をはかり、洪水も甘んじて受け入れ、最小限の被害にとどめる緻密なハザードマップの作成」などと方針を転換しました。

 左京区高野から伏見まで地下鉄を通せるほどの地下トンネル、枝線を含め三七四億円の巨大な雨水幹線の東大路線が建設中です。松ヶ崎で工事中の事業は、二〇億円かかる計画ですが、この地域は田畑の減少で、保水能力が低下し、大雨のさい泉川があふれ、下流の葵学区の民家五.六軒が床下浸水にみまわれる、その対策として計画されたものです。地元からは、「泉川から高野川まで疎水の下に直径四メートルの排水管をシールド工法で通し、上の疎水とは逆方向に雨水を流す大工事、そんな方法しかないのだろうか」「泉川の川ざらえ、浸水地域の護岸のかさ上げなどもっと節約した工法でもよいのでは」「他の専門家の意見や住民の声をもっと聞くべき」など、厳しい批判の声が出ていました。

財政難であるからこそ下水道マスタープランは抜本的に見直すべき

 「雨水対策は下水道の使命」の考えは膨大な事業計画の「マスタープラン」になっており、下水道事業会計を破たんさせないためにも「水共生プラン」で出される基本方針を徹底しておこなえば、事業計画も縮小できると考えます。市長は三月の議会で、「マスタープランを見直す」と答弁されましたが、いまだに見直しをしていません。過大な事業はさらなる税の投入と料金値上げになるだけに、抜本的に見直しをすべきです。お答えください。

〈吉村上下水道事業管理者〉下水道マスタープランは、下水道事業の基本的方向性を示したもの。事業の実施は、財政状況、必要性、緊急性を吟味し、各5カ年計画を策定する。現行の5カ年計画でも、建設事業費を、計画額より平成14年度に20億円、15年度で38億円を削減。雨水対策は、浸透、貯留などの流出抑制も重要な施策として位置づけている。他局と連携を図り進める。下水道マスタープランの見直しは必要ないと考える。

京都市水共生プランについて

 大都市の年間平均気温が過去百年で二・五度も上昇し、集中豪雨の発生など深刻化するヒートアイランド現象にたいする対策は急務です。路面や建物の表面の熱の放射・空調や自動車等の排熱などが主要な原因であり、国や自治体あげての総合的な対策が求められています。

 私は「環境共生型都市」の三つの目標を掲げる「京都市水共生プラン」について質問します。

 二回おこなわれた基本方針策定委員会を傍聴しました。高校生と大学生の委員も積極的に発言され、「行政は雨水を厄介者・敵と見ているのでは」、「ハード事業は必要最小限にしてほしい」、「上流域の涵養問題も大切」など、新鮮で積極的な声が聞けました。

 示された委員会資料には、“流域の雨水貯留浸透施設の流出効果”が有栖川流域を例に試算され、自治体の浸透施設の整備や助成制度の取り組み紹介では、京都市の遅れがよくわかり、一日も早い対応が求められます。策定委員会からの提言を受けて京都市の基本方針が年度内にまとめられますが、重要なことは、全庁的に取り組みを進めるのは勿論、いかに企業者・市民の協力を得るのか、とくに企業に強く求めるための技術基準など具体的な数値の指導要綱を定めることです。市民に対する補助制度もつくり積極的な啓発をおこなう必要があります。地球環境問題でもあり、厳しい財政状況であっても実践すべき課題であり、決意をうかがいます。

〈桝本市長〉環境への負担の少ない持続可能な「環境共生型都市・京都」の実現に向け取り組みを進めている。「京都市水共生プラン」は、健全な水循環系の回復や、都市型浸水被害の軽減、ヒートアイランド現象の緩和などのため策定する。本年9月には、学識経験者や市民からなる基本方針策定委員会を設置。委員会からの提言を踏まえ、「京都市水共生プラン」の策定に取り組み、水循環型まちづくりに強い決意を持ってすすめる。

耐震補強工事への補助制度の実施を

 中央防災会議は、東南海・南海地震防災対策特別措置法に基づき、京都市も含む四九七市町村を「防災対策推進地域」に年内に指定します。

 京都はいつ大地震が起きてもおかしくなく、行政も市民も備えが求められています。阪神淡路の大地震で尊い生命を失ったその八割以上が圧死といわれています。

 戦前の木造住宅が住宅全体の八・八%と多い京都が、耐震強化を図ることは緊急課題です。多くの人命や財産がうばわれるのは、直接的な被害だけでなく、倒壊による道路の封鎖や延焼などで救出活動を妨げてさらに被害を大きくします。復興には多大な人力と税金投入を必要とするだけに、最小限の被害にとどめる対策が必要です。

 本市は、「木造住宅耐震診断士派遣」事業をおこない、「倒壊の危険あり」「やや危険」と診断された住宅に、「耐震改修と建替融資制度」を推奨してきました。しかし、実施後の八年間で六件しか利用がなく役割を果たしていません。老朽木造住宅が密集した重点誘導区域の四四学区でもすすんでいません。市消防局が開発した「地震被害想定システム」や「防災カルテ」を使って学区・町内単位で防災計画をつくるために行政の努力が求められます。

 耐震補強が進まない原因に、融資制度の「壁」があります。年金生活など少ない収入の人々にとって利用できる制度でなく、補助をして補強工事がやりやすくすることです。横浜市は所得に応じて四段階の、最低二百万円から五百四十万円を補助をして昨年度は一六八件の申請があり、工事完了したのが年度末で一一二件、補助総額三億九八〇〇万円、平均三五五万円を補助しています。ちなみに、それらの平均工事費は六九〇万円で補助金額の二倍にもなっています。

 国土交通省は、中央防災会議が「地震被害の軽減には住宅の耐震化促進が最も有効」との見解を示したこともあり、これまでの一戸建て住宅の耐震補強工事の補助制度を見直すとのことです。内閣府も来年度の予算の概算要求に、地震など自然災害で住宅に被害を受けた被災者に最大で二百万円の再建費用や補修費用の一部を支給する制度を創設し、従来の「個人資産に税金を投入はしない」方針からの変更です。耐震補強工事は、関係者によれば百万円程度で可能といわれており、せめてその半分でも補助し、「耐震工事をすれば安全で得をする」と普及するように京都市もすべきと考えます。今年六月、京都創生懇談会が「国家戦略としての京都創生の提言」を出し、「一二〇〇年の歴史をもつ山紫水明のまちで、建造物や美術工芸品、重要文化財の多さ、多くの伝統的産業や学問のまちとして生き続ける文明の都市・京都を国家財産として守ろう」と提案されている京都は木造住宅のまちです。この面からも急ぐ必要があります。ムダな市内高速道路の建設をやめ、逆差別の同和関連予算をやめて、耐震助成制度を実現すべきではありませんか。市長の考えをうかがいます。

 また、家具等の転倒などによる被害も大きく、老人所帯などへの転倒防止の金具の取付も課題です。その作業は力作業になります。自主防災会や消防分団などの協力をお願いしながら、必要な金具の支給を実行していただきたいと強く要望しておきます。

〈海堀都市計画局長〉木造住宅耐震補強に対する施策は、耐震改修融資と耐震建て替え融資を行っている。本年4月に、融資制度の拡充・見直しを行い、「木造住宅耐震化促進融資」を創設。融資利率の引き下げや耐震建て替え融資の限度額の引き上げを行った。新たな助成制度の創設は、現在の京都市の財政事情に照らして困難であると考えている。

公共施設の耐震診断と補強工事

 次に、遅れている公共施設の耐震診断とその補強工事の問題です。

 学校や区役所などの公共施設は不特定多数が出入りし、震災時などは災害応急対応施設になるもので、その耐震補強の工事はマッタなしの課題です。ところが本市は、必要な耐震診断を四十二カ所も残しているだけでなく、診断の結果「要補強」との結果が出されたままの施設が四十四カ所もあるのです。この中には、市庁舎や五つの区役所、市立病院や消防署もあります。補強が必要とされながら一年に二施設ずつしか工事が進んでいないのは問題です。市長、いかに財政が厳しい状況でも“市民や職員の生命がかかっている”のにこれでいいのですか。中央防災会議は、耐震診断を平成十七年度を目途に実施し、耐震補強等をはかり、随時それらの状況のリストを公表する措置を講じました。補強が必要とされた施設名を公表するとともに、いつまでに診断を終え、工事を終えるのかお答えください。

〈河内副市長〉公共施設の耐震診断は、第一次分の災害応急活動の拠点となる58施設を完了。第二次分105施設も本年度末までに69施設を終える予定。施設名は、情報公開しているが、市民に働きかける課題ではないので、積極的に知らせていない。

 改修工事は、西京区役所、北区役所改修を完了、南浜消防出張所の改築など、取り組んでいる。国の一層の財政措置を要望し、緊急度なども勘案して進捗を図る。

 学校施設については、平成17年度までに診断を終え、22年度までに改修を完了する計画。

住宅改修助成制度の実施を

 次に、「住宅改修にたいして助成制度」の問題です。この制度をつくってほしいとの十二万をこす署名が出されています。自治体が、補助金を出すことで、市民のリフォーム意欲がすすみ、建築関係の企業や職人の仕事おこしになるので、府下では京田辺市など三市町、全国で四八の自治体で実施しています。一〇万円から二〇万円を上限に補助することで、補助額の二十倍以上の経済効果が発生しています。建設業界以外にも経済効果があるだけに、厳しい経済のもとだからこそ刺激策を講じることが必要と考えます。市長の考えをうかがいます。

 海堀都市計画局長 住宅改修に対する施策は、京都市総合住宅資金融資制度の中で、リフォーム融資を行い、低利で長期固定の金利で実施している。4月には、新たに創設した木造住宅耐震化促進融資とあわせた利用ができるよう、限度額を引き上げた。新たな助成制度の創設は困難。

工場閉鎖、大型商業施設の一方的な撤退について

 京都市まちづくり条例の第一号になった島津五条工場跡の五条ショッピングセンターが来年二月の開店をめざして建設中です。ジャスコ洛南店と並ぶ大型店であり、右京区域のみならず、広範囲に商業者の影響が心配されています。

 昨年、ジャスコ大石橋店が閉店しました。同じジャスコ洛南店の影響と関係者は言っています。

 ジャスコは全国的に新規の出店も多いが、一方的な撤退も多いと有名で、山ノ内の京都ファミリーのジャスコは島津五条と八〇〇メートルと近く、大きな影響を受けます。京都ファミリーは売り場面積の拡張を予定していましたが、中止しただけでなく、今では五条での開店をうけて撤退することになるのではないかと、関係者から心配の声が聞かれます。

 問題は一方的に撤退した地元がどうなってしまうのか。山ノ内地域は市場もなくなり商店もごくわずかで、もしジャスコが撤退をすれば専門店の営業もなくなるでしょう。困るのは消費者、特に老人世帯や障害を持つ方々です。私の住む太秦安井でもシミズママセンターの倒産による買い物の不便は、お年寄りの人を中心に想像以上の状況にあり、これが広範囲に生じることになります。

 共産党京都市会議員団は九九年十一月、日産自動車の大リストラ計画で、宇治の日産車体工場の閉鎖に伴う京都市内の関連下請け企業への影響や同時期に発表された三菱自動車工業、日本電池、日新電気等々による工場の撤退や縮小計画に対して、市長に、(1)該当企業に対して工場の撤退・縮小計画の中止と見直しを求めること。雇用と地域経済を守る立場から、労働者や下請け関連の実態調査をおこなうこと(2)このような「合理化」計画については、『自治体への事前の届け出と影響調査を実施して協議をおこなう条例もしくは要綱を制定する』こと、を申し入れました。

 欧州では、企業の社会的責任は常識です。今も全国的に発生し、京都でも起こりかねない大型商業施設の一方的な閉店にたいし、自治体と事前の協議をおこなう条例や要綱の制定を一日も早くしなければならないと考えます。出店も撤退も自由なのではなく、企業は、地域経済と市民生活に、社会的責任を果たすべきです。

 地方自治法も「自治体は住民の安全・健康・福祉の増進を図る」とあり、市長は地域の調和的な発展を図る責任があります。積極的な対応策を講じるべきです。市長の答弁を求め、私の質問とします。

〈桝本市長〉工場や大型商業施設の閉鎖は、厳しい経営方針を要因としており、事前に条例等で指導することにより、歯止めをかけることはなじまないと考える。工場の市内への立地を促進する企業立地促進助成制度や融資制度を創設し、まちづくり条例や商業集積ガイドプランに基づき過度の大型店の進出を抑制し、都市づくりと整合した適正な商業集積の実現に努めている。

第二質問

 多くの答弁がまともなものでありませんでした。特に道路問題については納得できません。

 指摘した数々の問題点に答えず、「市民生活に必要不可欠」と、使い古した答弁を何度繰りかえしても、市民は絶対に納得しないでしょう。

 市財政や環境問題など市民に与える多大な影響を考えれば、高速道路計画等の凍結・中止は当然ではありませんか。

 財界の要求に沿って税金をムダに使い続けることは許せません。「市民とのパートナーシップ」を言うだけで、市民の声を聞こうともしない市長は、失格であると指摘しておきます。

 いまの京都に必要な「木造住宅に対する耐震補強」や「住宅改修への助成制度」に対しても冷たい答弁でした。

市長は、千二百年の歴史を誇る京都を守る意欲が本当にあるのですか。

 やるべき事をやらないで、“日本人の心のふるさと京都を全国の人に守って下さい”と言えるのですか。京都を守るのは、私たち京都の責任です。

 今後の委員会などで、さらに議論を深める事を、市民の皆さんに約束して、私の質問を終わります。