井上けんじ 議員
03年10月 3日(金)
老人の高額医療費をふくめた療養費(医療費)の返還制度を 03年9月定例市会 閉会本会議討論
私は、日本共産党市会議員団を代表して、賛成討論をおこないます。
高額療養費返還制度の改善は、求められる必要な措置であり当然のことです。同様の制度で、今、緊急で切実な問題は老人の高額医療費の返還です。老人を除いた意見書では今日の医療の動向と国民的要求に全く噛み合わないものになってしまいます。本来なら、老人の高額医療を含めた意見書とすべきであります。
そもそも、高額療養費の返還は、国民の過重な負担を軽減するための制度です。健保の三割負担への引き上げや老人医療の定率負担の導入こそ国民に過重な負担となっています。問題は、この改悪を一体誰がすすめたのかということであります。
昨年夏、自民公明など政府与党は、医師会や歯科医師会など国民的な反対の世論に背を向け、健保本人3割負担を導入し、限度額を引き上げ、そして老人の定額制を完全に葬り去ってしまったのであります。昨年の7月改悪、10月実施と、手続き的にもあまりにも無謀なやり方が、その後、本市の償還システム構築にあたっても大問題となったことは周知の通りであります。窓口でいくら請求されるかわからないから心配でドキドキすると、特にお年寄りの間で受診抑制が広がっています。こういう改悪を進めておきながら、その制度改悪を前提に、その一部だけを手直しするような要望を出すのは、値上げと改悪の海の底に国民を沈めておきながら、「大丈夫ですか」と声だけをかけているようなものであり、その声をかけることによって、逆に沈めた事実を覆い隠そうという役割をも果たそうとするものであります。本当に「大丈夫ですか」という気持ちがあるのなら、国会で野党が共同提案している通り、限度額引き上げや定率制への移行などの諸改悪を、この際、撤回して元に戻すのが当然ではありませんか。
私たち日本共産党市会議員団は、医療制度の抜本的改革の見通しと展望を持っておりますが、一方、目の前の改善を一歩一歩めざすことも、これまた当然のことであります。
以上をもちまして討論とします。