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市会報告

山本正志 議員

03年10月 3日(金)

暴力団事務所として不正使用されている市営住宅 市営住宅管理の上での厳正な対応を 03年9月定例市会 閉会本会議討論

 私は日本共産党議員団を代表して議第233号の賛成討論をおこないます。

 今回提案されている議第233号は、三条市営住宅の一室が暴力団事務所として不正に使用されているため、明け渡しと損害賠償をもとめて訴訟を提起するものであり、市民生活の安全のためにも住宅管理者として取るべき措置であり、当然の提案であります。

 本来なら、今回の議案については委員会付託の上で詳細を検討、審議すべきであります。今回の事例では入居名義人が覚せい剤使用の容疑で逮捕・拘留されていますが、この部屋が山口組系暴力団の組事務所として不正に使用されている事態が判明したとのことであります。

京都市としてただちに使用承認取り消しと占有移転禁止の仮処分を申請し、現在仮処分執行中であり、本訴が急がれるという状況での即決議案となった事情は理解できるものであります。

 報告によりますと、名義人の男性は94年7月に入居して、95年8月からこの8月までの50ヶ月の家賃約90万円を滞納しており、自分はその部屋に住むことなく、所属する暴力団組長に事務所として部屋を使わせていたということであります。

 指摘をせざるを得ないことは、なぜ50ヶ月もの家賃滞納が放置されたままになっていたのか、ということであります。再三訪問して督促をしてきたと言われますが、昨年12月ころ、住民からの通報があり、暴力団組事務所として使用されているのではないかということが判明し、警察の支援もあってやっと事態を掌握したとの事であります。しかし、名義人に対し、家賃の納入指導を厳正にやっておれば暴力団の存在はもっと早くわかったのではありませんか。

 6月に名義人が覚せい剤使用の容疑で逮捕されており、9月に入ってようやく接見ができたので事態が明らかとなり、ただちに部屋の使用取り消しと仮処分申請に踏み切ったといわれますが、この間の市営住宅住民が大変不安な毎日を送ってこられたことを思うと、なぜもっと速やかなきびしい対応が出来なかったのか、この点を指摘せざるを得ません。

 暴力団の問題でいえば、市長はじめ議員の皆さんは、マンションの一室に公然と看板を掲げて居座っていた暴力団事務所を撤去させた左京区聖護院蓮華蔵町のコープ鴨川の住民のたたかいをご承知でしょうか。この裁判闘争には私も関わったたたかいでしたが、1975年、コープ鴨川A棟1階が暴力団事務所として地下室をつくるなど大幅に改装されてからマンション住民が訴訟にたちあがり、大阪高裁で勝訴判決、1994年に最高裁で決着して住民側全面勝訴で和解が成立するまでなんと20年近くかかっています。

 その間、組事務所と同じ1階に住んでいた住民をはじめ入居者も付近住民も暴力や恫喝で大変不安なおびえた毎日を強制されたことはいうまでもありません。

 また、1995年8月には、左京区で会津小鉄会系と山口組系の抗争を警戒中の警察官が車の中で射殺され、山口組系組員2人が翌日逮捕される、という事件もおきています。

 今回の事件では名義人は覚せい剤使用で逮捕されているとのことですが、暴力団というのは存在自体が反社会的であります。覚せい剤をはじめ援助交際やヤミ金融など違法行為で資金をかき集め、少年少女を食い物にし、まともな家庭を破壊して闇の社会を支配する許されざる存在であります。

 市長にも申し上げたいのですが、今回のような市営住宅管理の上での厳正な対応ということだけでなく、暴力団の存在を根底から許さないという決意で、勇気ある住民の取り組みを行政をあげて支援すること、京都では暴力団事務所など開くことができないというような安全なまちづくりに市民とともにまい進していただきたいと思うのですが、このことを申し上げて討論といたします。