藤原ふゆき 議員
03年5月29日(木)
市民参加推進条例についての賛成討論 03年5月定例市会 閉会本会議討論
暮らし応援の自治体の役割発揮のため、市民と議会が、相乗的に協力し、市民参加の実をあげるべき
私は、日本共産党市会議員団を代表して、京都市市民参加推進条例の制定について賛成討論します。
自治体の、おおもとの考えは、「住民こそ主人公」です。この立場から、市民が京都市政に参加するのは当然のことであります。市民参加推進懇話会の皆さんから、具体的な提言もなされており、今後この条例を生きたものにするために、京都市の努力を求めるものです。その上で、懇話会の提言で示されていながら、盛り込まれていない重要な諸点と、現実の市政運営で、市民参加に逆行する問題を解決することを求め、以下の点を指摘いたします。
まず、条例の文案に沿って、第一に、市民参加は市民の重要な権利であり、それを文案に盛り込む必要があります。懇話会の提言は、「憲法の保障する地方自治の本旨にのっとり、住民自治の原則を具現化するための市民の権利として保障されるものである」と明記しています。
第二に、全国でも声の高まっている、住民投票制度について、懇話会提言でも、「制度のあり方も含め、積極的に検討を進めるべきもの」としているのですが、先の財政総務委員会の答弁で、「時期尚早」としているのは消極的であり、強く検討を求めるものです。
第三に、懇話会から「市民からの政策提言を受け入れる制度」として市民提案制度が求められたが、拒否しているのは残念です。導入するための検討を求めます。さらにパブリックコメントの対象に、重要な条例の制定などを含めること、市民参加推進計画の策定のあり方についてももとめました。
次に、現実の市政運営で問題と感じることについても論議してまいりました。たとえば、キリンビール跡地、京都駅南口、高度集積地区の「都市再生」の特区申請が、情報公開せず突然行われたこと、この間、同和事業の不正事業で明らかになった密室性、審議会などでの労働者委員で、総評を排除して、連合の委員のみを選任していること、各種審議会で、同一人物が、最高11の審議会に名前を連ねて、多様な人材を求めることから矛盾していることなどです。改善を求めてきました。本条例の制定・施行にあたり、これらの問題点を抜本的に改善することを求めるものであります。
この間、「京都市と市民の協働」の名のもとに、京都市は市民サービスを切り捨て、市民に「自助」の名で、負担を押し付ける自治体リストラをやり、事実上、市民参加を困難にしてきました。市民参加の逆行は条例制定の精神と相反するものです。地方自治法第一条の二は、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本」としています。この原点をしっかりおさえて、市民参加を推進されるようもとめます。
最後に、自民党・民主党・公明党などの皆さんは、「市会の権限と役割の発揮」を強調しましたが、いささかも、市民参加にブレーキをかけるようなことがあってはならないと思います。暮らし応援の自治体の役割発揮のため、市民と議会が、相乗的に協力し、市民参加の実をあげるべきです。そのためにがんばる決意を表明して、私の討論といたします。