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市会報告

03年3月14日(金)

ポンポン山 特別委員会設置についての賛成討論 03年2月定例市会 本会議討論

 日本共産党市会議員団は、ポンポン山の高値買収事件を、改めて、調査するため、強い権限をもつ100条委員会を設置するよう提案しておりますので、代表して、賛成討論をいたします。

 京都市は財政難で苦しんおりますが、ポンポン山の買収では、26億円も高く買ったと裁判で明らかにされました。

 21億円までの土地を47億円で買った。高く買うことを正当だと思わせるように仕掛けるなど、市民の信頼を損なうようなことを、京都市が行ったから、その責任が問われたわけです。

 私ども日本共産党の議員団は、当時、倍以上の値段で買うことは認められないと、数々の具体的な根拠を示して、市当局の暴走を止めようとしました。しかしながら、市長は「聞く耳持たぬ」で、買収に突っ走ってしまわれた。

 それでも、議会が、しっかり議論をしておれば、歯止めがかけられたのでありますが、残念ながら、わが党以外の諸君が、市長らの言うがままに、多数決で賛成したために、チェック機能が果たせなかったわけです。

 市民から、京都市がこうむった損害の賠償をもとめる裁判がおこされまして、京都地裁でも、控訴審の大阪高裁でも、京都市行政の責任が厳しく問われております。

その判決をみれば、現在の市長、桝本市長は、当時の行政の問題点を、くわしく調べなおすのが、本来の姿だと思うのですが、残念ながらあべこべで、判決を不服として、最高裁への上告に参加しようとしています。

 この立場は、当時の行政が正しかったとの立場、つまり当時と同じ誤りを犯す体質を持ち続けていることを現しているのではないでしょうか。

 議会も、判決を真正面から受けとめなければならないと思います。議会の責任も強く指摘されているのです。「20億円以上も高く、経済的に見れば到底あり得ない価格で買い取ること」を、「多々疑問な点があったにもかかわらず」「買収手続きで、市の内規にも違反しているのに」「十分な調査もせずに議決したことは、地方議会の裁量権を逸脱、乱用した」ものであったとの判決です。

 市長が言うように、議会の議決があれば、「何でも正しい」となれば、議会の多数を抱き込めば行政はどんなことでも出来ることになります。そんなことを認めることができないのは当然です。

 この判決を見れば、議会側も、じっとしていられるわけがありません。選挙が近づいておりますけれども、今の議員の責任で、当時の行政のあり方も、現在のあり方も徹底的に調査し、何が正しいのか、検討すべきではないでしょうか。過ちを認めない行政のあり方をたださなければと思います。

 ポンポン山の適正価格はいくらだったのか。当時の資料がありますので、検討することは出来ます。

 鑑定士が鑑定したから正しいとは言えないことは、はっきりしています。

 本来なら、複数の委員が合議する、市の評価委員会の鑑定が必要なのに、なぜ、民間の一人の鑑定士に頼んだのか、その鑑定も、30度の傾斜を5度で評価したり、道路に接していないのに接しているとしたり、基準の土地の選定もめちゃめちゃで、「信頼できない」と判決された、その鑑定価格を、正しい言える人がありますか。適正価格がいくらだったのか、議会として調べるのは、避けてとおれない義務だと思います。

 簡易裁判所の調停で決定されたから正しいと言うのも、的はずれです。裁判官が公正な土地価格を検討して出した値段ではないことは、はっきりしています。京都市が先に「47億円で」と言ったので、そう決まっただけです。国土法では、大きな土地取引の場合、適正価格かどうか、市の評価委員会の審査を受けなければならない制度になっています。ただし、調停にかかわるものには適用されないと言う条文を知っている者が、それを逃れるために、ワル知恵を働かせて、調停を利用したに違いありません。

 京都地方裁判所、大阪高等裁判所が、厳密に検討して、高く見積もっても21億円までと判断したことに対して、簡易裁判所の調停で、安易に決められた47億円のほうが正しいといまだにこだわる方があるとすれば、よほど47億円に義理があるのではと思います。

 なぜ、そんな調停をしたのかも問題ではありませんか。100条調査委員会なら、交渉を取り仕切っていた当時の助役から事情を聞くこともできるのです。

 土地を先行買収した池尻興産とゴルフ場開発の北摂カントリークラブの代表者は同じ人物であり、お金は受け取っていないと証言していること、税金も払わずに半年後に解散していること。当初から金丸金脈の関連企業、丸金コーポレーションの介在が指摘され、事実、調停の相手方弁護士は山梨県からきていること、その弁護士と当時の佐藤助役が接触していることなど、お金の流れにかかわる疑惑についても調査することが必要だと思うのです。

 また、ゴルフ場の開発を認めなかったために、損害賠償を請求されていたという事情はありますが、京都市は、損害賠償には応じないとの態度を示していましたので、過分の支払いが許されないのは当然です。

 あの山の地形から見て無理があり、許可の有り無しにかかわらず、初めからゴルフ場には出来なかったと、私は思っています。

 議員の任期は、4月29日までです。まだ、1ヶ月半あります。この時期に100条調査委員会を設置したことは過去に例があります。

 市長は最高裁への上告に参加しようとしていますが、上告は、憲法違反、又は判例違反でなければ受け付けられません。大阪高裁は、判例も示して判決しているだけに、判例違反とはいいがたく、受理されないだろうと言うのが、法律関係者の常識的な見解です。

 上告の申請が棄却されるのをいたずらに待つのではなく、議会は、役割を果たさなければなりません。問題点が具体的に多々示されているのに、十分検討せず、それを無視した、過ちは繰り返してはならないと思うのです。このことを心から訴えて討論といたします。