2017年度一般会計予算等に対する反対討論 - 市会報告

2017年度一般会計予算等に対する反対討論

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終了本会議討論
河合ようこ議員
 日本共産党京都市会議員団は、議第1号「平成29年度一般会計予算」、議第3号「国民健康保険事業特別会計予算」、議第4号「介護保険事業特別会計予算」、議第5号「後期高齢者医療特別会計予算」、議第6号「中央卸売市場第一市場特別会計予算」に反対の態度を表明しております。私は、議員団を代表して以下その理由を述べ、討論を行います。
 反対する第一の理由は、市民のくらしや福祉を向上させる施策が十分でなく、「京プラン」実施計画に基づいて市民サービス切り捨てと負担増の予算となっているからです。
今回の予算には、国の公定単価引き上げによる保育料の値上げや児童福祉センター等の文書料、中央斎場の使用料の値上げが提案されています。市民の新たな負担増は回避すべきです。中でも中央斎場の再整備・大規模改修の費用まで「利用者に応分の負担をしてもらう」という理屈で、火葬料を大幅に値上げするなど「安心して死ぬに死ねない」最悪の負担増であり、現市政の冷たさを象徴するものと言わざるをえません。
 また、地域リハビリセンター・こころの健康増進センター・児童福祉センターの3施設合築は、明らかに施設運営費や建替え費用を削減するためのリストラ計画です。
 子育て支援の問題では、「子育て環境日本一」を強調しますが、今年3月にも保育所に入所できず困惑されている親子が多数おられます。副市長は「保育所は足りているという認識は持っていない」としつつも「大都市でもっとも保育所に入りやすい」と述べられましたが、認可保育所をさらに増設し保護者の願いに応えるべきです。
 また、子どもに関わる民間保育所や学童保育・児童館などの職員の処遇について、引上げ提案がされていますが、抜本的改善がはかられておらず、保育現場の職員確保の点からも、更なる給与増額を国に求めると同時に、経験に応じて昇級していく仕組みを本市独自につくっていくよう求めます。
子どもの貧困の拡大が大きな社会問題になる中、京都市でも「貧困家庭の子ども等状況調査」が実施され、子どもが大人以上のダメージを受けていることや親の貧困実態が明らかになりました。市長は本会議で「家庭の経済的状況等に左右されることなく全ての子どもの健やかな育ちを保障し、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切ることは極めて重要」と答弁されました。しかし、貧困の原因や具体的な目標等については言及されず、子どもの命と健康を守るために有効であり、市民の願いである子どもの医療費支給制度の拡充は平成31年度までにと先送りし、全員制の中学校給食についても財政難を理由に実施を拒まれました。若い世代が願っている本市の奨学金制度の創設については「国が対策すべき」との答弁でした。国に求めつつ、本市独自に制度を創設し、住民の願いに応えた施策を求めます。
 国民健康保険事業については、保険料、保険料率とも据え置かれましたが、高すぎて負担も限界となっている保険料の引き下げは実現していません。引き下げを求めます。保険料滞納世帯への差押えはすべきでないと求めましたが「学資保険も差押えは禁止されていない」「子ども手当も同様」とする姿勢は、子どもの貧困対策の立場からも問題です。都道府県単位化については京都市の国保料が値上げにならないかが問題ですが、副市長は「現状と比べてどうかは今の段階で申しあげる段階ではない」と値上げ回避の立場は示しませんでした。
 介護保険事業については、今年4月からスタートされる総合事業において緩和型事業を推進しようとしており、報酬単価が引き下げられ事業継続が困難になっていく現場の実態に全く無理解です。市の裁量を発揮して改善しようとされていません。
 また、後期高齢者医療については保険料負担を抑えるための特例措置の廃止により高齢者の負担が増大する問題や滞納保険料を差し押えている実態を示しても「差押えは負担の公平性の観点から必要」「後期高齢者制度は今後も必要な制度」だと高齢者の実態をみない認識は問題です。
 市民に親しまれている大宮交通公園に北消防署を移転する計画は、北消防署移転候補地の検討経過すら、市民や地域住民には、まったく示されておらず、住民参加も住民合意もない計画の撤回を求めます。 
 また地域経済を活性化し、働く人の懐を暖める施策である「公契約条例」の賃金条項の採用について本市は引き続き否定していますが、全国でも広がっています。先行事例にも学び賃金条項を盛り込むべきです。
 環境政策では、ごみ袋の有料化財源がごみ処理以外の他局の事業にも使われ、環境ファンドに積み立てられていることに市民の理解は得られていません。市民の協力の下、ごみ減量がすすんでおり、ごみ袋代を引下げ市民に還元するよう求めます。
 東京電力福島第1原発の事故から6年が経ちましたが、避難者は避難生活を余儀なくされているのですから、住宅の無償提供の継続を国と東電に求めるとともに本市としても自主避難者を含めて市営住宅の無償提供を継続すべきです。
 原発事故対策では、「震災や河川の氾濫は京都市で起こりうる災害だが、放射能は地元に原発があることとは違う」などと副市長は答弁しましたが、新たな安全神話を振りまくかのような立場は撤回すべきです。
 反対する第二の理由は、「京プラン」実施計画に基づいて「民間にできることは民間に」と、自治体本来の公的責任を放棄する予算となっているからです。この流れの中で、196人もの職員削減もすすめようとしています。
 市民のいのちと財産を守る問題では、大規模な地震災害への備えが求められ、また、高齢世帯が増加する中で、消防署の役割がますます重要です。それなのに、消防職員を減らし、木造住宅密集地の防火・防災の要である大宮消防出張所を廃止することは認められません。
 4月からの「子ども若者はぐくみ局」の設置に伴って、保健センターの医療衛生部門の集約化を行い、民間業者への委託で違法な「民泊」施設の指導強化をうちだしていますが、今でも少ない民泊対応の職員の集約化でどうして違法民泊を取り締まることができるのでしょうか。現体制の強化こそ必要です。市税事務所を集約化し、市民サービスを後退させたことへの反省がありません。保健センターで実施している青年期健診等の民間委託なども市民から行政の窓口を遠ざけるものです。
 また、数少ない市営保育所を廃止し、民間に移管しようとしています。障害児保育や途中入所、地域子育て拠点支援などに柔軟な対応できる公立の役割が今求められています。廃止など認められません。
 加えて、DV対策事業の民間委託や区役所の窓口業務の民間委託の問題を質すと、市長は「『民間にできることは民間に』でより効率的な取組をしてもらう」とさらに民間委託化をすすめる方向を明らかにしました。個人情報、個人のプライバシーを守る自治体の責務が問われる問題です。
 反対する第三の理由は、市長は厳しい財政状況を強調し、「京プラン」実施計画に基づいて職員を削減し、市民負担増をすすめ、その一方で、リニア中央新幹線や北陸新幹線の誘致、堀川通り地下バイパストンネル計画などムダな大型開発事業を進めようとしているからです。党議員がこれらの計画の撤回を求めたところ、市長は「未来の京都の発展の先行投資」だといわれましたが、いまの市民のくらしや子ども・若者のための施策にこそ先行投資すべきではありませんか。地元住民の反対の声を聞かず強行した北泉橋架橋工事や鴨東線第三工区なども不要不急のものであり、これらの予算は、建物や橋りょうの耐震対策など、市民のいのちとくらしを守る施策に使うべきです。
 住民が望んでいるのは、リニア中央新幹線や北陸新幹線よりも、毎日のくらしの足の充実ではないでしょうか。会派を超えて改善を求めている市内周辺地域をはじめとする公共交通、未だ市営の鉄軌道などが走っていない地域での公共交通機関を優先整備すべきと考えます。
 今後100億円を超える大型公共事業が目白押しですが、身の丈に合ったものに見直すよう求めます。まず、西部エリアに位置する中央卸売市場第一市場は、老朽化のための整備は必要ですが、600億円もの事業費のために場内業者の使用料が1.5~2倍に跳ね上がり、大量の仲卸業者を廃業に追い込むことを前提にした計画は見直しが必要です。
 新たな駅から、5億2千万円もかけて七条通り横断歩道橋をつくり、中央市場南側の「賑わいゾーン」につなげようとしていますが、これでは周辺の商店街の活性化につながるものにはなりません。
 老朽化した美術館の再整備も必要なものですが、建設事業費101億円の予算確保のために京セラに50億円ネーミングライツ契約を行い、美術館を京セラの情報発信とレセプションなどに特権的利用をさせることは公共施設の利用原則に反するものです。京セラとの契約を撤回し、美術館再整備に関係者の意見を反映させたものに見直すよう求めます。
そまた、市庁舎の整備は総事業費が350億円に膨れあがっています。分庁舎に入る予定の市税事務所は各区役所に戻すべきであり、西庁舎の店舗を執務室にするなど、過大なものとならないよう求めます。
 以上、「京プラン」実施計画を撤回し、市民の福祉増進を最優先に、自治体本来の役割を発揮した予算執行とされるよう求め、私の討論といたします。

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