「社会保障の充実と地域経済の発展をめざすための地方財政措置を求める」意見書等についての討論 - 市会報告

「社会保障の充実と地域経済の発展をめざすための地方財政措置を求める」意見書等についての討論

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終了本会議討論
井上けんじ議員

 日本共産党市会議員団は、自民党・公明党などから提案されている「安心な社会保障と強い地域経済を構築するための地方財政措置を求める意見書案」に反対し、対案を提案しておりますので、私は反対及び賛成、それぞれの理由を明らかにし、討論します。
 自民・公明などの意見書案は、政府に財政措置を求めているものの、政府の財政政策への批判的視点もなければ、地方への財源をどう確保するかという建設的な提案をされておられるわけでもありません。「社会保障と税の一体改革を進めてきた」「消費税の10%への引き上げが再延期されることになった」等とのことですが、その総括も評価もありません。一体改革とは、社会保障充実の為には増税をというものではなく、我党案が指摘しているように、増税と社会保障後退が一体だったことが、今や、保険料値上げ、一部負担金や利用料の値上げ、年金給付の値下げ等一連の事実経過そのものが証明しています。14年春の消費税増税は、貧困と格差の拡大、深刻な消費不況をもたらし、これ以上の増税は国民生活と地域経済に一層の困難を押しつけることが客観的に明らかになる中で延期を余儀なくされたものであり、これ自体が政府経済政策失敗の証明です。「増税延期で社会保障に支障のないように」と書いておられますが、もともと消費税やその増税分は社会保障に充てられているわけではありませんから、この心配はいりません。一方、「延期しても支障がないよう財源確保を」と求めておられますから、消費税以外の財源は可能だとの認識なのでしょうか。ならば延期ではなくキッパリ中止との立場に立つべきでありませんか、その辺りがよく分かりません。そこで、ではその場合の財源はどうするか。
 その答えは、すでに我党の提案の中で明らかであります。私は、「税金を払わない巨大企業」という中央大学富岡幸雄名誉教授の文春新書を、今春の代表質問で紹介しましたが、きょうは「なぜトヨタは税金を払っていなかったのか」という、ビジネス社発行、元国税調査官大村大次郎さんの著書を紹介します。日本の大企業がいかに税金を払っていないかという実態やその合法的カラクリ、大企業の役員が民間議員などと称して政府の税制や政策決定に直接関与していること、自民党に対する献金も大きな要因である等と書かれています。
 少子高齢化の背景や要因、克服の方向、地域経済再生の基本的な方向についても我党が提案している通りであります。地方創生について一言付け加えますと、今頃になって「地方が疲弊しているから創生だ」などというのなら、これまでの歴代政府の総括と反省はいかがでしょうか。列島改造だとか総合開発、リゾート、国土のグランドデザイン、そして臨調行革から地方行革、国庫補助金負担金削減、自治体合併押しつけ、交付金減額、三位一体、大店法改悪、規制緩和、特区、非正規拡大、等々、地方を疲弊させてきたのは歴代政府自身ではありませんか。地方分権、地域主権、地方創生等々と言っても、成果と言えば機関委任事務の廃止ぐらいで、むしろ自治権も自主財政権も全然拡大されていない状態です。地方創生交付金はアメとムチの両面を見る必要があると思いますが、創生の行き着く狙いは道州制であり、その道州制は戦後の地方自治制度を破壊するものであることを、きちんと見ておかなければなりません。
 少し古いデータですが、1995年からの10数年間で、社会保障費に占める社会保険料収入が79%から55%へと激減しています。大企業が労働者の非正規化をすすめ、職域保険から排除して、事業主負担を免れているからであります。例えば生活保護にお金がかかるという人がいます。しかし、大企業内部留保金、少なく見積もっても300兆円の僅か1.2%にしかすぎません。元々、下請け中小企業と労働者の汗の結晶ですから、内部留保は社会に還元されて当然です。研究の余地と財源はまだまだあります。
 政府の政策への批判と対案、財源も含めた我党の提案と、依って立つスタンスの不明確なまま、財源措置を求めるとだけ言っている案と、どちらが本質的且つ建設的か、答えは明らかであると確信します。我党案へのご賛同を求め討論とします。



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