森田ゆみ子議員の代表質問 - 市会報告

森田ゆみ子議員の代表質問

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本会議代表質問
森田ゆみ子議員
 南区選出の森田ゆみ子です。日本共産党議員団を代表して、市長に質問します。
京都市美術館のネーミングライツ撤回を 
 まず、京都市美術館に民間企業の名前をつけるというネーミングライツについての質問です。総額100億円をかけて再整備する予定の京都市美術館は、市民からの寄付で開館され、83年の歴史を持ち、美術団体、芸術家、市民から愛されてきた、市民の財産です。
 この美術館に「愛称」といえど企業の名前をつけるのは、この美術館を愛してこられた方々の思いに反します。
 京都市美術館にネーミングライツを行うことは、この8月のくらし環境委員会で報告されましたが、公立の美術館に民間の企業名をつけることは「ふさわしくない」と市会各会派から反対意見が出されました。市民の反対意見も急速に広がる中で、京都市は募集を強行し、市民の意見も議会の意見も無視して、一社のみ応募のあった「京セラ」に決定しました。スケジュールありきで進められたこの京都市のやり方に、美術関係者をはじめ、市民の批判が一気に広がり、9月議会で京都市に対し、「今までの経過を反省」し、議会と十分な議論を行い、市民の信頼を回復することを求める決議が、全会一致で可決されるまでに至りました。この市会決議について、市長はどう受け止めておられますか。お答えください。
 これまで美術品を寄贈していただいた方々からは、「名前が変わるなら作品を返してほしい」などの声もあがっています。京都市は、ネーミングライツを先に決定しておきながら、「一人ひとりにご理解いただけるように説明する」と言いますが、寄贈者への冒涜であり、不誠実な態度ではないですか。ネーミングライツの撤回を求める署名は、短期間で2600筆を超える勢いです。京都市美術館へのネーミングライツの正式契約はせず、今回の決定は撤回すべきです。いかがですか、お答えください。
(市長) 市会決議は再整備の必要性を認めた上でネーミングライツの制度見直しや建設費、スケジュールの見通しの甘さについての指摘であり、真摯に受け止めている。趣旨を踏まえ市会に説明しながら整備を進める。
ネーミングライツは、必要な財源を確保し、民間との協働、税負担を軽減して事業を進めるためであり、京セラ様には敬意を表する。多くの方から賛同と期待の声が広がっている。
巨額の費用がかかる設計の見直しを
 
 美術館の老朽化に伴い、美術作品の展示や保管に必要な空調の不具合や作品の展示、収蔵場所の不足など様々な課題があり、改修する必要はあります。しかし、本当に100億円もの再整備が必要なのでしょうか。本館の入り口部分をわざわざ掘り下げてスロープをつくり、地下の入り口にこだわるのは、岡崎活性化プランでにぎわい創出として、ガラス張りのミュージアムショップやカフェを目立たせる為のスロープであり、そのために予算が膨らんでいるのではないですか?入札に応じた唯一の企業が130億円の予算を示し、入札は不調に終わり、京都市は100億円で契約できることが前提で再入札としました。京都市は、以前からこのデザインを示しているといいますが、基本設計案には当初から反対の声がありましたし、市民からの意見やアンケートをとっていません。昨年7月に、京都市が採用した設計では、本館の前の部分に地下二階のフロアが展示スペースとして示されていましたが、地下水の問題でやり直しということになりました。雨水が入り口に集中する構造は必要でしょうか。
 美術関係者からは、「美術館を利用する美術家の意見は何も聞くことなく急いで進められている。オリンピックに間に合わせるためだけであり、市民や美術家のための改修とはなっていない」との声も出されています。専門家や美術関係者の意見も取り入れて、設計の見直しも必要ではないですか。お答えください。
(市長) 設計についてはプロポーザル方式で慎重に選定。スロープ広場は選定委員会で高い評価を得た。外観の保全のために地下空間を活用、岡崎地域の賑わい創出の整備を進める。
美術館再整備中の代替施設確保を
 
 次に、美術館再整備中の3年間の代替施設の問題です。京都市は既存の建物を「紹介する」にとどまり、あとは美術関係者任せになっています。美術館以外の施設は、利用料が10倍20倍にもなるほど高額で、事実上使えません。3年間も作品の発表ができなくなることは、多くの美術関係者にとっても、京都にとっても大きな損失です。アーティストを育てていく妨げにもなります。大阪では、市の美術館の再整備は大規模な公立美術館が長期間なくなることを避ける為に新美術館が完成してから着手するといわれています。他都市の多くでこのように、代替え施設を準備してから工事が実施されています。施設の利用料やオプション費用に補助を出し、美術館の利用料と同じ値段で借りられるようにすること、また、京都市が責任を持って代替施設そのものを確保することが切実に求められています。この問題については、どう検討されておられますか。お答えください。
(市長)代替施設については可能な限り情報提供に努めているが、市会の意見も踏まえ引き続き確保に努める。財政的援助は公平性の観点等から困難。
ビン・缶・ペットボトルの分別収集を
 
 次に、ごみの分別について質問します。9月に南部リサイクルセンターに見学に行き、ビン・缶・ペットボトルの分別の現場を見させていただきました。
 季節柄ペットボトルが多く、ピットはあふれかえって分別が追い付いていませんでした。ビン・缶・ペットボトルが入った袋がベルトコンベアーで次々流され、最初に手作業で袋から出し、手選別で本来混入してはならない異物を取り除きます。本当に様々なものが混じっていて、汚れがひどいペットボトルやカセットコンロのガスの空き缶、プラスチックや包丁まであります。さらに、収集の過程でミルク缶の中に挟まったペットボトルやビン、割れたビンもありケガもあるとのことです。私は、ビン・缶・ペットボトルを別々に分けて収集すればいろんな問題が解決に向かうのではないかと感じました。まず、異物の混入が減るのではないかということです。このグラフをご覧ください。
 リサイクルセンターで分けた後、結局はクリーンセンターでごみとして燃やされている、混入異物が重量で20パーセントもあるのです。もちろん、分ければすぐに混入がなくなるとは思いませんが、混ぜて収集するというのは分別意識の向上に逆行するのではありませんか。また、缶にはまり込んだビンを取り出すのに無駄な労力をかけるということは格段に減ると考えられます。
 市長は、京都のまちは道が狭く、置くことができないから混合収集していると言いますが、収集日を分けるなど工夫はできるはずです。三種混合収集を改め、ビン・缶・ペットボトルを分けて収集することを求めます、いかがですか。
(環境政策局長)廃棄物減量審議会の提言を踏まえて一緒に収集している。収集運搬が効率的で低コスト化、環境負荷低減、市民に過度な負担をかけないために行っている。別々に収集すれば費用は16億円増加。9割が適正排出されており、分別意識の向上に逆行との指摘はあたらない。異物は収集方法の如何に関わらず生じる。3種混合収集を継続する。
指定ごみ袋について
 
 問題になるのは、資源ごみの有料指定袋です。この指定袋は、きれいなものまですべてごみとして燃やされています。容器包装リサイクルの対象とはならないからです。
2015年度の資源ごみ袋の重さは、合計で437トンです。京都市は、ごみになるものを作らない、買わない、とスーパーのレジ袋を有料にして削減を進めているにもかかわらず、一方で、ごみになるものを作って買わせているのは矛盾しているのではありませんか。資源ごみの指定袋はやめるべきです。いかがですか。
 さらに、家庭ごみの袋については、値下げを求める請願も出されています。ごみ袋の売り上げ17億円のうち、製造経費を除いた10億円相当は環境ファンドに積み立てられ、ごみ減量に関係のない事業にも使われています。不必要な南部クリーンセンターの展望台にも使おうとしています。このようなやり方に多くの市民から怒りの声が上がっているのは当然です。市民生活が厳しくなっている時に、家庭ごみの袋は、値下げすることを求めます。いかがですか。
 全国の多くの自治体で資源ごみの分別の徹底が進んでいます。京都市も市民を信頼し、市民とともにごみ減量をさらに進めていくことを求めます。
(岡田副市長)家庭ごみは有料指定袋の導入前の4分の3まで減量、大都市の中で最も少なくなった。収集運搬経費は40億円のコスト削減。ごみ処理経費は年間229億円を要し、ごみ袋の価格を据え置いてもごみ量が増えている自治体も多く、価格引き下げは考えていない。
資源ごみ袋は発生抑制、分別リサイクル促進の観点から半額にしている。廃止は考えていない。
全員制の温かい中学校給食の実施を
 
 次に、中学校給食についての質問です。
 京都市でも、中学校給食を全校で実施してほしいというのは多くの市民の願いです。
 京都市の小中一貫校では、中学生にも、小学校と同じ自校式の温かい給食が提供されています。私は2年前に、南区の凌風学園の中学校3年生の全員給食の現場を見学させていただきましたが、本当にみんなおいしそうに喜んで食べていました。自分の食べられる量にあわせて、多く食べる子は何回もお代わりをして、食の細い子は少なくするなど、プレッシャーなく残さず全部食べていて、みんな協力し準備やあと片付けも和気あいあいとしてうらやましく思いました。みんなが同じものをおいしく一緒に食べる全員給食でこそ、本来の食育の推進になると考えます。
 今の京都市の中学校給食は、希望した生徒だけお弁当が提供されています。ご飯は温かく保たれていますが、おかずは冷たく量が一定で、足りなくておにぎりを持ってくる子どもがいる一方で、全部食べられない子どもの食べ残しや、休みの子どもの分は全て廃棄処分です。
最近、小学生の子どもをもつお母さん30人ほどに、京都市の選択制のお弁当給食について説明し、意見を聞いてみました。「子どもは、好き嫌いが激しいから、お弁当を作ってあげたい」と、何人かは答えましたが、子どもの昼食の取り方の理想をきくと、「そりゃあ、小学校のような温かくておいしい給食や」。そう全員が答えました。保護者のほとんどが中学生にも全員給食を食べさせたいと思っているのではないでしょうか。
 京都市は愛情弁当が大事といいますが、今の世の中、保護者のいろんな条件により、愛情があってもお弁当が作れない現状もあります。昼食代としてお金をもらって、コンビニなどで買って来る子もいますが、もらったお金をおこづかいにするため、お昼ご飯を食べない子どももいます。発育盛りの子どもにバランスのとれた栄養は重要です。
 近年、貧困と格差の広がりが問題となり、子どもの貧困対策法が制定されました。京都市でもこの夏、「子どもの生活状況等に関する調査」が行われました。今後、詳しい分析をもとに、子どもの貧困をなくすための具体的な対策が求められます。
 公表された速報で注目したのは、食に関する項目です。中高生で朝食をほぼ毎日食べる子どもは86・4%、ひとり親家庭では77・7%、貧困線以下の家庭では79・6%です。朝食をひとりで食べる割合は、中高生で22・1%と高くなっています。また、子育てに関する悩みで「子どもに十分な食事や栄養を与えることができていない」と答えた方は、中高生で8・2%ですが、ひとり親家庭では19・8%、貧困線以下の家庭では15・8%とたくさんの方が悩んでおられます。今の選択制のお弁当給食が実施されて16年。いつまでも「家庭での手作り弁当の教育的意義」などと言っている場合ではありません。早急に中学校の給食のあり方についてのアンケート調査を行う必要があると考えますが、いかがですか。
 全国で、公立中学校の生徒の人数に対する完全給食の実施率は、2006年度には74・8%でしたが、2014年度には81・5%に増えています。都道府県で見ると、中学校給食を食べている生徒の割合が90%を超えている県は、26県から31県に増え、50%を下回るのは、8府県から5府県に減りました。京都府はワースト2ですが、中でも京都市は選択制給食の喫食率が2015年度で31・1%と、府の実施率を引き下げています。
 府議会での10月の京都府知事に対する総括質疑では、日本共産党の山内府議の「全ての市町村ですみやかに中学校給食が実現できるよう、京都府として何らかの支援を講じるべき」との質問に対し、知事が「市町村に対しても、きちっとみなさんが取り組めるよう、支援をしていきたい」と答弁しています。府市協調で実現するハードルが低くなっています。京都市でも、中学校に小学校と同じように全員に温かい給食を実施することを求めます。いかがですか。
(教育長)平成12年度から選択制を導入し、試食会などで保護者や生徒の声を献立に反映、常に改善に努めている。学級担任が生徒とともに昼食を食べながら状況把握、指導に努め、生活状況についても学力テストの機会などに把握している。学校と保護者が生徒の昼食のあり方や、手作り弁当の教育的効果について議論し、定着している。
 自校方式の全員給食は少なくとも200億円かかり困難。学校現場や生徒、保護者の意見を聞きながら選択制の中学校給食の充実に努める。
南区久世地域のバス運行の改善を
 
 最後に南区久世地域のバスについて質問します。
 久世地域のバスの便は極端に悪く、バス待ち環境も整っていません。長年にわたり地域のみなさんが、運行の改善とともに、バス停にベンチと屋根を、と運動してこられました。ところが改善が進みません。
 そこで私は、地域のみなさんとご一緒に調査を行いました。まず運行状況です。久世地域を走っている13番と特13番は1時間に2本ほどバスは来ますが、乗り換えなしでは区役所にいけません。区役所前のバス停に止まる42番は、西京区から来てJR桂川駅、久世の北部から久世橋通を通り1時間に1本しかありません。78番のバスは1時間に1,2本で、区役所に行くには東寺南門のバス停で降りて、歩道橋を上がり降りして渡るか、大きな交差点の信号を何回も横断するしか手段がありません。小さい子どもをつれて健診にいくお母さんや、お年寄り、障がいを持っておられる方々には大変困難だと思われます。最近では高齢ドライバーの事故が多発しています。道路交通法改正で来年の3月から高齢者の事故防止対策が強められ、免許更新が厳しくなることになりました。免許証の自主返納を考えておられる方も多く聞きます。しかし、公共交通があてに出来なければ移動手段である自動車の運転をやめるわけにはいかないのではないでしょうか。超高齢社会の中で、誰もが利用しやすい公共交通ネットワークの構築が求められています。買い物や病院通いにとどまらず、外出して生き生きと日常生活を送る為にも、市バスを便利にしてほしいという願いはますます強まっています。まず、区役所に行く42番の本数を早急に増やすことを求めます。さらに、久世地域を走るバスの本数を抜本的に増やすことを求めます。いかがですか。
 また、久世地域にお住まいの方からは、国道171号線沿いにある「中久世」のバス停にJR桂川駅方面に行く42番のバスが止まるようにしてほしいという強い要望があります。「中久世」のバス停は、中久世交差点から200メートル北にあるバス停と、しばらく西に進んだ所のバス停の2箇所あります。この二つのバス停は、名前は同じですが、400メートル近くも離れており、171号線沿いの「中久世」のバス停にも42番が止まるよう求めます。いかがですか。
(交通局長)久世地域のバスの運行については、増便などで昼間は各方面に向けたバスが1時間あたり合計7本と、利便性を確保している。利用が少なく採算性が厳しいため42番はじめ増便は困難。引き続き、住民要望や利用状況を注視する。42番の国道171での停車は、右折レーンに入る際の安全性の問題で実現は難しい。
バス待ち環境の改善を
 
 次に、バス待ち環境についてです。今、京都市ではバス停に屋根とベンチの設置が進んでいますが、久世地域では大変遅れています。地域の皆さんと行なった調査では、久世地域を走るバスの主要な停留所30か所のうち、ベンチが9か所、屋根があるのは5か所です。ベンチがなく、地域の方が、家庭用の椅子やベンチを置いておられる光景も見られました。国や京都市の基準では、ベンチをつけるのが困難だとされるバス停も多くありますが、バスの停車位置から少し離れたところや企業の所有地で使われていないところを借りるなど、屋根とベンチが設置できそうな所もいくつもありました。また、スペースをとらないサポートベンチなどもあります。暑い中、1時間に1本のバスを待って、お年寄りが地べたに座り込んでいるということは異常なことです。一刻も早く、久世地域のバス停に屋根とベンチをつけるよう求めます。いかがですか。
 以上、市長の答弁を求めまして私の質問といたします。
(交通局長)特に国道171号線沿線のバス停の改善は課題であるが、バス停部分の歩道が狭く、設置がすすまない。歩道が狭いバス停でも、民間の土地提供で上屋やベンチ、接近表示などの設置を進めてきた。様々な工夫を行い、久世地域を始め周辺部のバス待ち環境改善向上に取り組む。

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