2015年度一般会計決算等に対する反対討論 - 市会報告

2015年度一般会計決算等に対する反対討論

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終了本会議討論
くらた共子 議員
 日本共産党市会議員団は、報第1号一般会計決算、報第3号国民健康保険事業特別会計決算、報第4号介護保険事業特別会計決算、報第5号後期高齢者医療特別会計決算は認定しないとの態度を表明しております。私は、その理由を述べて討論いたします。

 認定しない理由の第一は、厳しさが増している市民生活の実態を顧みず、「京プラン」実施計画最優先の行政をすすめているからです。国は、福祉の切捨てや人件費の削減を行財政改革の努力として評価し、地方交付税の算定させてきています。その成果を自治体間で競わせ、一律に低い水準を押し付けるトップランナー方式に反対するよう求めましたが、市長は、容認する姿勢に終始しました。また、行財政改革について「国に言われてしているのではない」と述べ、京都市が自ら率先して福祉の切り捨てとリストラをすすめていることを表明しました。決算年度で身体障害者リハビリテーションセンター附属病院廃止、老人医療費支給制度の改悪が行われました。このことは市民生活に深刻な影響を与えています。さらに、税の徴収については、当事者である市民に面接もしないまま、差し押さえを行っている実態が明らかになりました。このことは、「資産の差し押さえ」は慎重を期して行うとしてきたこととも矛盾しています。

 第二の理由は、市民のいのちを守る社会保障を切り捨てているからです。介護保険制度は根幹を崩す大幅な改悪が行われました。65歳以上の第1号被保険者の保険料は6000円台へと値上げられ、介護報酬は引き下げが行われました。さらに、要支援1、2のヘルパーサービスとデイサービスが介護給付からはずされ、2017年4月から自治体の事業に移すことが決められました。また、一人暮らしで年金280万円以上、夫婦で359万円以上の世帯は、介護サービスの利用料が2割へと負担が倍増、特別養護老人施設への入所は要介護3以上でなければ入れないように改悪されました。この上、施設に入所した際の食費、居住費の軽減措置の対象を、預貯金1千万円以下に限定するなど改悪のオンパレードで、「保険あって介護なし」の、まさに国家的詐欺といわざるを得ません。
 我が党は、独自のアンケート調査の結果をもとに、来年4月からの京都市の総合事業について、要支援1、2の方々へのヘルパーサービスやデイサービスの報酬単価が引き下がれば、介護職員の離職や確保困難を助長し、介護事業所の運営が成り立たなくなることを指摘し対策を求めました。ところが、副市長は、「持続可能なものとなるよう国が検討している」と他人事のような答弁に終始しました。総合事業での介護報酬単価引き下げを前提とする「緩和型介護」は導入するべきでないことを強く指摘します。
 国民健康保険についてです。決算年度は保険料が値下げられました。ところが一方、一般会計からの繰り入れを減らし赤字となりました。滞納している保険料が納められないことを理由に、限度額認定証が交付されない問題で、糖尿病が重症化し緊急入院した実例を示して改善を求めましたが、副市長は、「無条件の交付は考えていない。滞納保険料の納付を求めることは負担の公平性から必要」と極めて冷たい姿勢でした。2015年度に保険料は引き下げられたが、払いたくても払えない国保料です。短期証や資格証明書の発行、資産差し押さえ、これでは命を守るはずの国保制度が、命を追い詰めるものとなっているのではないでしょうか。さらに、医療費削減を目的とする国保の都道府県単位化を推進していることは、断じて認められません。住民の命を守る、自治体の本旨に立ち返ることを強く求めます。
 子育て支援については、保育所が不足していることを認めながら、副市長は、「100万人以上の都市では、保育園に一番入り易い都市」と述べ、保育士の処遇改善に課題があるとしながら、「全国平均の1,4倍の給与水準」と強弁されました。市内保育園での保育士不足は切迫した問題であり、待機児の解消は市民の切実な要求です。保育園の増設、保育士の処遇改善に全力を尽くし自治体の使命を果たすべきです。子どもの医療費について、市長は公約の具体化を今議会でも語らず、無責任な態度であります。子どものいのちを守る市民との約束を一日も早く履行されるよう求めます。全員制のあたたかい中学校給食の実施は、子どもたちの健全な成長を願う全ての市民の願いであります。一日も早く実現されるよう強く求めるものです。
 生活困窮者に対する支援のあり方については、右京区での40歳代の姉弟の死亡事件から、何を教訓とするかが問われました。「二度とあってはならないこと」との認識は示されましたが、水道料金の福祉減免制度の創設に背を向けままです。市民が餓死した事実を重く受け止める姿勢が問われています。生活保護行政について、「生活保護が減ったのは喜ばしい」との市長の発言は、福祉行政にあるまじき発言であり撤回すべきであります。そもそも、生活保護費が増えると財政が大変になるとの説明は市民を欺くものです。生活保護費は国の交付税で措置されており、保護費によって京都市の財政を圧迫している実態はありません。ことさらに、生活保護費の増加が財政圧迫の原因であるかのような説明は誤りであることを厳しく指摘しておきます。国の社会保障改悪を梃に、福祉行政の後退を先行させることは絶対に認められません。
 保健センターの生活衛生部門の集約化方針が出されました。「民泊」問題への対応を理由に、市民のもっとも身近な行政窓口を遠ざけることは、明らかな市民サービスの後退です。生活衛生部門の集約方針は撤回すべきです。

 第三の理由は、中小企業に対する支援が不十分だからです。公契約基本条例について、他都市で効果が証明されている賃金条項の創設を求めましたが、「導入は考えていない」との答弁でした。賃金条項を規定している都市では、「元請以下の重層な下請けがなくなり、現場労働者の離職率も下がった」など、事業者の経営安定と地域経済への波及効果が評価されています。市内事業者や後継者の確保と育成が必要だとするのなら、本市の公契約においても、賃金の下限を規定すべきであることを指摘いたします。中小規模事業者の固定費の補助に対して、「事業者が自ら負担するもの」と切り捨てる答弁がありましたが、一方、企業立地促進助成では、その多くの部分を大企業の固定費分の補助に支出しています。厳しい経済情勢下にある中小規模事業者への固定費補助こそ行うべきです。制度融資も中小零細事業者には利用できていないのが実態です。市民が支援を実感できる融資制度とすることが必要です。
 また、行政が各地域の経済状況を把握し市民とともに活性化を図る姿勢をもつべきです。そのためにも、各区役所に相談対応できる専門職員を配置することを求めます。
 ブラック企業とブラックバイトの問題については、大手広告会社電通や関西電力における過労自死などに象徴される、異常な労働環境を根絶することが急務であります。本市の積極的なPRと相談対応、関係機関や団体等への働きかけを強める必要があります。まずは、本市が設置した相談窓口職員を正規職員として位置づけることが必要ではないでしょうか。そこに、京都市の姿勢が表れることを指摘しておきます。
 TPPについてです。国会の場にも交渉の一切が明らかにされないままに、国の主権を明け渡すことは断じて認められません。コメ農家への影響を質したのに対し、副市長は「大きな影響はない」と答弁しましたが重大であります。国民を置き去りに、今国会で批准することがあってはなりません。

 第四の理由は、破綻した事業に固執し、新たな税金のムダづかいを行おうとしているからです。
 高速道路3路線の大型公共事業については、正式に断念したものの、堀川油小路の地下バイパストンネル計画・油小路と名神高速道路とのジャンクション計画、鴨川東岸線第三工区計画の具体化など、新たな大型公共事業計画をすすめる方針が目白押しであり重大です。破綻していることが明らかなリニア新幹線や北陸新幹線の京都誘致に奔走し、JR新駅への市費の投入や、新駅横の「賑わい施設」への誘導のための横断歩道橋建設など民間支援に傾倒しています。一方で、河川や道路の維持管理、橋や住宅の耐震化等防災や公園の維持管理、緑化政策の進捗は不十分であります。防災ならびに市民の暮らしに身近な公園や道路の維持管理にこそ重点を置いて取り組むべきであります。今議会中にも鳥取県で震度6弱の地震が発生し家屋の倒壊や、それに伴う負傷者が出ました。市民の安全を第一とした公共事業を優先すべきであることを指摘いたします。

 第五の理由は、国の成長戦略による財界主導の新たな京都のまち壊しをすすめようとしている点です。
 すでに、京都駅周辺の都市再生緊急整備地域の指定や、元清水小学校跡地を60年間の契約で企業に貸し出し、北区の第一種住居専用地域及び、第1種低層住居専用地域に床面積3133㎡のホテル等、市内3箇所のホテルが建築基準法の但し書きにより特例許可されています。さらに、「宿泊施設拡充・誘致方針」では住居専用地域、工業地域、市街化調整区域への宿泊施設の設置拡充を特例で認めるとしていますが、これは無秩序な開発促進につながるものであり認められません。

 最後に、市民不在の市長の市政運営の問題についてです。京都市美術館のネーミングライツの決定について、市民の声を聴かず、市長が決めたことは、市民や議会の指摘があっても、提案がなされても立ち止まることができないという市民不在、トップダウンの姿勢が浮き彫りとなりました。多くの市民から意見が出されております。コレクション寄贈者の想いにも心を寄せるべきではないでしょうか。名称変更は、京都市民が連綿と創り出し、蓄積してきた京都市の文化性をも否定することになります。
 市長は、市民の意見を受け止めて、京都市美術館のネーミングライツ決定を徹回し、美術館の在り方について市民、関係者と真摯に協議されるよう求めるものです。
 二条城東側空間整備事業については、整備をしようとする東側の既存の駐車場が、約30年間にわたり違法な路外駐車場であったことが判明しました。この10月より二条城専用駐車場への変更がなされましたが、京都市は、一連の経過がどうであったのか、市民に説明し意見を聞く責任があります。世界遺産を壊して大型観光バス用駐車場を設置する計画の撤回を求めます。下鴨神社におけるマンションと倉庫建設に対しても世界遺産保護に対する行政責任が問われる問題です。市長は「活用しなければ文化財は守れない」と発言されましたが、これは文化財、世界遺産に対する見識が問われる重大な発言であります。世界遺産は人類が認める普遍的価値を有するもので、その保護に責任をもつべき首長としての資質も問われることを厳しく指摘するものです。以上、申し述べまして、私の討論といたします。



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