「二条城第2駐車場計画の白紙撤回を求める請願」の不採択に対する反対討論 - 市会報告

「二条城第2駐車場計画の白紙撤回を求める請願」の不採択に対する反対討論

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終了本会議討論
くらた共子 議員
 日本共産党議員団は、「元離宮二条城東側空間整備基本計画における第2駐車場整備の白紙撤回」を求める請願の不採択に反対の態度を表明しております。私は議員団を代表し、その理由を述べ討論を行います。
 本請願は、元離宮二条城東側空間整備基本計画に含まれる二条城北西への駐車場設置計画が、世界遺産のコアゾーンの形状を変更し景観を破壊するものであることを指摘し、計画の白紙撤回を求めています。京都市は、コアゾーンを破壊することに対して、「江戸時代の古地図では、駐車場を設置する場所には何もなかった」と世界遺産の価値は損なわないとの認識を示しています。しかし、二条城が世界遺産に認定され1994年当時の形状を変更すること自体、重大なことです。
 また、京都市が樹木を伐採して駐車場をつくろうとしている二条城北西部は、二条城の外堀部であります。京都市は「大型観光バス駐車による石垣への影響はない」としていますが、2000年12月に東側の外堀の石垣が部分的に崩壊していることが確認され、2001年に修復されました。こうした実態からも、軽々に「影響がない」などとすることは文化財保護を司る行政として許されざることです。
 京都市が示した修正計画の資料からも、二条城に来場する大型観光バスが増えるのは、年間通して10月などの繁忙期間だけです。さらに、駐車場を利用する期間が繁忙期に限るというのなら年間通してわずかであり、その期間の特別な対策をとれば、駐車場をつくる必要のないことがはっきりしています。京都市は景観破壊を防ぎ、文化財である二条城に負荷をかけない方法をとるべきです。そのために、京都市自らが提唱する「歩くまち・京都」に基づく、パークアンドライドの徹底と地下鉄の利用促進、自動車での二条城への来場制限、車両台数のコントロールを行い、観光バスや自動車での二条城来場者の適正容量を検討する方針をもつべきではないでしょうか。
 景観を破壊する計画に対して市民から痛切な批判の声が寄せられています。市長は、当初計画を変更し駐車場規模を縮小するとし、修正案を示しました。しかし、駐車場が二条城のコアゾーンに入り込む計画はいくら規模を小さくしたとしても、近隣の静寂な風景と一体として風情をつくり出している景観を損ねることに変わりはありません。住民説明会で、住民から、「世界遺産の近隣に住まうものとして、様々な規制を受けとめ環境保全に努めてきた。それを京都市自身が破壊することは認められない」「平安京跡の界隈に観光客などを案内し、二条城の北西にたち至ると、二条城の城壁が眼前に現れる光景に、参加者から感嘆の声があがる。その場所に駐車場などとんでもない」との指摘もありました。
 次に、住環境と安全確保ができない問題についてです。二条城第2駐車場計画地の北側には竹屋町通りを挟んで二条公園があります。近隣の子どもたちをはじめ、多くの市民が集う憩いの場として親しまれています。公園の向かい側に駐車場を設置することは安全性を著しく低下させるものであり、認められません。京都市が近隣の交通状況をどこまで調査したのか、再整備計画には市民の安全を守る視点が欠落していると住民からは強い憤りがあります。二条城の周囲は多くの市民から、ウオーキングやジョギングを楽しめる場として愛されてきました。こうした市民活動や生活に影響を与える計画をなぜ、すすめなければならないのでしょうか。議会では、修正された駐車場設置計画をすすめることが前向きの解決だとする意見がありましたが、市民の声を聴き、世界文化遺産を守り、公共交通を使って環境にやさしい誘導を提案してこそ前向きの解決であることを指摘いたします。
 最後に、この請願には5000人を超える市民の賛同が寄せられています。駐車場設置のために世界遺産・二条城の現状を変更することは、文化財を後世に引き継ぐことを使命とする行政の役割放棄に等しいのではないでしょうか。事業全体をすすめるために、二条城第2駐車場計画を強引にすすめるやり方は問題があります。市民は後世の検証に値する判断を求めています。請願には、世界遺産と景観を守り、その価値を市民とともに発信していく京都市行政への願いが込められていることを申し述べて、私の討論といたします。
 

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