山中渡議員の代表質問 - 市会報告

山中渡議員の代表質問

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本会議代表質問
山中 渡議員
 下京区選出の山中渡です。2016年度予算案について日本共産党京都市会議員団を代表して質問します。
 市長選挙後初の予算となります。市長選挙では市民の皆さんとともに支援した本田久美子さんに13万人近い支持が寄せられましたことに感謝申し上げます。市長は三選目を果たされましたが、投票率は35・68%、過去4番目に低いものとなりました。市長がすすめた四条通りの車線減少や学校跡地活用、世界遺産である下鴨神社のバッファーゾーンでのマンション建設許可や二条城の駐車場計画などをめぐるトップダウンのやり方に「市民の声を聞くべき」との声が市長を支援する皆さんからもあがりました。
 市長は当選直後のインタビューで市政運営について「市民の声を聞く」ことを強調されましたが、政策をめぐって、マスコミの調査でも、福祉、子育ての分野については過半数以上の方が本田さんを選択されたとの投票動向が示されていました。社会保障をめぐる分野の不安があり、改善、拡充に市民の強い要望があることが示されています。今後の市政運営において厳しい市民生活の実態を真正面からとらえ、こうした「市民の意見」をどう聞き、どう施策に生かすかが市長に問われていると考えます。
アベノミクスは破たん、個人消費喚起の経済政策への転換を
 
 以下予算案について伺います。市長は、今予算編成にあたって、地域経済の活性化、市民のいのちとくらしを守り、子育て環境充実を重視したと説明されました。
 今度の予算で本当にこの流れをつくることができるのでしょうか。 昨年の予算市会で、くらしと経済についてお聞きしたところ、副市長は「中小企業と家計には恩恵が十分には及んでいない。」とアベノミクスの効果が及んでないとの答弁をされましたが、経済はこの1年さらにひどくなりました。政府のミニ経済白書は、消費者物価はあがったが実質賃金は5%減り、年収400万円世帯で実質賃金は年20万円も減少していると報告しています。パート労働者を除いた労働者だけを見ても賃金は下がっています。国会では首相が「消費税3%が押し上げているので、賃金が押し下がるのは当然」と応えていますが、この論理で行くと、来年の消費税10%増税が実行されるなら、実質賃金はさらに下がることになります。雇用実態についても、正規雇用は全国で2万人増えただけ、一方非正規雇用は142万人も増えています。
 過日公表された10月~12月期のGDPは前期比マイナス成長となりました。メディアも「個人消費低迷」「日本経済は個人消費に加えて、企業業績にも陰りが見え始めた。」「守りの家計」と一斉に伝えました。「効果が及んでない」のではなく、アベノミクスの経済対策が間違っていたからではないでしょうか。市長はいかがお考えですか。
 市長は予算案で中小企業の下支えと成長支援による経済の好循環、雇用と所得の増加などで地域経済の活性化と安定した雇用の創出を打ち出しておられますが、その中心は、久我・羽束師地域や市街地内のまとまった土地への企業誘致政策です。さらに昨年指定された都市再生緊急整備地域での活性化事業推進も大規模な開発事業を可能にする手法です。市長の成長戦略による経済活性化と雇用と所得の増加の方針は、アベノミクスのトリクルダウンと同じ論理ではないでしょうか。市長いかがですか。
 市内の雇用者報酬は長期にわたり減少しています。市民の所得が下がり、個人消費の力はますます衰えています。さらに来年4月から消費税10%への増税です。実行されれば市民は1世帯当たり、年間62000円、一人当たり27000円の負担増となります。雇用者報酬は増えない、目前に消費税10%増税の負担が控えている今、市民の節約志向が一層高まることは必至です。こうした現状のもとで民間シンクタンクもマイナス成長と個人消費の落ち込みを予測しています。6割を占める市民の個人消費が喚起されてこそ経済・財政再建の道が開かれるのではないでしょうか。雇用者報酬など市民の所得の向上、雇用確保と安定を考えるなら、社会保障の負担増による不安解消や実質賃金引き上げなど個人消費の力をつけることに比重をおいた経済対策に転ずるべきではないでしょうか。市長の見解をお示しください。
(塚本副市長)国の経済は金融緩和や財政政策、成長戦略を柱とする経済政策により、緩やかな回復基調が続いている。本市経済も、府内有効求人倍率は、本年1月には関西で最も高い地域となり、倒産件数も過去10年で最少になるなど、全体として景気は回復基調にあるが、業種によっては弱さが見られるなど、その効果は、いまだ、市内の隅々にまで行き渡っていない。
 本市では、企業立地について、対象とした120件のうち108件を市内企業が活用するなど、市内中小企業の市内での積極的な事業拡大を支援してきた。また商店街等への様々な消費喚起策、首都圏や海外への販路開拓支援新産業の創出にも取り組んできた。
 中小企業の下支えと成長支援の両面からきめ細かな支援を行い、地域経済の担い手である中小企業の活性化、賃金水準の引上げ、個人消費の拡大へとつなげる好循環を生み出していくことが極めて重要である。
実効性ある中小企業支援について
 
 京都経済・中小企業対策について伺います。
 いくつかの中小企業の関係者の方の声を聞きましたが、「売り上げが目に見えて減っている」、仕事はあるとされた方でも「数をこなしても利益は下がり、儲けは減っている」と景気の停滞、落ち込みを告発されています。今年1月に公表された第117回京都市中小企業経営動向実態調査でも、2016年業績に影響を与えると予想されるマイナス要因として1位に国内景気、2位に他社との競争と消費動向が上がっていました。国内景気の疲弊、過当な受注競争、消費の低迷が中小企業にとって大きなマイナス要因となっていることが示されています。こうした認識を市長はお持ちでしょうか。
過当競争から本気で中小企業を守ろうとするなら、昨年成立した公契約基本条例に賃金条項を加えたものに発展させることが必要と考えます。受注の過当競争が結果として人件費削減を促進させ、低賃金構造を生み出している現状を踏まえるなら、直ちに改善が必要です。賃金改善を含む公契約になれば、賃金の底上げと雇用確保拡大など中小企業経営者の方にとっても経営改善に資するではありませんか。市長いかがですか。
 予算案には中小企業振興にむけ中小企業振興会議を設置し条例による手法を含む実効性のある振興策を検討するとあります。この点では地域を支えてきた中小企業を本気で支援するための具体化ができるかどうかです。先月京都市産業戦略ビジョン骨子案が発表されました。ここでは企業の地域貢献として、中小企業・小規模事業者を中心とした経済循環を促進すること、中小企業・小規模事業者の地域に根差した魅力的な取り組みを発信することなどの柱が提案されています。市内で稼いだ所得が市民に分配され、市内で消費される、原材料の市内調達、市内再投資の経済循環の必要性が強調されています。また、一昨年成立した小規模企業振興基本法に則った中小企業事業者の取り組み発信によって、事業者の市民理解促進、消費喚起、働き手確保、資金調達力の向上方針が示されています。京都経済再生にとって重要な施策と考えますが、具体化にむけ市長の決意を求めます。
 中小企業振興にむけて実効ある振興策を進める理念を定めた「中小企業振興基本条例」の制定は急務です。問題はいつこの条例をつくるのかです。今予算案では条例も含めて、実効性のある振興策を検討するとありますが、いつ、条例をつくるつもりなのか、市長の考えをお示しください。
本市の中小企業支援策とTPPについて伺います。TPPの最大の目的は、国を超えグローバル企業のための条件整備を行うことです。しかし、国はTPPの秘密事項をたてに、国会議員にも交渉内容を明らかにしないままことをすすめています。アメリカでも主権が侵されるとして大統領候補が反対をかかげるまでになっています。国際的な先行事例からもこのまま条約が発効されるなら国や地方自治体の様々な規制が障壁とされ、公の契約の市場開放にさらされることになります。本市においても市内の建設工事や物品調達に国外企業が参加することになり、その際に、本市の施策にある地元調達や地元雇用を求める中小企業支援策が条約違反とされる問題が生じてきます。公契約条例や中小企業支援の条例づくりが障壁として扱われるのではありませんか。市長いかがですか。本市の中小企業を守るというならTPPが本市の中小企業に与える影響について、懸念されるすべての問題点を洗い出し、国に伝えるとともにTPP反対をきっぱり表明すべきではありませんか。
(塚本副市長)中小企業は京都の宝であり、地域経済に密着した商品やサービスの供給をつうじて、市内の経済循環を促進する役割を担う京都経済の基盤である。
 公契約基本条例を制定し、市内中小企業の受注機会の増大に取り組むとともに、京都型耐震リフオーム支援事業など、民間取引においても、市内事業者の活用を促している。公契約基本条例の賃金条項は中小企業からの反対が多く、導入していないが、条例に基づき、労働関係法令の遵守状況の把握や違反者の氏名公表等、良好な労働環境全般の確保に役割を果たしていく。
 中小企業団体や専門家等から構成する中小企業振興会議を発足させ、より実効性ある振興策に取り組み、必要な場合は、条例による手法等も検討していく。
 TPP協定は、海外進出を目指す中小企業にとって、大きなビジネスチヤンス。海外展開支援に取り組んでいく。本市の入札・契約制度に影響が生じる場合でも、TPP協定に反しない範囲内で、市内中小企業の発注に努めていく。一方で、安価な海外産品の輸入増加により、売上減少も懸念される。中小企業の体質強化への支援がより一層重要になり、国に対しても必要な対応を求めていく。
市民負担増の京都創生総合戦略・京プラン後期実施計画」
 
 市長の予算案の柱になっている京都創生総合戦略、京プラン後期実施計画に関連して国の地方創生方針、本市の財政計画等について伺います。
 京都総合戦略と京プラン後期実施計画はいずれも、国の成長戦略2015と地方創生方針2015と一体のものです。京都創生と後期実施計画をベースに133項目の予算化を図ったと説明されましたが、その中心は、社会福祉関連経費について前期計画以上の見直しで、消費的経費を抑えるなど、新たな市民負担増とサービス削減です。「後期実施計画」には、国の「構造改革」と一体にすすめた前期「実施計画」のもとで市民のくらしはさらに厳しくなったにもかかわらず、市民生活の実態に目を向けることなく、「社会福祉関連経費、公営企業への繰り出し金などを含む消費的経費のすべての予算について」「前期実施計画で見込んだ以上の財源確保をします」といっそう踏み込んだ市民サービス削減の実行が宣言されています。前期実施計画は、社会福祉費など消費的経費を毎年25億円の削減を積み上げて4年間で250億円も削減する計画でしたが、後期実施計画では毎年の削減額を40億円ずつ積み上げ、5年間で600億円削減すると削減額を引き上げています。負担増を加速させているではありませんか。個人所得が連続して落ち込むもとで、社会保障などさらに大幅な削減を実行するなら、市民生活はいっそう厳しい状態に追いやれます。加えて、過日、消費税10%増税や地方交付税削減を前提にした5年間の中期財政収支見通しが公表されました。ここでも新たな負担増と「行革」の推進、国の地方交付税削減が前提となっています。京都総合戦略と後期実施計画のもとでは、市民の負担増とサービス削減が限りなくすすむ「負のスパイラル」に市民を巻き込むだけではありませんか。市長いかがですか。
(市長)引き続く社会福祉関連経費の増加や防災・減災対策などに多額の財政需要が見込まれるが、将来世代に負担を過度に先送りしない、抑制する。
 消費的経費の削減については、市民生活に極力影響が生じないよう、徹底した内部努力による効率化等の事業見直し福祉、教育、子育て支援の財源を確保するため。「市民負担増とサービス削減のスパイラル」との懸念、批判は全く見当違い。
地方交付税のトッププランナー方式に反対を
  
 国の地方創生・行財政方針の柱である地方交付税のトップランナー方式について市長の見解を伺います。
 予算案、中期財政見通しでも、これまで地方交付税は事業の平均的経費によって算定していたものから、効率化の先進的なモデルとなる自治体が達成した経費水準を地方交付税の単位費用の積算に反映させる」方針を打ち出しました。公営企業についても同様の考えをしめしています。国は5年間の計画期間を設けたのち導入するとしています。この間にも集中改革期間を設けて、全国の自治体に準備を促すとしています。全国の自治体がコスト削減の競争を強いられます。この方針が採用されるなら職員削減と給与削減が繰り返し続けられることになり、自治体の機能後退がさらにすすむことは明白です。こうした国のトップランナー方式について、京都府知事は「一番良いところに合わせるというだけでは、われわれからすると単に交付税を削るための理屈になってしまうのではないか」との表明をされていますが、その通りです。さらに関西広域連合も地方自治体が自ら改革に取り組むインセンティブを強化するとし「トップランナー方式」について、「地方歳出は人口や地理的条件など、歳出削減努力以外の要素によるところが大きく、一律の行政コスト比較はなじまない。地方交付税は地方固有の財源であるとして「国の政策誘導による地方交付税の削減は行わないこと」と求めています。ところが2月8日の衆議院予算委員会で高市総務大臣は、「地方6団体には十分納得いただいております」とあくまで「トップランナー方式」推進の姿勢を変えていません。市長として京都市財政に与えるマイナス影響について具体的に国に示し、トップランナー方式に反対の表明をすべきではありませんか。市長いかがですか。
(財政担当局長)国は、トップランナー方式を28年度から導入するとしている。地方歳出は人ロや地理的条件など、歳出削減努力以外の要素が大きく、一律のコスト比較はなじまない。
 地方交付税は地方固有の財源であり、地方が合理的かつ妥当な水準で地方行政を行うために必要な財源を保障するもの。関西広域連合においても、国の政策誘導による地方交付税の削減は行わないように申し入れている。
職員削減と不安定雇用の拡大について
 
 次に職員削減と不安定雇用の拡大について伺います。
 市長は職員削減、行革で財源確保をしたことを強調しますが、それは市民サービスの削減や市民の負担増という市民犠牲の結果です。この間、大企業は非正規雇用の拡大や子会社への委託化で、人件費を抑えることで利益をあげる手法を大きな柱にしてきましたが、市長の財政再建と行革のやり方の基本は同じです。
 予算案では123人の職員削減をはじめ、資産売却・活用、市民サービス削減、事業見直し等で81億円の財源確保策を打ち出しています。
職員削減ですが、雇用の安定と言いながら、結果として市長の足元から不安定雇用を拡大しているのではないでしょうか。
 公務労働の非正規化が急増しています。正規職員を減らして、人件費を削る目的で非正規公務員化や公務労働の民間委託を増やした結果です。本市においても再任用職員、非常勤嘱託職員、アルバイトの方の総数は約3割です。再任用職員は1年契約であり、年収は200万円から300万円台です。非正規職員の方が市民との相談窓口に立ち、市民生活の深刻な実態と向き合うケースも増えています。マイナンバー制導入の際には、担当正職員は一人のみ、他は全部非正規職員で対応する事態もうまれています。民間化の一形態である指定管理者制度は、5年程度の短期契約など、不安定雇用と低賃金を前提にした制度です。委託先等の雇用実態を把握すべきと指摘してきましたが、京都市は委託先の労使関係であるとして触れようとしませんでした。過日NHKが「追いつめられた労働者、予算削減の果てに」と題する番組で京都市立病院の院内保育所、青い鳥保育園問題を扱いました。この問題については市長の足元から、不安定雇用と低賃金構造を作り出していると議会でも取り上げてきましたが、反省はなく、職員削減を成果としています。正職員に過重な負担がかかっている現場が増えています。非正規職員の間では公務労働という重要な仕事をしながら雇用の不安定と賃金格差が広がっています。委託先の現場では不安定雇用と低賃金労働者という雇用不安を拡大していることについて市長はいかがお考えですか。また、市長は一昨年、昨年と民間企業に対し雇用確保を求めていますが、市長の足元で正規職員を減らしておいて、また、委託先の雇用不安を広げておきながら、雇用の安定をいくら掲げても説得力はなく、本気で取り組む気があるのかと問われても仕方がないと考えますが。合わせて市長の見解をお示し下さい。
(塚本副市長)持続可能な行財政の確立、福祉や教育の財源確保のために、計画的に職員削減を行ってきた。本市の全職員に占める非常勤嘱託職員とアルバイトの割合は、2割程度で増えることなく推移している。非正規職員が増えているとの指摘は当たらない。
  「民間にできることは民間に」の基本方針のもと、指定管理の活用や委託化・民営化の取組を進めている。指定管理者の場合では、人員の確保・育成策や雇用・労働条件に関し、適切な団体を選定するよう努めている。委託する場合も、適切な委託料を確保したうえで実施しており、委託先の雇用不安を生み出しているという状況は、決してないと考えている。
「市民の声を聞く」市政運営への転換を

 市民の声を聞くという点について、四条通り問題、学校跡地活用問題に関して伺います
 四条通り問題ですが、交通混雑は解決されたと言いますが、市民に回避の協力を求めるという市民任せの対策でしかありません。市内全体を視野において市街地へのマイカー流入規制、パークアンドライドの具体化など、メリハリをつけた流入規制の具体化が必要です。市バスやタクシーなど公共交通の通行に支障をきたし、四条通りと交差する烏丸通、河原町、川端通周辺の渋滞は続いています。市民の納得と合意をどうつくろうとするのか。市長の考えをお示しください。
(交通政策監)四条通歩道拡幅事業についても、地元や関係者の皆様と丁寧に合意形成をはかり、約10年をかけて取り組んできた。今後とも「歩くまち・京都」の理念を市民の皆様にお伝えするとともに、パークアンドライドの充実や公共交通の利用促進など全市的な自動車流入抑制策を進めていく。
 また、下京区の元安寧小学校跡地と元植柳小学校跡地を文化庁誘致の対象用地としてうちだしたことに、地元からは「頭越しだ」と強い批判がおこっています。学校跡地について、地元の皆さんが、学区の日常行事と一体に活用されてきた経過を踏まえるなら「頭越し」のやり方に批判が出るのは当然です。市長の市政運営の基本に住民の納得と合意の視点がないことが問われたと考えます。真の文化の発展を思うなら「市民の声を聞く」のが基本です。声を聞くというなら、学校跡地を「文化庁誘致」の対象用地とする方針を一旦撤回すべきです。市長いかがですか。
(総合企画局長)文化庁等の京都移転は、東京一極集中の是正を目指す地方創生の重要施策の一つ。提案に際して、京都駅近辺の土地として、元小学校の跡地等をあくまで候補地の例として示した。今後、移転が正式に決定すれば、候補地に関係する方々の御意見もしっかりと伺いながら検討を行っていく。
下京西部活性化予算について

 下京西部の活性化予算について伺います。
 新たな産業用地を公有地、民間用地を活用して捻出する方針です。昨年、「都市再生緊急整備地域」が拡大され下京区、南区内の162ヘクタールにも及ぶ地域が指定されまた。指定エリアでは「都市再生特別地区」を設定することができ、開発業者に、都市計画の決定や変更を提案できる権限が生まれます。具体的には用途規制や容積率、高さ制限、日影規制など、従来の都市計画で設けた規制がとりはらわれ、開発計画を提案することができます。営利目的が主となる民間企業の計画を「公共」の事業としてまちづくりをすすめるなら、住民不在が生じることは明らかです。
 開発業者の提案をうけた自治体は6カ月以内に計画決定などを求められ、事業に必要な認可などは、関係行政に3カ月以内に決定させるとしています。住民合意がつくされるどころか、なおざりの可能性が高くなり、住環境悪化や住民追い出しにつながりかねません。
 昨年10月の決算特別委員会でこの問題をとりあげた我党議員の質問に副市長は「地域指定を活用していこうとする取り組み、相談が大変数多く寄せられている」「紹介できないのが残念」として計画は伏せられたまま検討がすすんでいます。 
 指定エリアではまちこわしがすすむと指摘すると「第三者による厳格な審査のもとに都市計画が決まっているので新景観政策に踏襲された開発になる」との答弁でしたが、その範疇なら都市再生緊急整備地域指定の必要性はありません。指定のエリア内には8400人の市民が生活しています。住環境には十分配慮してとの文言をあえて入れなければならない都市再生緊急整備地域の手法です。フリーハンドの開発地域の指定だけを先行させ、その後開発業者から計画をもちこまれても、当事者との間だけで検討がすすめられ、住民にはその内容をまったく知らされないでは、地方創生にある「企業の活動しやすい」ことを優先させた基盤整備であって、住み続けたい、中小企業の活動を続けたいと願う市民の思いに背く住民犠牲の手法でしかないと考えますが、市長いかがですか。
(市長)京都駅西部地域は、鉄道博物館の開業、JR新駅の開設の予定もあり、交通利便性も飛躍的に向上することから、今年度、都市再生緊急整備地域に申請した。地元の商店街や自治組織からは、反対の声は全く聞いていない。都市再生緊急整備地域の拡大により、新産業の創出につながる市内の中小企業が活躍できる環境整備や、中央卸売市場を活かした新たな商業機能の誘致を進めるとともに、エリアマネジメントによる地域の活性化の取組も進めていく。現在、地域指定を積極的に活用していこうとする相談が寄せられている。従来の都市計画で設けた規制を事業者が取り払うとの指摘は全く誤った見解。            
戦争法・安保法制に反対し、憲法擁護の市政を

 地方自治と憲法、安保法制・戦争法について伺います。国会野党5党は共同して安保法制廃止法案を衆議院に提出しました。憲法違反の戦争法と立憲主義の回復が論議されます。これまでも市長に憲法をめぐる動きや安保法制戦争法に対する認識をお聞きしてきましたが、本会議では市長の答弁はなく、副市長が「憲法9条に関しては、国民全体で議 論が深められるもの」と答弁、安保法制・戦争法については「従来の政府見解における憲法解釈の基本的な論理の枠内で行ったものと」との答弁がありました。
 安保法制・戦争法については、ほとんどの憲法学者の方が憲法違反と主張されています。そしてこのままでは、安保法制が3月29日から施行され、海外での武器使用が可能になります。政府は南スーダンへの自衛隊派兵を行っていますが、自衛隊の任務拡大の取組みをすすめています。現地の状況について国会で論議がされましたが、国連は、停戦合意があっても戦闘が続いていること、安全なところはごくわずかであるとの報告書を出しています。武装した住民など様々な集団がいりまじり、武装勢力といっても判断がつかない危険な状態にあることが質疑の中で示されました。施行を目前にしたこの1月、地下鉄車両に自衛官候補生募集のチラシ1800枚がつりさげられました。資料取り寄せのはがきもつけられているものでした。安保法制・戦争法のもとで、南スーダンなどへの派兵が行われるなら、自衛隊員が殺す殺されることに巻き込まれ、チラシを通じて入隊をした京都の若者が危険な事態に巻き込まれかねないことは予想できることです。市長として憲法違反の戦争法・安保法制を許さず、若者を巻き込まない決意と見識を示すべきではないでしょうか。
 憲法も重大事態です。安倍首相は来るべき参議院選挙で憲法9条を変えることを争点にするとしています。首相の言う自民党の改憲草案には、基本的人権は侵すことのできない永久の権利を明記した憲法97条がなくなり、緊急事態条項を設け、法律と同じ権限をもつ政令の制定、自治体の長への指示、国民の基本的人権の制限などが明記されています。安倍首相は「憲法学者の7割が自衛隊の存在自体に違憲の恐れがあると判断している。違憲の疑いを持つ状況をなくすべきという考え方もある」と、憲法9条2項を変える改憲論を展開しています。こうした安倍首相の改憲論と緊急事態条項について市長はどのような見解をおもちですか。
 市長は昨年の市長総括質疑で、改憲団体である「美しい日本の憲法をつくる京都府民の会」総会に祝電を送ったことについて。市長には憲法遵守義務があるとしたうえで「私は憲法についてしっかりと議論することはいいことだということで祝電をうっております。」と答弁されました。市長自身が改憲の立場に立つのか、日本国憲法を守る立場に立つのか、どの立場で改憲論議は良いとしているのか、はっきり述べるべきではないでしょうか。市長の見解を伺います。以上で第一質問を終わります。
(塚本副市長)平和安全法制は、国権の最高機関である国会において議論し、結論を出されたもの。憲法問題は、国家、国民の基本に関わる事項であり、国民全体で議論が深められるべきもの。
日本国憲法における平和の理念は、変わらざる人類普遍の理念であり、基本的人権の尊重、主権在民と共に、遵守されるべき基本的な理念、原則である。
第二質問

 後期実施計画について、市長は「市民生活に極力影響をかけない」と答弁されたが、今市民の生活実態は、「賃金は上がらず、増税、負担増、物価上昇」の4重苦です。市長の答弁には、市民生活のこの実態をふまえ、改善の視点を見出すことはできませんでした。トップクラスを強調されますが、今問われているのは、厳しい市民生活の実態が現場でどう改善されているか、ここにしっかり向き合う市政運営ではないでしょうか。
 有効求人倍率が伸びているというが、非正規雇用が増えていますから、雇用をめぐる本質はますます矛盾を拡大しています。都市再生緊急整備地域には、フリーハンドで開発ができる手法がありますが、なぜその手法が必要なのか。今の都市計画の制限をわざわざはずす手法をここに採用する必要は全くないと指摘しましたが、答弁はありませんでした。
 また、憲法問題では、平和の理念、基本的人権、主権在民の理念が遵守されるべきとの答弁があったが、3月29日に違憲の戦争法が施行されようとしている今こそ、市長は憲法擁護の発信をすべきではないか。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

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