2014年度公営企業特別会計決算に対する反対討論 - 市会報告

2014年度公営企業特別会計決算に対する反対討論

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終了本会議討論
河合ようこ議員
 日本共産党議員団は、報第19号平成26年度水道事業特別会計、報第20号公共下水道事業特別会計、報第21号自動車運送事業特別会計、報第22号高速鉄道事業特別会計の決算について「認定しない」との態度を表明していますので、私は議員団を代表しその理由について討論いたします。

 4つの特別会計決算は、いずれも消費税8%への増税分をそのまま料金や使用料に転嫁して市民生活、京都経済に多大な負担を押し付けたものであり、認定できない第一の理由です。以下、各事業について述べます。
 まず、水道事業と公共下水道事業についてです。
 水道、下水道では、一昨年10月に料金改定が行われ、水道料金は9.6%値上げされました。決算年度はこの料金改定が平年化され、この上に4月から3%もの消費税が上乗せされ、市民にとっては半年の間に二回の負担増となりました。
 消費税の値上げについて京都市は、公営企業に対しては「料金に転嫁すべきない」と求めることなく市民への負担を押し付けました。審議でも当局は、「消費税は国の議論。法令に従って実施した」と消費税増税に無批判で、中小業者や年金生活の世帯などの厳しい暮らしの実態を示し、市民生活への影響について問いましたが、「景気は上向いている」「水に関するアンケートで聞いている」と、料金が上がったことによる市民の暮らしへの影響についての受け止めは弱く、くらしに心を寄せ実態を把握する姿勢すらありませんでした。問題です。市民の実態をつかみ、市民の負担を軽減すべきです。
 また、水道料金を滞納している世帯に対し、「生活に困窮されている可能性があるのではないか」という視点で、対応を改善するよう求めましたが、「丁寧に対応している」「これからもあたたかく」という言葉を繰り返しながら、負担軽減のための上下水道料金の福祉減免制度の創設には相変わらず消極的であり、料金滞納者を「常習犯」と決めつける発言までありました。市民のいのちをつなぐ水の供給に携わっている担当局が「いのちを守る」ためにさらに何ができるか、他の部局とも連携を深め対策を講じる立場に立つようを求めます。
 ライフラインである水道水の安定的な供給が求められる中、この間の相次ぐ水道管事故が問題となりました。西京区の洛西ニュータウンや右京区山ノ内での漏水事故は配水管の老朽化が原因とされています。事故が起こった周辺の住民はもとより市民の不安は大きくなっています。老朽管の早期更新が求められていますが、問題となるのは財源です。水道管の耐震化、水の安定供給に国や自治体が責任を持つべきです。市民負担を増やすことなく老朽管の更新や鉛製給水管の取替え等のとりくみをさらに推進するために、国における老朽管更新への補助制度対象の拡充と鉛製給水管の取替への補助制度の創設が欠かせません。さらに国への要請を強めていくことを求めます。

 次に、自動車運送事業、高速鉄道事業についてです。
市バス財政では一日あたり1万5000人の乗客増で運送収益が7億円の増収、経常損益の24億円の黒字の決算となり、地下鉄財政は運送収益が5億円増収となり赤字は9億円に縮小されました。どちらも乗客が増えたこともありますが、運賃の改定による乗客の負担増、また民間委託、職員削減や民間委託、若年嘱託制度による給与削減など職員や市民へのしわよせの結果でもあります。
 昨年4月から3%もの消費税増税で、市バスでは180円以上の運賃は10円、最高運賃は20円も値上げされ、均一料金230円は日本一高い運賃です。地下鉄運賃についても、1区は据え置かれたものの、2区以上は値上げとなり、こちらもまた日本一高い運賃です。市民や観光客の移動の際の負担が大きくなりました。
 また、わが党は市バスの管理の受委託をやめるように求めていますが、管理の受委託が継続されており、委託先での労働者の人件費削減や労働条件については「委託先の労働条件には関与できない」との答弁されているように、乗客の安全に責任を負っている職員の処遇に責任が持てない状況は問題です。
 同時に、市バス運転手は非正規期間を経て正規採用とされる若年嘱託制度が継続されています。今年9月から非正規期間が3年間に短縮されたものの不安定な身分に置くことは問題であり、同じ運転業務であるにもかかわらず、平成12年以前の採用者より低賃金にするなど給与の格差をつけるべきではありません。若年嘱託制度はやめるよう求めます。
 加えて、問題なのは市バスが運行されていない地域等への対策が不十分なことです。当局は、生活支援路線補助金4億6200万円を全額返上した上でも黒字だということが強調されています。しかし、これでいいのでしょうか。今回の決算審議でも予算審議でも、様々な市民から「市バスに乗りたくても路線がない」「1時間に1本も走っていない。便数を増やしてほしい」「上屋やベンチを設置して欲しい」という要望がたくさん出されていることや市民団体が独自でバス運行されている事例があるなど、とりわけ市内周辺部ではバスの利便性向上を求める声が強いことが会派を超えて議論されてきました。交通不便地域についての考え方について明確な答弁がされませんでしたが、京都市は「歩くまち・京都」で公共交通優先のまちを実現しようとしているのですから、公共交通を利用したくても利用できない市民がまだたくさんおられる実態をしっかりと見て、路線拡充やバス待ち環境の整備に積極的に取組むことが求められています。生活支援路線補助金返上で胸を張るより、市民の要望に応え「市民の暮らしに欠かせない生活の足」としての公営交通の役割を発揮すべきです。
 導入時に大変な議論があったドライブレコーダーは、走行環境の改善が主要な目的とされて全市バスに設置されたにもかかわらず、バスの運行を阻害する路上駐車や危険な追い越しなどへの対策のために運用されたことは一度もないというが明らかになりました。また同機器の使用をめぐってはプライバシー保護を侵す重大な事件が発生しました。あってはならないことであり、運用にあたって万全を期すように求めるものです。
 次に、地下鉄についてです。
 地下鉄では、烏丸線の烏丸御池駅に可動式ホーム柵が設置されました。今年度四条駅も10月から稼動、京都駅での整備も進み乗客の安全対策が進められていますが、乗客の安全のために可動式ホーム柵の設置は障害者団体等をはじめ多くの利用者の要望であり、烏丸線全駅での早期の設置が求められています。
 今後の設置計画について担当者は「健全化以降の課題」と言われましたが、事業を進める上での大きなネックとなっている国の補助制度改善について引き続き強い要請を行い烏丸線の全駅ホームへの可動式ホーム柵設置をすすめること、また、今後求められる烏丸線の施設更新に対する国の財政負担の要請を改めて求めるものです。
 一方で、地下鉄駅務の民間委託は経費削減が優先されており、委託先の職員は1年契約とされるなど不安定な雇用であることは問題です。乗客の安全に責任を負うにふさわしい処遇に改善すべきです。
 最後に、水道・下水道事業も市バス・地下鉄の事業も公営企業だからこそ担える重要な役割があります。赤字か黒字かという採算性、効率性優先でなく、「公共の福祉の増進」という視点で市民のいのちを守り、くらしを豊かにする事業をすすめられるよう求めまして、私の討論といたします。

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