2014年度一般会計決算等に対する反対討論 - 市会報告

2014年度一般会計決算等に対する反対討論

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終了本会議討論
玉本なるみ議員
 日本共産党市会議員団は報第2号一般会計決算、報第4号国民健康保険事業特別会計、報第5号介護保険事業特別会計について、認定しないとの態度を表明していますので、その理由を述べ討論します。
 平成26年度は、京都市の成長戦略として位置付けられた「京プラン」を推進したとされていますが、その推進が市民の暮らしや生業にいかに影響したかが問われます。

 その問題点はまず第1に、市民の暮らしや営業を全国最低クラスに追いやったことです。本市の事業所の減少率は政令市ワースト2位となり、非正規雇用率は政令市ワースト1位です。合計特殊出生率も政令市ワースト2位という状況にあります。これらの事実に対して「数値にはいろいろな見方がある」と市長は答弁し、実態と向き合う態度を示しませんでした。京都市立病院の院内保育所・青いとり保育園は、病院で働く職員の労働と子ども達の発達を保障してきました。当初より、京都市の保育プール制に則っての賃金が保障されていました。それが、民間事業所による委託化が繰り返される中で、給与も月額16万円と引き下げられ、保育士の方の雇用の継続が断たれました。市長の足元から給与保障が崩れ、非正規雇用化が進んでいるではありませんか。福祉の心を投げ捨て、京プランで民間に丸投げし、市民サービス切り捨てを行ってきた結果ではないでしょうか。

 第2は、市民の声に聞く耳をもたず、強引な市政運営をすすめてきた点です。
 まず、学校統廃合による跡地の問題です。これまで、学校の跡地は地域の財産として、医療や福祉など地域に密着した施設づくりや地域行事の拠点、防災上の避難所などとして活用されてきました。ところが、2011年に市は「跡地活用審議会」の解散や跡地の民間活用を認め、「京都市資産有効活用基本方針」で学校跡地は売却可能な未活用「資産」にリストアップされました。市民の公的財産である学校跡地を商業資本の利潤獲得の手段として活用するという大転換を行ったわけです。そして、2014年には「京都市公共施設マネジメント基本方針」を受けて、統廃合後の学校跡地の民間の儲けのための具体化が開始されました。すでに、元清水小学校の跡地についてはホテルまたはブライダルという事業条件のもとで業者の選定作業が進められています。そして、こうした事態はほとんどの市民に知らされず進められてきました。市民の財産を差し出すもので問題です。
 四条通りの歩道拡幅工事については、我が党議員団は車の流入規制なしに実施すべきではないと提案してきました。市民の声を聞かず、強行に進めてきたことが、今回の混乱の大きな要因であります。

 第3に、社会保障を削り、市民生活を壊してきたことです。
 市長は8年間で700億円の福祉予算を増やしてきたと言われますが、国からの補助金や交付金を含めた額であり、京都市独自の予算ではありません。少子高齢化が進む中、さらなる積極的対策が必要であり、予算確保は当然です。子どもの医療費助成制度の拡充では、京都府内では、京都市以外はすべて市町村として上乗せを行い、通院も多くの自治体で中学校卒業までほぼ無料にしています。京都市は最も遅れた状況になっています。
 敬老乗車証の見直しにおいては、一回乗る毎に100円程度の応益負担の導入をするという計画は、利用制限を招きます。高齢者の社会参加を促進し、移動する権利を保障することになじまないことは明らかです。
 2014年度末で廃止となった市立身体障碍者リハビリテーションセンター病院の廃止も、継続を求める関係者や患者の声を聞かず、強引に進めました。
市内のわずか25ヶ園の公立保育園を4ヶ園も民間移管し、さらに引き続き移管を進めようとしています。「公立のまま残してほしい」いう保護者の切実な声に耳を傾けず、公立だからこそ、途中入所の受け入れや障害のある子どもの受け入れを率先して行ってきたにもかかわらず、民間移管を次々と進めることは、公的責任の放棄です。
 保育・学童の待機児童ゼロについての発表は、あくまでも国の定義に合わせてのゼロであり、必要とされている方が保育園に入園できないことは他党の議員からも指摘されたところです。保育園の入所を希望している方に幼稚園の預かり保育を斡旋され、断れば、待機児童対象からはずすという定義そのものも問題であり、不足している保育園の増設を積極的にすすめるべきです。学童保育についても、学童毎の申し込みになっているため、申し込みの手控えが起こっている状況はつかんでおられません。すし詰め状態の学童保育環境を早急に解決し、すべての学区に学童保育を設置することが求められます。
 国の制度の改悪が目立つ社会福祉分野では、生活保護の生活扶助、住宅扶助の引下げや後に述べる介護保険制度の問題において、国の制度の改悪に無批判であり、市独自の制度も不十分であります。国に対して、市長からはっきりと改善を求めるべきです。
 国民健康保険については、保険料は、2015年度は2.5%引き下げましたが、決算年度の2014年度は累積収支でも14億円まで黒字になっていたにも関わらず、保険料率は据え置きに留めました。質疑の中で、保険料について、「高みの限界にきている」、多子多家族の保険料の均等割についても、負担が多くなることについて「承知している」という認識は示されましたが、市民の切実な願いである高い保険料を引き下げてほしいという願いに応えるものではありませんでした。しかも、滞納者による容赦ない財産の差し押さえは2007年528件だったものが、門川市長になってから顕著に増え、2014年度は2491件と4.7倍となっています。国保制度について、助けあいの制度として呼びかけているという認識を示されたことも大問題です。そもそも国保制度は、国や自治体が社会保障として、その運営に責任を持つことが求められるものであり、市民の助け合いに責任を転嫁するようなことは、あってはなりません。高額療養費の限度額認定証の発行についても、京都市は滞納額の2分の1を条件と固執していますが、施行令では保険料の納付できない事情があれば、認定するとしています。早急に施行令を尊重し、対応すべきです。
 介護保険については、特別養護老人ホームの待機者が5722人という状況の中で、整備目標が少なすぎると指摘しましたが、老人保健施設やグループホーム、有料老人ホームなどの整備が進んでいると答弁されました。利用料が高い施設を選択せざるを得ない市民の特養ホームへの入所をないがしろにするものです。介護保険の利用料負担については今年の8月からすでに合計所得160万円の方は2割負担と引き上げられ、負担の重さから利用の手控えが起こっています。一部の負担能力がある方だという認識を示されましたが、高齢者の厳しい実態をわかっていない答弁です。しかも、財務省はさらに一部にとどまらず、すべてを2割にすることを提案しました。甘い認識を改め、国に対して市民の負担を増大する見直しはしないよう強く要請すべきです。
 2017年4月から京都市が実施主体となって行う地域支援事業については、あくまでも、要支援の方の現行のサービスが後退することがあってはならないとの立場に立つべきと求めてきましたが、「専門家によって、必要な人に適切なサービスが受けられるようにする」という答弁でした。ホームヘルパーの代わりに、わずかな研修で家事援助を行う無資格者を導入するしくみは問題があり、適切や必要ということへの見解は今後も検証していく必要があると考えています。

 第4に、ムダ遣いの問題及び、市民の切実な声や要望に応えるべきことについて述べます。
 まず、リニア中央新幹線建設は、自然と生活環境破壊を引き起こし、過大な需要予測による採算性が懸念されます。さらに省エネ・電力節電を強調しながら大量の電力消費が必要となり、時間距離の短縮がされても東京一極集中がさらに加速するなど、様々な矛盾と弊害を生み出しかねないものです。リニア誘致推進はただちにやめるべきです。
 有料化財源を活用して、南部クリーンセンター第2工場に、環境学習施設として、2億5千万円もの費用をかけ、展望台施設を建設しようとしていますが、環境学習施設と展望台の関連性はなく、ムダ遣いです。有料指定袋販売代金は、毎年13億円の利益収入があるのですから、市民の厳しい暮らしを応援する立場で、「ごみ袋代金を値下げてほしい」という市民の声に応えるべきです。バイオガス化施設計画については、京都市が計画予定する同じタイプの施設において、分別処理を徹底しない段階での生ごみ選別装置による事故などのトラブルが頻繁に起きていることを指摘しましたが、構造的欠陥でなく、「大丈夫だ」と説明されても説得力はありません。クリーンセンター施設建設の際にバイオガス化施設を併設すれば、国の交付金が1/3から1/2へとかさ上げされることを口実にしていますが、まさに事故続きで契約解除に追い込まれた焼却灰溶融炉施設の二の舞になりかねません。
 「廃止の方向」と公約した高速道路未着工3路線については、1年半以上も結論を出さず放置しているのは問題です。

 第5に、安倍政権と一体で、京都のまち壊しをすすめてきたことについてです。これまでから、岡崎地域などの地区計画で、京都の優れた景観を守る「新景観政策」に自ら穴をあけてきました。さらに「都市計画見直し案」では建物の高さ20mから最大31mに緩和するなど新たな規制緩和をすすめ、京都駅周辺で「都市再生緊急整備地域」の拡大について、国から承認されました。これはまちづくりの権限などを民間に開放し、大型商業施設・ホテル等を呼び込んで、新たな京都破壊を進めるもので問題です。また、下鴨神社のマンション・大型倉庫建設計画を容認し、二条城で駐車場確保のための樹木の伐採を計画するなど、世界遺産の景観保全においても後退させています。屋外広告物についても、強引な指導により、営業不振となり倒産まで追い込まれた商店もありました。
 以上、この様な問題点を持った決算は認定することはできません。

 最後に、今議会は市長の2期目最後の決算議会となります。選挙で選出された政治家としての市長の政治姿勢が問われることについて、述べます。強行採決された安保法制は、国民的大事態であり、市民にとっても無関係ではありません。その安保法制について、わが党議員が、法の違憲性についての認識を質したところ、市長は「国政の対立を地方議会に持ち込み、白黒つけようとしているのはどうか」とまともに答弁せず、しかも自ら、改憲団体に憲法の議論は大事だとして、祝電まで打っていました。改憲をすすめる団体を激励することは、重大な問題です。自治体の首長として、最も憲法を尊守しなければならない立場であり、国に安保法制が違憲であることをはっきりとものをいう姿勢が求められることを申し上げて討論とします。

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