「京都市ごみ屋敷条例に対する修正案」の提案説明 - 市会報告

「京都市ごみ屋敷条例に対する修正案」の提案説明

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終了本会議討論
玉本なるみ議員
 日本共産党市会議員団は、議第256号京都市不良な生活環境を解消するための支援及び措置に関する条例の制定について、一部修正案を提案していますので、代表して説明をいたします。
 今回の条例の制定にあたっては、生活環境を悪化させている方々への支援をおこなっておられる団体や、個人の方々から、多くのご意見が寄せられました。
 そのご意見の中心は、生活環境が悪化する原因には老化や疾病、障害、貧困などの様々な課題があり、共通するのは社会的孤立が背景にあるということです。実際の支援の現場では、当事者の方々とまずお話しをするのに、何年もかかる場合もあり、少しずつ信頼を得る中で、堆積したゴミの処分を納得してもらうという丁寧な対応されています。本人の承諾を得ないまま、家の中に立ち入ることや、勝手に堆積物を処分するようなことを行うと、時間をかければ解決できるものを余計にこじらせることになります。そういった苦労をしながら、支援をされている方々の多くは、京都市が行政として、この問題に向き合い、条例を作ることに対しては歓迎されています。
 ただし、人の支援が中心としながらも、条例には強制的な措置を想定した条項が細かく整備されており、強引に進められるのではないかと懸念されています。今回、日々要支援者と向き合い、その解決に向けて取り組まれている関係者の皆さんからいただいた意見を元に修正案を策定しました。
 以下、主な修正内容の趣旨に沿って、説明します。
まず、目的や基本方針第4項にある「要支援者が不良な生活環境を生じさせた背景に地域社会における要支援者の孤立その他の生活上の諸課題があることを踏まえ、これらの解決に資するように行うこと」を最大限尊重した上で、支援には時間がかかることを十分に認識する必要があり、基本方針第3項の早期に解決させようとする方針を削除しました。さらに、当事者の孤立を深めることになる第12条及び16条の氏名の公表や第19条ないし21条の過料という制裁の条文を削除しました。要支援者の人権に十分な配慮を行うことが求められます。
 次に、緊急な安全措置や勧告、命令、行政代執行などの措置を行う場合において、精神科医や弁護士、社会福祉士などの専門家の意見を聴取する必要があると考え、第4章第13条に生活環境保全審議会を設置しました。教育福祉委員会での審議の中で、専門家の意見聴取の必要性は確認されたと思います。しかし、専門家アドバイザーの意見を担当者がそれぞれに聴いて判断することと、審議会の場で、専門家がそれぞれの立場で、意見を出し合い審議することは違うと考えます。要支援者や住民にとっての最良の解決策をあらゆる角度から、経験と英知を集め審議することが必要ではないでしょうか。しかも、事例が積み上げられ、具体的な対応がパターン化されれば、当てはまる事例の対応について、意見聴取をおこなわないとしています。少し似たようなパターンはあったとしても、要支援者の生い立ちや背景はすべて違います。すべての事案について、個別にそれぞれの判断が必要と考えます。
 次に住民組織との関係です。住民の中には解決に向けて、協力をしてくださる方はおられます。また、民生児童委員さんや老人福祉員さん等はご協力をしていただいています。しかし、自治組織は自由な意志で結成されている任意の団体であり、責務として義務付けられることは問題があります。義務ではなく、自主的にご協力をいただけることこそ、その後、要支援者が地域での人間関係を構築していく上で役立つと考えます。したがって、第6条の住民組織の責務は削除しました。また、第5条の市民の責務も削除しています。
 次に、要支援者の費用負担についてですが、原案には、自己負担を免除する規定はありますが、認知症や病気などの原因などによる場合という説明であり、貧困からくる生活環境の悪化は対象としていません。原因の中には貧困も根深くあると考えます。したがって、経済的理由により費用を負担できない場合も免除の対象として明記しました。
 加えて、実際に丁寧な支援をすすめようとすると、窓口の区役所・支所対策事務局のコアメンバーとなる福祉事務所や保健センター、区役所地域力推進室、消防署、配置されている区の地域あんしん支援員の体制の保障が必要だと考えます。丁寧な対応を行うと説明している点からも、現在のままの体制では、要支援者に寄り添うことは困難ではないでしょうか。人の支援を行うのは人です。体制補充が必要です。さらに、試行実施されている地域あんしん支援員さんは、福祉職です。あくまでも、要支援者の立場に寄り添う立場を明確にして、その役割が果たせるように位置付けることが必要です。
 以上、同僚議員の皆様へのご賛同を求め、修正提案といたします。

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