「集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める」請願の不採択に対する反対討論 - 市会報告

「集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める」請願の不採択に対する反対討論

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本会議討論
くらた共子 議員

 日本共産党議員団は、「集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を求める」請願11件を採択すべきとの態度を表明しております。私は議員団を代表し、自民党、民主・都みらい、公明党、京都党の請願不採択に対する反対の討論を行います。今回提出された11件の請願は、国に対して道理のない「閣議決定」の撤回と、「閣議決定」を具体化し、「海外で戦争する国」をめざす立法措置の中止、憲法9条の原則を守り生かすことを求めています。請願の付託を受けた経済総務委員会で、自民党、民主・都みらい、公明党、京都党の各会派は、この請願の不採択を主張しましたが、なぜ採択できないのか、なぜ不採択とするのか一言の説明もありませんでした。

 閣議決定の中身の問題について述べます。第一に、安倍政権による集団的自衛権行使容認を柱とした「閣議決定」は憲法に違反する解釈改憲であります。「閣議決定」は、「憲法9条のもとでは海外での武力行使は許されない」という従来の政府見解を180度転換し、「海外で戦争する国」への道を開くものです。こうした憲法の改定に等しい大転換を、与党の密室協議を通じて、一片の「閣議決定」で強行するなどというのは、立憲主義を根底から否定するものであり、憲法9条を破壊する歴史的暴挙と言わざるを得ません。第二に、「閣議決定」は、「海外で戦争する国」づくりを、2つの道で推し進めるものとなっています。その一つは、「国際社会の平和と安定への一層の貢献」という名目で、アフガニスタン報復戦争やイラク侵略戦争のような戦争を米国が引き起こしたさいに、従来の海外派兵法に明記されていた「武力行使をしてはならない」、「戦闘地域にいってはならない」という歯止めを外し、自衛隊を戦地に派兵するということです。「閣議決定」は、自衛隊が活動する地域を「後方地域」「非戦闘地域」に限定するという従来の枠組みを廃止し、これまで「戦闘地域」とされてきた場所であっても、支援活動ができるとしています。「戦闘地域」での活動は、当然、相手からの攻撃に自衛隊をさらすことになります。攻撃されれば、応戦し、武力行使を行うことになります。それが何をもたらすかは、アフガン戦争に集団的自衛権を行使して参戦したNATO諸国が、おびただしい犠牲者を出したことに示されています。二つには、「憲法9条の下で許容される自衛の措置」という名目で、集団的自衛権行使を公然と容認していることです。「閣議決定」は、「自衛の措置としての『武力の行使』の『新3要件』」なるものを示し、日本に対する武力攻撃がなくても、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」には、武力の行使=集団的自衛権の行使ができるとしています。 これについて「閣議決定」は、「従来の政府見解における基本的な論理の枠内で導いた論理的帰結」としていますが詭弁以外のなにものでもありません。政府の第9条に関するこれまでのすべての見解は、「海外での武力行使は許されない」ことを土台として構築されてきました。政府は今回の決定について、今回の集団的自衛権行使容認は、あくまで「限定的」なものにすぎないとしていますが、これも誤魔化しであります。「明白な危険」があるか否かを判断するのは、時の政権です。「限定的」といいますが、時の政権の一存で、海外での武力行使がどこまでも広がる危険性があります。また、「必要最小限の実力の行使」といいますが、いったん海外での武力の行使に踏み切れば、相手からの反撃を招き、際限のない戦争の泥沼に陥ることは避けられません。集団的自衛権にはことの性格上、「必要最小限」などということはありえないのであります。さらに、政府は、集団安全保障においても、「新3要件」を満たすならば、憲法上「武力の行使」は許容されるとしています。集団的自衛権を名目とした武力行使も、集団安全保障を名目にした武力行使も、ともに許容されるとなれば、憲法9条が禁止するものは何もなくなってしまいます。それは、戦争の放棄、戦力不保持、交戦権否認をうたった憲法9条を幾重にも踏みにじり、それを事実上削除するに等しい暴挙であります。こうした無制限な海外での武力行使を、「自衛の措置」の名で推し進めることは、かつての日本軍国主義の侵略戦争が「自存自衛」の名で進められたことを想起させるものであり、およそ認められるものではありません。

 以上のように、今回の「閣議決定」は、「論理的な追求」とは無縁のものであり、政府が過去の「閣議決定」で自ら厳しく戒めていた「便宜的、意図的」な解釈変更そのものであります。もともと「集団的自衛権行使は、憲法上許されない」とする政府見解は、ある日突然、政府が表明したというものでなく、半世紀を超える長きにわたる国会での議論の積み重ねをつうじて、定着・確定してきたものであります。それを、国民多数の批判に耳を傾けることもなく、国会でのまともな議論もおこなわず、与党だけの密室協議で、一片の閣議決定によって覆すというのは、憲法破壊の暴挙であり撤回すべきであります。この間の世論調査の結果にも示されているように、「集団的自衛権行使」に対して、反対の声が多数であります。民意に背き歴史を逆流させる亡国の政治を進めてはなりません。今こそ真摯に市民の声を受け止め、請願を採択し、国に対して閣議決定の撤回を求めるべきであることを指摘し私の討論といたします。


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