原発再稼働に関する意見書についての討論 - 市会報告

原発再稼働に関する意見書についての討論

閉会本会議討論
 日本共産党市会議員団は、わが党提案の「原発再稼働を行わず、原発ゼロを目標としたエネルギー基本計画策定を求める意見書」案に賛成し、民主・都みらい提案の「脱原発依存社会の実現をもとめる意見書」案には反対を表明しておりますので、その理由を述べます。
 東京電力福島第一原発事故から3年がたちます。原発事故は収束するどころか、大量の放射能汚染水の流出など非常事態が続いております。
 その東京電力福島第一原発事故からさかのぼること数年前、すでに福島第一原発の地震・津波対策ができていないことは国会でも問題となっておりました。ところが、当時の第一次安倍内閣は、この指摘を謙虚にうけとめず、安全神話にどっぷりつかった対応に終始し、これを民主党政権がただすことなく引き継いだのであります。政府が危険性を認め、福島第一原発からの撤退を決めておれば、そもそもこのような被害を防げたのではないかと思うと、悔しくてなりません。同じ失敗を繰り返してはなりません。
 ところが、その安倍政権は、政権に返り咲くや、自らの所業を反省するどころか、「エネルギー基本計画」で原発を「重要なベースロード電源」とするなど、原発を将来にわたって存続させる立場を明確にし、原発の再稼働に突き進もうとしているのです。脱原発をもとめる国民の声や、原発に依存しないエネルギー政策をかかげる本市のエネルギー戦略からも逆行する内容であり、断じて認められません。
 しかも、国が原発再稼働の条件とする「新規制基準」について、原子力規制委員長は「原発事故は一定程度起こり得る」と国会で答弁しており、安全な原発はないのであります。国自身が、原発による過酷事故を想定しながら、自ら定めた指針に基づく事故の際の住民の避難計画すらも確立する見通しがたたない状況下で、原発再稼働にすすむ動きはゆゆしき事態であります。
 私どもが原発再稼働に反対いたしますと、原発推進勢力からは「対案がなきスローガン」との批判が行われます。しかし、そうした皆さんに問いたい。安全性の担保もないものを動かし、再び取り返しのつかない過酷事故を起こした時にいかなる言い訳をされるつもりでしょうか。「想定外」とまたもや狼狽されるのでしょうか。福島では、今なお13万6千人が避難生活を強いられ、心労で命を落とす震災関連死があいついでいます。その数は3月3日現在で1664人であり、福島での実態は原発事故関連死そのものです。原発が爆発し、いきなり避難しろと言われてから8カ月で7回も引越しを重ねる中で衰弱し84歳のお年寄りが息を引き取る、64歳の有機栽培を営む男性が原発事故によるキャベツ出荷停止の連絡のあった翌日に自殺をする、放射能は直接人を殺すだけではなく、間接的にもたくさんの人の命を奪うのです。
 一方、この3年間の事実上の原発ゼロ状態が大きなバネとなって、生産現場や家庭での省エネは一挙に進み、わずか1年半の間で原発5基に相当する再生可能エネルギーが普及し、原発がなくても電気を安定供給する体制はますます強固になっております。
 原発を動かしたら電気代が安くなるかの議論も全くの幻想であることは明らかです。原発再稼働のために最低限に必要とされる安全対策費だけでも少なくとも1兆6千億円が必要とされ、それらすべてが我々消費者に電気料金値上げとして押し付けられようとしている事実にしっかり目を向けて下さい。メルトダウン対策をしようものなら、もっと巨額の費用が必要になるでしょう。10万年以上にわたり保管しつづけなければならない使用済み核燃料についても、これ以上増やしてどうなさるおつもりでしょうか。原発で安価で安定的な電気が供給されるなどと言う考え方こそが原発利益共同体のふりまく無責任な幻想にすぎないことを指摘しておきます。
 大飯原発、高浜原発をはじめとするすべての原発の再稼働を行わず、原発ゼロを目標としたエネルギー基本計画に改めることこそ、日本の進むべき道であり、わが党提案の意見書こそ京都議定書発効の地にふさわしいと考え、賛成するものです。
 なお、民主・都みらいから提案されている意見書では、「脱・原発依存社会」を目指すとされていますが、一言で言って当面は原発の再稼働を行った上で、ちょっとずつ原発への依存度を減らしていこうという考え方であります。現実に、原発ゼロ状態が実現している現段階においては、どう説明しようと原発依存を復活させ原発ゼロ実現を遠い将来のかなたに追いやる提案にならざるを得ません。今こそ、脱原発・脱温暖化を両立して達成する社会へ日本を変革する機会であり、この時に、原発ゼロを明確な目標に位置づけようとしないエネルギー政策の採用という後ろ向きな提案には、賛成できません。
 以上で討論を終わります。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

ページの先頭へ