山中渡議員の代表質問 - 市会報告

山中渡議員の代表質問

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本会議代表質問
山中 渡議員

 下京区から選出されています山中渡です。日本共産党京都市会議員団を代表して2014年度予算案について質問します。来年度予算は、4月からの消費税増税の影響をまともに受けることになります。安倍首相が経済の好循環をいくら言っても、京都経済を取り巻く実態経済は依然として厳しく、市民の間では消費税増税を心配する声、景気回復感など少しもないなどの声が相次いでいます。また、特定秘密保護法の成立、改憲、集団的自衛権行使の動き、自助を強制する社会保障関係法の成立、原発を基盤とするエネルギー基本計画、TPP参加促進、さらなる労働法制の緩和など、生活全般にかかわって、くらしを脅かす事態がすすむことにも不安が広がっています。市民のくらしを守るうえでこうした現状に、市長がどういう姿勢で予算編成をするかが厳しく問われます。

市長の基本姿勢について

 最初に市長の基本姿勢について伺います。
 第一は改憲と集団的自衛権行使の動きと特定秘密保護法です。憲法の遵守は市政運営の基本です。すべての市職員が採用時に憲法遵守を宣誓し仕事についています。また、秘密保護法に対して、国の隠し事が際限なく増えるとの懸念が広がっていますが、国の情報公開は地方自治体にとって重要事項です。
 この間、秘密保護法と集団的自衛権の行使を可能とする動きについて、京都市が「市民の尊敬の的と仰がれる方」として「京都市名誉市民」の称号を贈られた方々が相次いで懸念、批判の表明をされています。哲学者の梅原猛さんは地元紙で「首相は日本を戦前の体制に戻そうとしているのではないかという国民の懸念が強まっている」「日本はいつか来た道を再びたどろうとしているのではなかろうか」と強い危機感を表明され、作家の瀬戸内寂聴さんは首相が集団的自衛権の行使容認に意欲を見せていることに「日本は戦争のできる国に一途に向かっています」。また、秘密保護法に対して「若い人たちのため、残りわずかな命を反対に捧げたい」と表明され、ノーベル賞学者の益川敏英さんも憲法9条擁護とともに秘密保護法について「国の情報は公開が大前提」と反対の表明をされました。3人の京都市名誉市民の方のそれぞれの発言について市長はどのような見解をお持ちですか。
 戦後の平和主義を変質させる動きが目前でおこっている下で、市民の安全を守るべき市長の責任において「集団的自衛権の行使は認めない」との自らの意思をはっきり示すべきと考えますが、市長いかがですか。
 特定秘密保護法です。地元紙は「市民の不安を解消できなければ、同法は即座に廃止すべき」との記事を掲載しました。秘密保護法に「反対の声を上げる間もなく」決められたことへの怒り、「息苦しい社会になる」「言論、表現の自由が制約される」などの声も伝えています。原発事故、震災などの緊急事態において必要な情報が届かない事態は起こらないのか。際限なく国の情報隠しが広がることは全くないのか。市民の言論等の自由が制限されることがないのかの懸念を持ちますが市長はいかがお考えですか。

(塚本副市長)集団的自衛権、特定秘密保護法に対する名誉市民の方々の御発言は、御自身のお考えを率直に述べられたもの。
 集団的自衛権の行使については、我が国の安全保障に関わる外交上、防衛上の重要な問題であり、今日の国際社会の下で、世界の恒久平和をいかに実現するかという観点から、国において、 しっかりと議論が進められるべきもの。
 特定秘密保護法は、緊急事態時でも国民の知る権利が保障され、言論の自由が損なわれることがないよう、特定秘密の保護による安全保障と国民の基本的人権の尊重の両立が図られる必要がある。

社会保障削減について

 第二に、社会保障の削減問題です。国は生活保護受給者が過去最高となったと報告しました。昨年から今年にかけてNHKは3回の貧困の特集番組を放映し、貧困拡大の背景に、構造改革政治のもとで非正規労働者が拡大したこと、公的年金加入者の5割が年金額100万円以下であること、生活困窮がすすみ公的年金保険料の未納率が4割に達しているなど、生活できない実態の広がりがあると告発しました。ところが国は、社会保障の全分野で「自助」の強制を求め、その実行を政府の義務とする社会保障改革プログラム法を成立させました。医療、介護では、70~74歳の窓口負担増や入院給食費を保険給付から外す、介護保険では、利用料の2割負担への引き上げ、要支援者を介護サービスからはずそうとしています。年金では、今年度からの約1兆円の支給削減に続く連続的削減、支給開始年齢の引き上げ、年金課税強化等々の検討をすすめています。医療、介護、年金など国の検討する施策の実行を許すなら、市民のくらしが押しつぶされるではありませんか。その認識を市長はお持ちですか。社会保障をめぐる国の動きが市民にもたらす悪影響を具体的に把握し、その課題を明確にする作業が直ちに必要と考えますが市長いかがですか。

(保健福祉局長)社会保障制度を持続可能なものとするため、国は財源を確保した上で、「プログラム法」に基づき、少子化対策、医療及び介護、年金の各分野で改革の具体化に取り組んでいる。本市としては今後とも、医療、介護、福祉、子育て支援の現場から、積極的に提言を行うとともに、全国トップ水準の福祉の維持・向上を図っていく。

市財政と、負担増・サービス削減が家計に与える影響について

 さて、一般会計7400億円、総額1兆6400億円の2014年度当初予算が提案されました。具体的に伺います。
 第一は市財政問題です。財源不足を強調した予算になっていますが、市長も「実質的な地方交付税は三位一体改革以降大幅に削減されてきた」と認めている通り、地方財政を厳しくした大本は、国の地方交付税の削減にあります。本市では2003年度972億円あったのが2012年度では610億円と大きく減りました。国は苦肉の策として臨時財政対策債でつくろおうとしていますがそれを加えても実質大幅削減です。予算編成で財源不足を言う前に、地方財政にとって肝心の問題である国の地方交付税削減が繰り返されていることをどう認識されているのか。また増額についてどのような取り組みをしてきたのか。改善の見通しがあるか等、市民に分かりやすく説明する責任が市長にあると考えますがいかがですか。
 さらに、地方交付税交付団体である京都市では、地方消費税交付金の増額があっても基準財政需要額が変わらなければ、結果として地方交付税の削減がおこなわれるため、財政力はつかず、市民につけ回される構造は何ら変わらないと考えますが市長はこの点についてはどのように認識されていますか。
 また、予算案では国の経済政策と本市の成長戦略があいまって市税収入は大幅に増加するとしていますが、消費税増税による消費の落ち込み、消費が落ち込めば景気も落ち込むなど京都経済と本市財政に与えるマイナス影響は大きなものがあります。安倍首相の言うアベノミクス効果についても、増税前の駆け込み需要、大企業の自動車の売り上げ増、高級品の売り上げ増などによるもので、最近の世論調査でも「景気が良くなった実感はありますか」の問いに66%の人が「いいえ」と答えています。京都府中小企業団体中央会会長の年頭所感でもTPPをすすめる国に対して「我々中小企業への影響ははかりしれません」と厳く批判され、中央卸売市場第一市場の初市式でも場内団体の代表の方は「市場には景気回復感などない」「消費税が心配」とあいさつされました。市長も同席されており、お聞きになったことです。消費税増税による年間一世帯15万円もの負担増など、消費の落ち込みを懸念する試算も公表されています。市税収入が伸びるどころか消費の落ち込み、経済悪化、税収の減、財政悪化の悪循環が拡大する材料ばかりです。市長はそうした懸念を持ち合わせておられませんか。いかがですか。
 次に、新たな負担増とサービス削減が家計に与える影響についてです。
国の、消費税増税と社会保障の給付削減による負担増に加えて、27億円規模の負担増を強いる本市予算です。そこで市民の暮らしの現状に対する市長の認識について伺います。年金生活者の皆さんの目の前には、年金、医療、消費税、介護保険などどの分野をとっても負担増ばかりです。サラリーマンについても賃上げは一部大企業でささやかれているだけで、市内の中小零細企業のある経営者の方から昨年はボーナスも出せなかったという声を聞きましたが、中小企業を取り巻く状況は深刻なままです。事業所減少も止まっていません。本市の非正規率は政令市ワースト1ですが、増え続ける非正規労働者の賃金は正規労働者の6割で、ほとんどが年収200万円以下というのが実態です。こうした市民の暮らしの現状に対する市長の認識はいかがですか。また、負担増が市民の家計に与える影響について、市長はどう認識されていますか。合わせてお答えください。
 市長は「市民のくらしを守るため」に「京プラン」の実行が必要と繰り返していますが、負担増に加えて、この間だけでも市立看護短期大学の廃止、保健所の統合廃止、生活保護基準引き下げ容認と受給抑制、さらに敬老乗車証制度を応益負担に改悪する検討の継続など、関係者、市民の批判を押し切り強行してきました。そして今度はリハビリテーションセンター附属病院の廃止が提案されました。また、職員削減ありきで技術職職員が削減された結果台風18号では人災をもたらしました。消防職員まで削減する計画に不安が広がっています。区役所業務の密度が上がり、丁寧な相談や突発的事態への対応に支障が出ています。このように、「京プラン」は市民にとって大事な施設、制度の廃止、先細りの繰り返しであり、市民の安全、安心を脅かしていると考えますが市長いかがですか。

(市長)本市の臨時財政対策債を含めた地方交付税等の額は平成15年度から20年度には500億円削減され、財政運営に極めて深刻な影響を与えた。強力に要望を続けた結果、 22年度から4年連続で1000億円台を確保。今後とも、国に対し地方交付税の拡充と臨時財政対策債の廃止を強く求めていく。
 この度の消費税率引上げは、将来世代への付け回しを改め、社会保障の充実・安定化のための財源を確保するもの。景気は確実に回復傾向にあるものの、市民生活への浸透には一層の取組が必要。税率引上げによる負担増の軽減のため、60億円を超える低所得者や子育て世帯への給付を行うとともに、中小企業への支援などあらゆる政策を通じ、京都経済の活性化や雇用創出に全力をあげていく。
 京プラン「実施計画」に掲げる職員の削減は、全国トップ水準の福祉や教育の財源確保を目的とするもの。市民のいのちと暮らしを守るための防災・減災対策など必要な人員はしっかりと体制を整備している。

身体障害者リハビリテーションセンター付属病院の廃止について

 次に、京都市身体障害者リハビリテーションセンターの附属病院廃止について伺います。
 同施設には「身体障害者更生相談所」「障害者支援施設」「補装具製作施設」そして「附属病院」が設置されています。ところが今回、リハビリテーションを取り巻く状況が変わったとして附属病院廃止が提案されました。昨年の本会議では「廃止しても十分対応できる」とも答弁されていますが疑問です。医師など専門家の皆さんは、1、「診療報酬上の日数制限を超えてもリハビリが必要な人たちの受け皿機能をどの医療機関がどのように担うのか。2、地域リハビリテーションの推進や年齢障害種別を超えた一体的な施策等が病院機能をなくして確保できるのか。3、他都市の実践を見ても常識として医療を外すことは有り得ない。なぜわざわざ附属病院を廃止するのか。4、外来機能はどうするのかという問題に京都市は答えていないと指摘されています。今日に至るも、この指摘に対する市のまともな説明はないと私は考えます。それぞれの指摘ついて、市長の見解をお答えください。示せないなら提案を撤回すべきと強く求めます。

(藤田副市長)リハビリテーションセンター条例の改正案は、社会福祉審議会の答申に基づき、公民の役割分担の考え方の下、附属病院における医療の提供は廃止して民に委ねる一方、地域でのリハビリの推進や高次脳機能障害のある方への支援等を公がしっかりと担っていくもの。
 診療報酬上の日数を超えたリハビリの対応や外来機能に関しては、障害者施設等入院基本料適用の病院は市内に約1700床あり、附属病院はその内の2. 3%の40床であることなどから、民間病院で対応可能。外来診療についても、多くの民間医療機関で対応可能。病院を廃止して施策を推進できるのかという御指摘だが、社福審答申を踏まえた基本方針に基づき、引き続き専門職員を配置し、医療専門相談や福祉サービス事業者等への指導、高次脳機能障害の方への訓練等に取り組むことで、公が担うべき地域におけるリハビリの推進を図る。

敬老乗車証の見直しについて

 次に敬老乗車証の見直しです。昨年副市長は「制度は意義深いが交付率が50%台にとどまっている」そして「運営経費増大で市民の負担増につながる」ことを制度見直しの理由に上げました。交付率がさがったのは最高15000円までの負担増の制度にしたからです。見直しで「社会参加促進対策を講じる」と言っていますが、現制度は市バス、地下鉄をフリーに利用できます。同エリアを定期券で利用すれば月18000円です。一部無料制度を採用しても、後は半額負担となれば、利用者にとって負担増、利用抑制の道しかありません。これでどうして高齢者の社会参加促進がはかれるのですか。いかがですか。
 加えて、敬老乗車証を利用されている方は福祉施設や地域のボランティア活動の現役として活躍されています。個々においても、ハイキング、スポーツ、芸術など文化に触れ、買い物など地域経済にも貢献されています。ところが高齢者の皆さんの社会貢献や経済活動など制度が果たしてきた意義や役割について検討した跡がありません。高齢者の社会参加を言うなら制度のもつ意義役割をまず検証すべきではありませんか。利用者の方の多くは戦後の厳しい時代に第一線で活躍されてきた方です。敬老というなら、制度の意義役割を否定するような見直しを中止すること。敬老にふさわしい制度に充実させるべきではありませんか。いかがですか。

(藤田副市長)社福審の答申等を踏まえ、より多くの高齢者に利用いただけるよう、一定回数の乗車までは無料とし、その後は利用ごとに相応の負担をお願いする仕組みへと転換を図る。具体的な内容は、市民や交通事業者の理解はもとより、ICカード化をはじめ大きなシステム開発が必要となることから、今後、十分に時間をかけて、検討する。

税務事務の集約化について

 次に税務事務の集約化について伺います。
 市税事務所を設置して個人市民税と固定資産税の割り当て業務を一本化するとしています。今回は税の賦課業務の集約化だけを行うとしていますが、問題は市の資料でも「納税通知書発行直後など、課税業務の問い合わせ等が集中する」としているように、市民の相談など窓口対応に問題が生じることがわかっていてやろうとしていることです。個人市民税や固定資産税だけでも通知直後や確定申告時の相談件数は45023件にも及んでいます。職員と財政削減先にありきで、区役所からは税の専門家が引き上げられ、繁忙期は臨時対応ともなればどうなるか。税と福祉施策など密接に関連していますが、ワンストップサービスや相談体制の後退がおきることは明白です。市民窓口機能そのものに支障をきたすことになるではありませんか。
 また、全国の都市の中には税の徴収業務まで税務事務所で扱っている例があります。京都府では京都地方税機構をつくり、府内の自治体から移管をうけた滞納の催告通知や差し押さえ業務をおこなっています。府の税機構が設置された翌年の差し押さえ件数は9971件と設置前の2倍にも膨れ上がりました。市税事務所の設置が将来においてこうした方向を目指しているなら市民生活にいっそうの悪影響をあたえることになると考えますが、市長いかがですか。

(財政担当局長)人材育成と専門性の維持・向上を図るとともに、より一層効率的な執行体制を確立するため、集中的な処理に適した課税業務は集約し、徴収業務については、これまでと同様区役所・支所内において行うことを検討。業務集約後も、区役所・支所内に引き続き、相談等の窓口を置き、市民ニーズに合わせたサービスの向上に努めていく。

介護保険制度について

 次に介護保険制度について伺います。制度が始まって14年目です。安倍政権は今後、在宅介護支援強化、介護予防強化、総報酬の完全実施の名のもとに、さらに国の負担削減を図ろうとしています。
 認知症の人と家族の会の皆さんは、軽度認知障害の方が全国で400万人いることを上げ、早期発見、早期対応の認知症ケアの後退、利用抑制による重度化の進行、負担増、給付抑制による生活不安が拡大することを心配されています。事業者の皆さんからも介護職員処遇改善交付金の廃止、通所介護の時間区分や報酬見直しの結果「財政状況が一層厳しくなっている」「生活支援の時間削減でコミュニケーションがとれず利用者の方との信頼関係が悪化した」「低賃金が改善されず、作業密度が上がるもとで退職が増えている」との声を聞きます。こうした利用者、事業者の皆さんの不安の声や実態について市長は把握しておられますか。
 また、国が検討をすすめる保険給付の対象の縮小・在宅介護の拡大、ヘルパーの生活援助の切り捨て、利用料の値上げ、ケアプランの定額有料化等々が実行されるなら、いっそうの介護難民を生み出します。こうした検討の中止を求めるとともに根本的には介護保険制度に対する国の負担割合を直ちに引き上げるよう求めるべきです。市長いかがですか。

(保健福祉局長)介護保険制度は地域包括ケアシステムの構築と制度の持続可能性の確保が喫緊の課題。社会保障審議会で議論が重ねられ、昨年12月、制度見直しに関する意見が取りまとめられ、今後、国会で関連法案の議論が進められる。
 本市では、これまでから国に対し、低所得者の負担軽減や財源確保等を強く求めてきた。今後とも、国の動向を注視し、必要な方が適切にサービスを受けられるよう取り組んでいく。

高齢者福祉施設の拡充について

 こうしたもとで高齢者福祉施設の拡充は急務です。特別養護老人ホームの入所申請をされ、待機をされている方は5736人にものぼります。今予算でも特別養護老人ホームなど高齢者施設整備費の計上は6億6千万円にすぎません。下京区では高齢者福祉施設の設置を求める署名が取り組まれ、これまでに3500人をこえる署名が市に直接届けられ、今も活動が続けられています。昨年末、下京区のある消防団で地域の高齢化のことが話題になりました。一人の方が「私は70歳だが学区内では若手。リーダーになれと言われてやっているが限界だ」と地域の高齢化を心配されていました。また昨年、あるラジオ番組が、認知症の91歳の男性が線路内に立ち入り死亡した事故で、JR東海が同居の80歳代の妻と、それと別居している長男に、男性の安全対策をとっていなかったとして損害賠償を求め、裁判所が720万円を支払うよう命じた事例を取り上げ、高齢化社会と在宅介護のあり方の限界について問いかけていました。知り合いにも80歳の男性で認知症の妻を介護されている方、70歳代の男性で脳梗塞の妻を介護されている方がいますが、在宅での介護は大変です。「腰痛が出てきた。自分の体もぼろぼろ」とも言われていました。在宅で支える限界が見えてきます。
 高齢者福祉施設整備が可能な用地は多数存在します。下京区内だけでも高齢者施設整備が可能な国、府、市の公有地が10箇所以上存在します。法務局跡地や府女性職業訓練校跡地は都心の1等地です。現在、京都市に対して利用の意思があるかどうか照会が行われています。こうした公有地を視野に、特別養護老人ホームなど高齢者福祉施設の整備促進をはかるべきと考えますが市長いかがですか。

(保健福祉局長)特別養護老人ホーム等の整備は、事業者が自ら用地を確保することを前提として、公募により選定を行っている。第5期長寿すこやかプランで、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームの3施設の定員を3年間で約1干8百人分増やす目標を掲げており、計画期間内に整備目標数を達成していく。

生活保護制度について

 次に生活保護制度です。
 一昨年から生活保護制度や受給者に対するバッシングが繰り返し行われてきました。そのもとで国は、昨年に生活扶助基準の10%引き下げ、保護申請権の制限を目的とした生活保護法の大幅改悪を行いました。これまで口頭でできた生活保護申請が今度は書類の提出を義務付ける。また、福祉事務所に扶養義務者に対する調査権限を新しく加えました。申請を断念させる、いわゆる「水際作戦」を法に盛り込みました。日本弁護士会や生活と健康を守る会などの団体は批判と反対の声をあげ、マスコミも「安全網を弱体化させるな」「貧困がすくえるか」とのキャンペーンをはりました。
 政府は現行の運用と変わらないと答弁していますが、本市の窓口において申請抑制を行わないと明言できますか。また、保護開始の要件ではない扶養義務の履行の強制を懸念しますがそうしたことは行わないと明言できますか。市長いかがですか。
 市はこの間、生活保護受給者の自立支援対策や不正受給対策を強調しています。しかしそうした取り組みが申請抑制に結ぶつくことは問題です。そもそも生活保護制度は国の責任において実施され、本来必要な経費は全額国が負担すべき制度です。「京プラン」実施計画では自立支援の推進をあげていますが、生活保護制度を行革プランに組み込んでいる自治体は全国でもほとんど例がありません。生活保護費は義務的経費であり、「行革」の対象にすること自体が問題と考えますが、市長いかがですか。
 今日の生活保護費の増大は、先程もふれましたが、非正規雇用の拡大、低賃金の実態、会社の倒産、ひとり親家庭の生活苦など親の労働だけでは家計を支え切れないなど貧困の拡大、生活困窮者の増大によるものです。その改善をはかることこそ本当の自立支援と考えますがいかがですか。

(保健福祉局長)本市では、専任面接員が状況を丁寧に聞き、本人に寄り添った相談を行っている。扶養義務者の扶養は、生活保護に優先するものの、保護の要件ではなく、申請の意思が確認されれば、速やかに受理している。
 今後とも、必要な人に必要な保護の実施とともに、制度への信頼を守るため、不正を許さない適正な制度運営を貫く。また、社会保障制度全般の抜本的な見直しについて、引き続き国に要請を行っていく。

リニア中央新幹線誘致について

 最後にリニア誘致について伺います。
 リニア中央新幹線の誘致予算が計上されています。この間、党議員団が無駄遣いとして撤回を求めてきた一つである京都高速道路計画3路線については、廃止の方向で手続きが進められています。もう一つの焼却灰溶融施設についても契約解除となりました。遅きに失した感はありますが、今後の市政運営の教訓とすべきです。
 そこでリニア誘致の問題です。リニア中央新幹線は本当に必要でしょうか。事業主体のJR東海はリニアの2027年東京、名古屋間開業にむけ準備をすすめていますが、昨年、国がおこなったリニア建設についてのパブリックコメントでは73%の人が「整備反対、中止、再検討」を求めています。市長は「京都を国土軸から外すな」と東京大阪間の同時開業を求めていますが、リニアはハイテク、省エネなどの交通機関ではありません。新幹線の3倍の電力を必要とするとの指摘もあるなど、エネルギー浪費型の交通機関です。市長はこの点をどう認識されていますか。
 さらに事業費の負担です。JR東海は、今は全部負担するとしていますが、採算の前提に輸送人員の1・5倍増をおいています。新幹線の輸送人員はここ20年間伸びていません。今後も人口減で需要が伸びる見込みはなく、JR東海の抱える財政リスクは大きいものがあります。また、京都ルートにすれば3000億円程度事業費が膨らむことについて、JR東海は行政支援が必要ともいっています。関西財界も国費投入を言っていますが、これでは国の巨額の財政支出が発生し、将来において新たな国民、市民負担が生じることは明白です。リニア建設による国、地方の新たな財政負担の問題について市長の認識をお伺いし、私の第一質問を終わります。

(市長)新しい国土軸となるリニア中央新幹線の整備は、我が国の経済の活性化と国民生活の向上にとって極めて重要。超電導リニア方式は、国の中央新幹線小委員会で議論し尽くされ、推進すべきと判断された。
 整備財源の問題で、大阪までの全線同時開業については、関西広域連合として国費の投入を訴えている。
 ルートについては、日本の未来にとって最適な「京都駅ルート」で整備されるべきもの。市民ぐるみで国に強く求めていく。

第二質問

 集団的自衛権の行使の問題ですが、憲法解釈を変えるということで、安倍首相は9条を否定しました。そして最近は、憲法解釈の「最高責任者は私だ」と発言されて、立憲主義まで否定しました。ここまで来て、市長の言われる平和の理念という解釈を変えようとしているということですから、いまこそ市長が、憲法擁護を発信すべきだと考えます。強く求めておきます。
 リハビリセンター附属病院廃止問題ですが、「民間の病院で対応できる」という答弁でした。しかし、医師の皆さんなどは、例えば、頸椎損傷患者の方の受け入れ先がどこにあるのか、と具体的に指摘されています。そして、長期に回復に時間を要する方については、その患者の対応ができないということを強く指摘されているではありませんか。「受け皿がある」ということではなくて、この指摘をきちんと受け止めて頂きたいと思います。
 引き続き、予算委員会で審議をしていきます。ありがとうございました。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

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