加藤あい議員の代表質問 - 市会報告

加藤あい議員の代表質問

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本会議代表質問
加藤 あい議員

 左京区選出の加藤あいです。日本共産党市会議員団を代表して、市政一般について質問します。

秘密保護法の認識について 

 まず、秘密保護法案についてです。

 「何が秘密か、それは秘密です」とあるように政府が秘密と決めたらどんな情報も国民の目から隠されてしまう。しかも、「秘密を漏らす人」「秘密を知ろうとした人」などを厳罰に処し、公務員はもちろん、ジャーナリストも国会議員をも処罰の対象とし、その矛先は国民すべてに向けられています。広範な秘密指定、共謀、教唆、扇動で処罰される、国民威嚇の仕組みは、日本が太平洋戦争に突入した時に施行された国防保安法にうり二つです。
 民主主義の根幹である知る権利、言論・表現の自由を脅かす、とんでもない悪法であり、衆議院での強行採決は断じて認められません。今国会で成立させるべきではないとの声が8割を占めています。日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、ノーベル賞受賞者、新聞協会、民間放送連盟などから、次々と反対や強い危惧が表明されています。国連の人権高等弁務官事務所の表現の自由担当特別報告者からも法案段階で異例の懸念が表明されました。日本外国特派員協会は法案の全面撤回を勧告しています。国民の目、耳、口をふさぎ、民主主義の根幹を崩す法と考えますが、認識をお示しください。

(総合企画局長)法案の拡大解釈で、国民の基本的人権を不当に侵害してはならない。法案は報道や取材の自由に配慮するよう規定している。秘密保護と国民の知る権利が両立できる制度が必要。

社会保障制度改革推進法・プログラム法案は国の責任を放棄し、社会保障の解体を進めるもの

 次に、社会保障制度改革推進法、プログラム法案について質問します。
 「税と社会保障の一体改革」と称してすすめられてきた一連の「改革」ですが、「一体改革」どころか、消費税増税とセットでの社会保障の大改悪というのが、その実態です。消費税導入以来、社会保障は切り捨ての連続でした。今回も、消費税増税分8兆円のうちわずか5千億円しか社会保障にまわさず、法人税減税や大型公共事業などが主な使途とされています。
 消費税増税も社会保障の改悪も、という論理は全く道理に合いません。
 プログラム法の内容は、第一に、講ずべき社会保障「改革」の措置として、「自助・自立のための環境整備」を掲げています。政府には「個人がその自助努力を喚起される仕組み」の導入を課し、国民には「自助・自立」を押し付けるものになっています。社会保障に果たすべき国の責務を定めた憲法25条から大きく逸脱しています。
 第二に、介護、年金などの4分野について法案提出時期を明示し、政府に「改革」の実施を義務付けています。推進本部や推進会議の設置によって、実施状況などが点検されるとしています。 
 これでは、国の責任を放棄するものであり、社会保障の解体ではありませんか。市長の認識をお示しください。

 (保健福祉局長)「社会保障制度改革推進法」第3条に国の責任が規定されている。役割を果たしてきた社会保障制度を持続可能なものとし、次世代に引き継ぐことは重要。本市も「プログラム法案」にもとづく制度改正の動向を注視し、必要な要望を国に行う。

介護保険制度改悪はやめ、国に対し、公費負担の引き上げを求めるべき

 次に介護保険制度についてです。
 介護保険の制度改定方針が示されました。その内容は要支援1・2を保険給付から外す、特別養護老人ホームの入所厳格化、利用料の2倍化など、重大です。認知症の人と家族の会が「増税の一方で負担引き上げ・給付抑制は道理にもあわない」と政府案に反対を表明。審議会の委員からも、相次いで批判の声がり、方針を出してわずか一ヶ月で修正するなど、異例の事態となっています。
 案を出せば出すほど国民から反発を招き、矛盾や問題点が噴き出すのはなぜでしょうか。それは、政府がともかく社会保障費の削減ありきで制度改定の検討を進めていることに、その原因があります。本市の介護保険料は基本料で、第一期2958円でしたが、第五期は5440円、2倍近くにまで引き上がっています。しかし、一方で、特別養護老人ホームの待機者は5334人にも上ります。
 給付をいくら抑制しても、保険料が上がり続けていく、その上、必要なサービスを受けることができない、こんなおかしな制度はありません。危機に瀕している介護保険制度を再建するためには「ともかく介護費用削減」の制度変更から姿勢を転換して、公費負担を引き上げることしかないと考えますが、市長の認識はいかがかでしょうか。要支援外しなどの制度改悪の撤回はもちろん、公費負担の引き上げを国に求めるお考えはお持ちでしょうか。答弁を求めます。

(保健福祉局長)社会保障審議会で、制度の持続確保のための議論が行われている。国に対し、必要な財源確保や低所得者層の負担軽減を求めてきた。今回の見直しで最大1300億円の公費投入が検討されている。他都市と連携し、利用者、保険者に過重な負担とならないよう、要支援者はじめ必要なサービスが提供できるよう国に要望する。

生活保護改悪についての認識を聞く

 次に生活保護問題について質問します。
 今年8月、生活保護費が削減されました。これについて全国の生活保護受給者が次々と不服審査請求に立ちあがって、1万件以上という史上空前の規模となりました。「生活保護バッシング」の中、当事者が声をあげることは、大変な勇気が必要であることは言うまでもありません。そこを押して声をあげておられるのは、実情を明らかにするためであります。
 お話をうかがったお一人暮らしの高齢の方も「一年間で1万2000円の減額。どこを削ったらよいのか」と話されました。政府が引き下げの論拠にしている物価の下落は全く実際ではありません。電化製品の下落がその数値に過度に反映していますが、食料や日用品は高騰しています。「払うものは全部上がって、下がっているのは生活保護費」との実態であります。
 今後も来年4月、再来年の4月と、引き下げが狙われています。物価が上がっているのに、保護費を減らし続けるのでしょうか。到底、健康で文化的な生活を保障されている実態ではありません。それを引き下げるなど、断じて許されません。生存権保障の立場から生活保護費削減に反対の声を国に上げることを求めます。
 加えて、論議されている生活保護法の改悪は、保護申請について、文書と給与明細などの提出を義務づける、保護を必要とする人を締め出すものであります。そもそも、日本では困窮状態にあっても保護申請をはばかる風潮がつくられてきました。また、行政の違法な門前払いが後を絶ちません。そうしたもとで、保護申請のハードルを上げる法改悪は、「水際作戦の法制化」に値すると言わなければなりません。こうしたことは、ますます、必要な人に必要な保護がなされない実態を広げるのではありませんか。認識をうかがいます。

(藤田副市長)今回の見直しは、生活保護基準部会の検証とH20年以降の物価下落を反映したもの。 生活保護一部改正案は「保護申請の取り扱いを変更するものではない」と国が見解を示している。本市は必要な人に必要な保護を適切に実施するため適正な制度の運営に努める。

敬老乗車証制度の「応益負担化」の撤回を求める

 次に、敬老乗車証について質問します。
 そもそも、この制度は、高齢者に敬老の意を表し、その福祉の増進に寄与することを目的に、生きがいづくりや介護予防に役立てるものとして、つくられました。ところが、今回、「今後のあり方に関する基本方針」が発表され、「乗車証一枚で乗り降り自由」の現行制度は廃止、「利用頻度に応じた負担、応益負担」にすると打ち出されました。
 具体的には、一定の無料措置の上、一乗車ごとに半額程度負担か、定期券の割引購入かの、2つから選択するとしています。実際の負担は、例えば、1乗車100円とすると、市バス週2回・往復で月1600円 年間で2万円の負担となります。定期券の半額割引では、例えば市内中心のフリー定期券は月9240円ですから、年間の本人負担は5万円にものぼることになります。そのような負担を高齢者ができるでしょうか。
 常任委員会の審議では「負担が増える段階で、乗車率は下がることが出てくるかもしれない」との認識が示されました。それは制度の趣旨を根底から、くつがえすことになるのではありませんか。
 全く別の考え方で制度を崩してしまうにもかかわらず、「制度を持続させる」と説明することは、市民を欺くやり方と言わなければなりません。「お金のあるなしに関係なく、たくさんバス・地下鉄にのり、外へ出かけて、元気でいてもらう」という制度から、「乗れば乗るほど負担が増える」、つまり、低所得者ほど負担が重くなる、結局、「負担ができなければ外出を控えよ」というに等しい制度。これでは、もはや、敬老乗車証とは呼べません。「応益負担化」は撤回すべきです。お答えください。

(藤田副市長)将来にわたり、多くの利用につながるよう、一定回数まで無料で乗車できるようにする。その上で利用頻度に応じた「応益負担」の仕組みに転換する。
 乗車証のIC化などの技術的課題もあり、今後十分時間をかけ、現役世代も含め、市民や交通事業者の理解が得られる制度となるよう検討していく。

 

 敬老乗車証の応益負担の導入について「持続可能で現役世代の負担を軽減するものにする」としていますが、制度の後退は、負担軽減などではありません。
 名古屋市では敬老乗車証の効果を4つの点から明らかにしています。
 第一に、高齢者の社会参加促進です。敬老パスがあることで増える外出の割合・誘発率は28%としています。第二に、健康効果です。これについては、敬老パス利用者が自宅から最寄りの地下鉄、市バスのバス停まで歩くことによる歩数の増加を1400歩・15分相当としています。第三に、経済効果です。敬老パスを利用して出かけた時の一回あたりの消費額は平均で4210円。年間316億円と推計しています。第四に、環境効果です。敬老パスで車利用を控える高齢者は4万人。CO2削減効果は6500トンであると示しています。
 高齢者が元気で過ごすことは、現役世代が重い介護の負担を背負うことを遠ざけます。 高齢者が公共交通を使って社会参加することは、社会にとっても大きな効果をもたらします。だからこそ、市民の宝物として重宝されてきたのです。現行制度廃止、応益負担化の撤回を重ねて求めます。

「即時原発ゼロ」の決断と再生可能エネルギー導入策の抜本的強化を

 次に、即時原発ゼロの決断と再生可能エネルギーの導入について質問します。
 原発政策を文字通り推進してきた小泉元首相が「政治による原発の全廃の決断と、再生可能エネルギーを資源にした循環型社会をつくる夢に向かっての結束」を呼び掛け、衝撃が走りました。関西電力の会長はそれについて「我々の考え方と相いれない」と述べて、停止中の原発の早期再稼働を訴えていますが、いろいろと論じる必要は、もはやありません。
 福島第一原発事故による汚染水漏れが制御できない非常事態を見れば、このまま原発稼働を続けることは、国民の命や安全を横におくことにほかなりません。先日発表された滋賀県の原発事故想定では、大飯原発か美浜原発で福島と同規模の事故が起きた場合、最悪で、飲料水基準を超える放射能汚染が湖面の2割に広がり、10日後でも100ベクレルを超える水域が残るとのことでありました。市長、今、日本にある原発は全て停止しています。市長は、本市の人口の99%にあたる約145万人の市民の水がめがそのような状況にさらされてもなお、「中長期的には原発依存から脱する」と再稼働を容認されるのでしょうか。ただちに原発をゼロにし、廃炉のプロセスにすすむ決断こそ、責任ある対応ではありませんか。いかがですか。

(市長)東日本大震災以降、大規模集中型電源のぜい弱性が明らかになる中、市会決議を受け、できる限り早期に原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会を目指す。

 次に再生可能エネルギー導入について質問します。
 京都市エネルギー政策推進のための戦略骨子案が示されました。再生可能エネルギーの導入量割合0.6%を3倍の2.3%とするとの目標です。「原発に依存しない持続可能なエネルギー」を目指すとしているのがこの戦略ですから、問題は、その言葉に資する中身かどうかであります。EUは省エネと合わせて、2050年には電力消費量の100%を再生可能エネルギーにより供給するとして、2020年には39%、2030年には65から67%になるとの見通しを示しています。本市でも、安全性・最終処分を考えれば、即時原発ゼロこそ現実的な選択肢であるとの立場で、目標を飛躍的に引き上げるべきであります。いかがですか。お答え下さい。

(市長)「京都市エネルギー政策推進のための戦略」では、京都の強みや地域資源を生かし、省エネを基本に据える。「2020年度までに2010年度の導入量の3倍以上を目指す」ために、住宅用太陽光発電設置戸数を1万戸から2万5千戸に引き上げる。太陽光発電は1.4倍に、その他は1.8倍にする。

 奈良県は今年度から3カ年について、再生可能エネルギーごとに導入の具体策を提示しました。推進体制として太陽光発電、小水力発電、バイオマス利活用など7つのワーキンググループを活用しての進行管理を行うことを定めています。小水力発電については3カ年で1.5倍にする目標のもと、地域振興に役立つ小水力発電の導入促進としてモデル事業実施や導入支援調査への補助、農業用施設や水道施設を活用した発電施設の導入促進などが掲げられています。
 京都市と同じ環境モデル都市に指定されている岡山県西粟倉村は、エネルギー自給率100%を目標に自前の小水力発電所をもち、補助制度は住宅用太陽光発電施設はもちろん、小型風力発電施設、小水力発電施設も対象にしています。本市でも、太陽光やバイオマスに加えて再生エネルギーごとの導入計画を示し、抜本的な取り組みの強化を行うことを求めます。小水力、地中熱等その他の再生可能エネルギーについて、地域をあげての取り組みの裾野を広げていく視野をもち、市民参加で導入がすすむ仕掛けや支援を充実させるべきと考えますが、いかがですか。

(市長)小水力、地中熱はあらゆる可能性を追求し、本市が率先導入し、市民協働発電など地域の主体的な取り組みの支援、技術開発や普及啓発などを推進する。

左京区高野の大型パチンコ店建設計画について 

 最後に地元問題について質問します。
 左京区高野の大型パチンコ店建設計画についてです。当該計画地は2方面が住居系地域に面し、幹線道路でない9メートル以下の道路にしか接しておりません。9月の決算市会では、そのような立地のパチンコ店は京都市内に存在しないことも明らかになりました。業者が主張してきたごく一般的な計画であるとの説明は、事実に反するといわなければなりません。問題点は、閑静な住宅地である当該地域の生活環境が破壊されることや交通渋滞及び事故の増加です。また、地域住民のみなさん方からは青少年の健全育成が阻害されるとの声が出されています。
 業者から、計画で700台を超す駐車場計画が示されました。本市では「歩くまち・京都」総合交通戦略のもと、自動車交通の流入抑制や京都にふさわしい駐車場施策の構築がうたわれています。駐車場条例の改正や中高層条例施行規則の見直しもそうした視点から進められています。住居地域への自動車流入を抑制していく必要があるのではないでしょうか。
 計画が示されて以降、近隣住民あげての反対運動がとりくまれ、京都市会でも全会派一致で、「パチンコ店施設計画見直しの要請を求める請願書」が採択され、「計画に強く反対し、計画の見直し」を議会あげて求めている状況にあります。市長は「安全で快適な住環境を保全するため,組織を挙げて厳正な立場で対応しており,今後とも全力を尽くす」と述べてこられましたが、 「住宅地に大型パチンコ店はいらない」との住民の思いにこたえ、決意に見合う指導や対応策を講じることを求めます。

(市長)請願で示された近隣の生活環境への影響や青少年の健全育成が阻害される問題、交通渋滞などの住民の声を強く受け止めている。本市としても法令上の限界があるが、あらゆる英知を結集し、市役所一丸となって取り組んでいる。

第二質問

 秘密保護法案について市長の答弁がありませんでした。秘密保護法案は、衆議院通過後も国民の批判の声が広がっています。本日の朝刊の世論調査でも反対は50%、不安を感じる方が78%をも占めています。市民の暮らしと安全を守る上でも、秘密保護法案の断念を政府に求めることが必要です。日本共産党は廃案にむけ、全力を上げる決意を申し上げ質問を終わります。

議会開催年月別目次

開催議会別目次

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