玉本なるみ議員の代表質問 - 市会報告

玉本なるみ議員の代表質問

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本会議代表質問
玉本なるみ議員

 私は北区選出の玉本なるみです。質問の前に、このたび台風18号により被害を受けられた皆さんに、心からお見舞い申し上げます。
 日本共産党京都市会議員団を代表し質問します。

敬老乗車証の改悪をやめよ

まず、「京(みやこ)プラン」実施計画で進められる社会福祉の後退について質問します。
 最初に敬老乗車証の見直しについてです。敬老乗車証は高齢者の社会参加を支援し、高齢者の福祉の増進に寄与することを目的に、70歳以上の市民に交付されています。市民からは「感謝しています。どうか長く続けてください」「病院に行くのに2回乗り換えなくてはならないので、大変助かっています」等と大変喜ばれています。
 今回、京都市は、社会福祉審議会の答申を受け、大幅な変更を計画しています。それが、応益負担の導入です。バス、1乗車当たり100円など、乗れば乗るほど負担が増える仕組みと、利用頻度の高い人は、定期券の購入額を減額するという2つの方法を示しています。できるだけ多くの高齢者に利用されることを望むとしていますが、今回の提案で、さらに負担が増えると、乗車される方はさらに減る可能性があります。
 市としてもパブリックコメントを実施され、460余りの返信がありましたが、いったいどうなるのか不安の声をお聞きします。共産党市会議員団も6月から、敬老乗車証の利用状況やご意見などを聞くアンケートに取り組みましたところ、すでに2,000件近くの返答がありました。短期間に多数の返信があり、ほとんどの方が自由記入欄に感謝や継続への切実な声を記入されていたことからも、この問題に対する関心の高さを実感しました。負担金については、今の負担金が適当という方が37%、負担金を無料や安くしてほしいという方は54%、合わせて91%の方が、負担金を増やさないでほしいということでした。また、70歳以上の家族がいない若い世代の方の回答も341人ありましたが、負担金が増えても仕方ないと答える方は、わずか5%で、世代間での不公平感を持つ方はほとんどないと思われます。
 ある80歳の男性は年間の負担金5,000円で、通院や買い物、生きがい活動など、ほぼ毎日利用しているとのことでした。今まで通りフリーで市バスも地下鉄も乗れるようにしようとすると、「一年間の定期が半額になったとしても、年間約98,000円となるかもしれない」とお話しすると、大変ショックを受けておられました。実際にはこのような高額な定期は購入できませんから、これまで通りの活動はできなくなるということになります。
 問題の第一は、所得に応じた負担から、利用頻度に応じた負担への変更で、敬老の精神から逸脱し、制度の趣旨を大きく歪めるということです。医療機関の受診や買い物、介護予防にも繋がる社会参加など、バスや地下鉄に乗る回数が多い人ほど、負担が増えるという仕組みになります。現行制度において、負担金の3,000円の本人非課税の方は、高齢者全体の6割を占めています。利用の状況は生活スタイルやバス便の状況で変わりますが、1乗車100円の負担となると、3,000円ではバスを1系統往復したとして計算すると、年間でたった2週間分しか乗れないことになります。乗り換えが必要な方はさらに、その半分の1週間分となります。所得が低い人ほど負担が増える応益負担は問題です。いかがですか?
 第二に、審議会の答申の中には重要な指摘もあります。1つは、利用できる地域と利用できない地域にかなりの格差があるということです。敬老乗車証を利用したくても、住居地にバスや地下鉄が走っていなければ利用できないわけですから、そもそも、申請しても利用できないということで、交付率が下がるのは当たり前です。バスが走っていない地域にはバスを走らせることや、民営バスの適応などの手立てをとることが交付率の改善に繋がります。高齢者に負担を強いる前にまずやるべきことではないでしょうか。
 さらに答申では付言として制度設計を複雑にしないことをあげています。しかし今回の見直しは、制度のしくみ自身が複雑で、理解しにくいものになっています。
 高齢者の皆さんの暮らしは厳しくなっています。年金の支給額が削られ、介護保険や医療保険料の負担の増大、光熱水費も上がり、食料品なども値上げの連続です。最も多くあったご意見が、「今のままの制度を続けてほしい」という声です。
 そもそも、敬老乗車証は無料で実施されてきましたが、8年前に一部負担金が導入され、交付率が50%に激減しました。高齢者の暮らしの実態を鑑みるならば、高齢者の負担金を増やすやり方では、さらなる後退が懸念されます。この上に、敬老乗車証での負担の増大は絶対にやめるべきです?今こそ、無料に戻すべきと考えますがいかがですか?
 最後の問題は、敬老乗車証が果たしている役割についての分析があまりにも不十分であることです。名古屋市では、京都市と同様に敬老乗車証制度の見直しをされていますが、まず、市民6,000人に対して、詳細にアンケートで利用実態調査を行い分析されています。なかでも、経済効果については、なんと316億円もあると試算されています。また、神戸市では今回、京都市が提案している1回乗車ごとに約100円という負担をする応益負担を導入されていますが、商店街の店主から、買い物に来られる回数が減り、売上が減っているという声が出ているとのことでした。京都市としても同様のことが起こることは必至です。私どものアンケート結果でも敬老乗車証を利用して出かけた際に、68%の方が1,000円以上のお金を使用するとありました。負担が増える今回の提案で、高齢者の社会参加や乗車率、地域の経済効果が損なわれるのではありませんか?お答え下さい。

(藤田副市長)交付率の低下、経費の増大から、持続可能で意義のあるものにするため、社会福祉審議会に諮問。社会参加の促進、世代間の公平、持続可能な制度とするために議論し答申いただいた。
 応益負担については、利用実態に応じた形で社会活動を支援できる制度となるよう審議会で審議され、社会参加促進対策や低所得者対策で、より多くの高齢者の新たな利用になると受け止めている。
 今後、答申と市民の意見募集の結果もふまえ、早期に基本方針を策定し、利用者のみならず、現役世代、交通事業者の理解と協力が得られるよう具体化に向け検討する。

リハビリセンター附属病院は、廃止ではなく存続を

 次に、京都市身体障害者リハビリセンター附属病院の廃止の方針案について質問します。これまで、附属病院は、リハビリテーションの診療報酬上の日数制限導入等により、給付の制限・切捨てをされた方々の受け皿となり、必要な医療を保障し、社会復帰に取り組んできました。「こういった患者さんが、リハビリセンターの附属病院がなくなれば、どこが受け皿になるのか?」社会福祉審議会の委員や、保険医として京都の医療を担っておられる京都府保険医協会の医師からも、重要な指摘がされているにも関わらず、一部の意見として、回答もなしに廃止ありきで方針案をまとめたことは重大な問題です。改めてお伺いしますが、リハビリセンター附属病院が対象としてきた患者さんの受け皿は廃止されれば、だれが担うのですか?また、相談の拡充、地域リハビリテーションの推進、高次脳機能障害の対応を行うとされていますが、附属病院の医療機能をなくして、リハビリテーションの質をどう担保するのですか?これまで、リハビリセンター附属病院が果たしてきた役割は、民間病院では受け入れ困難な患者さんの命や生きがいを保障する公的な役割であり、存続すべきです。お答え下さい。

(藤田副市長)センターを設置した当時と異なり、同様の病院が多く存在し、在宅福祉サービスも充実してきた。廃止しても十分対応できる。医師やセラピストなどの職員を配置し、専門性は確保できる。

学童う歯対策事業は継続すべき

 次に、学童う歯対策事業について質問します。この事業は小学生の虫歯の治療費を無料にするものです。みやこプランに見直し項目としてあがり、また今年の3月に包括外部監査から、見直しを指摘されていますが、私は廃止すべきではないと考えます。
 監査委員が指摘するように、処置が済んでいない子どもが2011年の報告では、25.63%あることは、確かにもう少し、下げられないのかと思います。そこで、私は歯科医師や養護教諭の方にお話を聞き、いくつかの課題が見えてきました。
 まず、学童う歯対策事業が果たしてきた役割についてお聞きします。学童う歯対策は、児童の健全育成を目的に昭和36年から実施され、成果を上げてきたものです。したがって、当然周知されていると思っていた学童う歯対策事業ですが、意外と知らない保護者もあるということです。確かに「支払う時に無料と知った」という方がおられました。周知に努める必要があります。監査では、他の政令市との比較をされていますが、ここには一つの特徴があります。処置が済んでいない子どもが16.18%と最も低いさいたま市や、19.63%と次に低い名古屋市は、子どもの医療費自身を無料にしていることから、歯科治療率も上げていることが伺えます。つまり、医療費が無料ということでの周知が行き届いている効果だといえます。
 さらに、近年では、長引く不況の影響は子育て世代を直撃し、子どもの貧困化も避けられない課題となっています。「口腔内の状況を見れば、児童の暮らしの状況を垣間見ることができる」と歯科医師も養護教諭も言っておられました。貧困は、子どもの学習状況や生活、健康状況にも影響が出てきます。虫歯は全体として減少していますが、一方で貧困による「口腔内崩壊」がすすむなど、「口腔内の健康格差」が問題になっています。養護教諭からは「この制度があるから、安心して受診を勧められる」と聞きました。未処置の子どもの率が他の政令市と比べて大差がないからと制度をやめてしまえば、経済的な理由で歯科を受診できなくなる児童が生まれるのではありませんか。
 子どもの貧困と歯の状況は結びついています。学童う歯対策事業は継続すべき制度です。いかがですか?

(教育長)小学生の早期治療は大変重要。治療費の全額公費負担に加え、補助歯磨き巡回指導やフッ化物洗口もとりくみ、う歯罹患率は全国と比べて低い。包括外部監査で見直しの指摘を受けているが、全国に例がなく、定着もしており慎重に検討する。

軽度認定者の介護保険はずしに反対を

 次に、社会保障の問題について質問します。安倍政権はすでに、社会保障制度国民会議の最終報告を受け、社会保障制度改悪の「プログラム法案」骨子を閣議決定していますが、医療、介護、保育、年金など各界から怒りの声があがっています。まず、その中でも、京都市が保険者として、責任ある立場である介護保険について質問します。
 2015年度に向けての見直しは、まさに保険あって介護なしの状況を加速させるものになっています。まず、最大の問題は要支援者への給付を保険からはずし、市町村事業に丸投げしようとしていることです。京都市において、要支援者は2011年12月時点で、1の方が8,319人、2の方が9,840人で、合計18,159人の方々が対象となります。当然、年々対象者は増加していますから、2015年にはもっと多くなっているはずです。要支援者を支援する包括支援センターの方にお話を伺いましたが、要支援2の方だと、受給額は月額11万円あるので、例えば、デイサービスが2回、ヘルパー支援も週2回、訪問看護も1回は計画できるので、要支援から要介護に悪化させない努力が多くの対象者にできているとのことでした。それが、介護保険から外されると、福祉の専門家の手を離れ、介護状況は悪化する可能性が高いと警鐘を鳴らしておられました。
 また、2006年から、65歳未満の癌末期の方も介護保険の対象になりましたが、介護度が進むのは最後の時期で、要支援の状況で、生活介護支援を受けながら、療養される場合が多いそうです。もし、介護保険から外されると、一人暮らしの方などは、在宅療養が困難となり、政府が進める地域での癌などの終末期の看取りもできなくなると言われていました。2011年度は要支援1,2の給付総額は約43億円4,500万円になっていますが、地域支援事業や自助や地域のボランティア活動などで賄えるような小規模なものではありません。
 見直しの詳細はこれからですが、要支援を介護保険からはずすことは、制度そのものを根底から揺るがすことになります。京都市は保険者として、今の時期にこそ、政府に要支援者の介護保険外しはやめるよう強く求めるべきと考えますが、いかがですか?
 介護保険制度の見直しについては、他にも利用料を所得に応じて1割から2割に負担を倍増させる計画や特別養護老人ホームの入所対象者を介護認定3以上に限定することなどの提案がされており、その影響に懸念の声が出ています。市民の暮らしや介護療養が後退しない立場で検証を行うことを求めておきます。

(藤田副市長)国の社会保障審議会で、介護予防給付と、見守りや配食などの地域支援事業を一体的に提供することが望ましいとして、地域支援事業への移行が検討されている。審議会の動向を注視し、財源の確保や、必要な方へのサービスの提供ができるように、必要に応じて他都市と連携して国に要望する。

子ども子育て支援制度の導入撤回を求め、保育の公的責任を果たせ

 次に2015年から実施予定の子ども子育て支援制度について質問します。
 子ども子育て関連法の新制度では、保育所、幼稚園、認定こども園などの施設型保育と小規模家庭的保育などの地域型保育となり、保育所以外は保護者と事業者との個人契約になります。保育施設の種類によって、職員の配置や保育室の面積基準が別々に決められ、施設によって、保育環境や条件が異なることになります。本質的な問題として、営利企業の参入、保育基準の後退、利用者の負担増大、保育の公的責任の後退が狙われており、介護や障害分野に続き、保育をサービス業として変化させ、福祉としての概念を大きく後退させるものとなっています。
 まず、1つ目の問題は、新しい制度で京都市の高い保育水準が守られるのかということです。政府は待機児解消を最重点課題とすることで、保育制度の規制緩和を推奨しています。国は「待機児ゼロ」と話題になった横浜方式を全国に広げようとしています。横浜市では企業参入を認め、高架下や産業廃棄物施設の隣りの保育所など、保育環境の悪化が進んでいる多くの問題が指摘されています。利益追求と保育が両立するのかが問われています。待機児ゼロの名の下に保育の水準を後退することがあってはなりません。この間、全国で起きている認可外保育園での死亡事例は、劣悪な環境と無資格などによる専門性の欠如が問題となりました。市の役割として、どの施設に入っても同じ水準の保育が受けられるように、現行児童福祉施設基準条例における施設や職員配置基準を下回らないようにすべきです。いかがですか?
 2つ目に新制度のもとで、京都市としての公的責任が果たせるのかということです。関係者などの強い要望や運動があり、児童福祉法24条第1項の「市町村は、保育を必要とする子どもがいる場合は、保育所で保育をしなければならない」という記述が復活したことは重要なことです。従来型の保育所はこの条項に従って、市町村が保育の実務事務を担うことになりますが、認定こども園など、他の施設の場合は、利用者と教育・保育施設との個別契約が基本となります。その際、障害のある子どもの入所など、職員体制を強化しないと受け入れが困難な子どもの入所が保障されるのか。また、保育時間が本当に保護者の労働実態と子どもの成長を保障するものとして認定されるのか問題です。いかがですか?
 3つ目に、施設整備の問題です。児童福祉法56条の2項では、都道府県と市町村は民間が設置する児童福祉施設の新設、修理、改造、拡張、整備に要する費用の4分の3以内を補助することができますが、保育所は除くということになっています。新制度においては、保育単価に減価償却費として盛り込まれるため、施設補助制度はなくなります。「当面は緊急に対応が必要な施設の新築や増改築、施設の耐震化などについては、改正後の児童福祉法の中に交付金による別途の支援について規定する」とあり、現行の安心こども基金の施設整備補助も適応されると聞きましたが、「当面」という前提や安心こども基金においても、いつまであるのか不透明な中で、施設整備やとりわけ耐震化がほんとうに進むのか、極めて不安定な内容です。とりわけ、耐震化については、必要な施設整備数も明らかになり、整備方針も出されましたが、どんなことがあっても、市の責任で実施していく構えが求められると考えますが、いかがですか?
 いずれにしても、消費税増税とセットで実施しようとしていることが重大な問題です。むしろ、新制度への移行に翻弄されるのではなく、これまでの制度の基で、営利目的とする企業の参入を許さず、高い保育水準をさらに発展させ、必要な保育が実施されるように、新制度の導入の撤回を国に求めるべきです。いかがですか?

(市長)新たな制度については、京都の優れた幼児教育・保育の水準を向上させ、良質な生育環境を保障するものとしなければならない。待機児解消を最優先課題として、国の財源を活用し、保育の質の確保・向上を図りながら取り組む。
 保育所以外の施設・事業については、障害など支援の必要な子どもや、保護者の就労実態をふまえ確実に利用できるよう、利用調整の権限を発揮する。
 耐震化については、現行の補助水準を維持するよう国に要望するとともに、「市民間保育園耐震化計画」に基づいて進める。

西賀茂・柊野地域のバス運行について

 最後に、西賀茂・柊野地域のバス運行について質問します。
 住民の皆さんからバスを走らせてほしいという強い要望があり、自治連合会から、区長懇談会で毎年要望されており、さらに、5年前からは「柊野・西賀茂北部の交通問題を考える会」が発足され、議会への請願も出されて議論して来ました。そして、住民の皆さんの切実な要望の元、北区役所と交通局での話し合いが進み、バス運行に向けて、「柊野地域における公共交通利用促進会議」が発足されました。柊野自治連合会や町内会長さん、京都産業大学の先生などが委員になり、交通局自動車部や、事務局として北区役所が参加しています。さっそく、第1回の協議が9月18日に開催され、現段階で可能な運行ルートについて議論されています。地元の皆さんからは、さっそく、道路整備を行いバス運行ルートの拡大の要望など、たくさんのご意見をお聞きしています。住民の皆さんに愛されるバス路線になるために、ルートの在り方や便数、バス待ち環境、料金の問題など、幅広く住民に参加してもらう仕組みを作り、進めるべきと思いますがいかかがですか?

(藤田副市長)バス運行は地元の長年にわたる切実な願い。促進会議では公開のもと、参加者によるワークショップ形式の議論で、ルート案や利用促進について話し合われた。市バス路線新設に向け、地域主体のモビリティマネジメントを支援する。

 そして、市内には、バスが走っておらず、不便な地域がたくさんあります。行政区と都市計画局、交通局が協力し、交通不便地域をなくしていく取り組みの具体化を行うよう求めますが、いかがですか?
 以上で第1質問を終わります。

(交通政策監)交通不便地域の足の確保は重要な課題。住民の意識と行動に呼応した支援が必要。地域の特性をふまえ地域、行政、交通事業者一体となって課題の解決に取り組む。

第2質問

 敬老乗車証を「これがあるから、生きていける」「負担が増えれば、利用できなくなる。何とか今のまま残してほしい」という切実な声に、しっかりと耳を傾けるべきです。今議会には、さっそく、1900人を超える請願署名が寄せられています。敬老乗車証を宝物のように大切にされ、利用される高齢者の方々に、負担を増大させる見直しは絶対にやるべきではありません。以上、指摘して質問を終わります。

 

議会開催年月別目次

開催議会別目次

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