2011年度一般会計決算、国保事業特別会計決算等に対する反対討論 - 市会報告

2011年度一般会計決算、国保事業特別会計決算等に対する反対討論

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閉会本会議討論
ひぐち英明議員

  日本共産党議員団は、報第3号一般会計決算、報第5号国民健康保険事業特別会計決算、報第23号自動車運送事業特別会計決算など、6件は認定せず、その他の決算は認定および賛成するとの態度を表明しておりますので、以下その理由について述べます。
 23年度決算は「未来まちづくりプラン」の最終年度であるとともに、それを引き継いだ「京プラン」の初年度の決算です。「京プラン」は財政健全化至上主義、社会福祉経費抑制という財政構造改革路線を市の基本計画に具体化したものであり、市民生活破壊と自治体責務の放棄のプランとなっていることを、まず指摘しておきます。
 その上で、一般会計決算及び国民健康保険会計を認定しない理由について述べます。
 第1の理由は、市民の暮らしを守ることよりも市財政の赤字解消を優先し、福祉の切り捨てと市民負担増を進めたことは、自治体本来の役割から大きくかけ離れているという点です。
 国民健康保険会計は4年連続の単年度黒字であるにもかかわらず、保険料は3年連続の値上げを行ってきました。しかも、理事者が「保険料の市民負担は限界にきている」との認識を示しながらの値上げであります。単年度が黒字で、しかも高すぎて払えない市民がいることを認めながらの値上げでありますから、市民の命を守るという視点が全く欠けています。理事者は累積赤字の解消を、値下げしない理由にあげています。しかし、保険料値上げのときはその理由を「単年度収支の均衡のため」としていたのですから、この4年で単年度の黒字が合計67億円にもなったのは、市民から保険料を取りすぎたということであり、値下げすべきです。
 生活保護の分野においては、喫緊の課題は、市民生活の困窮度合いが高まる中にあって捕捉率が大変低く、必要な人が必要な保護を受けられていないという点にあります。ところが本市では、「不正受給対策が喫緊の課題」と言って、適正化推進担当として15人もの手厚い体制を配置しました。市全体としては職員削減を進める中での異例の対応ですが、市民の相談に乗りセーフティネットを有効に機能させようというものではなく、不正受給対策と債権回収の役割しか持たされていません。市民の生活実態に寄り添おうとしない市長の姿勢が、ここに端的にあらわれています。
 保育の分野では、プール制の予算カットや批判の多いポイント制が続けられる中、決算年度において産休・病休代替制度の廃止が行われるなど、保育環境の悪化が進められてきました。
 教育の分野では、2004年以来続けられている学校経常運営費2割カットによって、そのしわ寄せが子どもに押し付けられています。冬は暖房が不十分で授業中にジャンバーを着ている、夏は水道代の節約のためプールの回数を減らした、プールの水位の調整をしにくいなど、現場から悲痛な訴えが届いています。子どもの安全すら守れない教育環境は見過ごすわけには行きません。
 福祉や教育を削る一方で、20年間で560億円も使うというムダ遣いの象徴である、焼却灰溶融施設にいつまでも固執していることは許せません。決算年度においても事故やトラブルを繰り返し、竣工が少なくとも3年以上も延びることになるという前代未聞の欠陥施設は、ただちに契約を解除すべきです。
 第2の理由は、大飯原発再稼働を容認し、原発ゼロに背を向けている点です。福島原発事故で明らかになったように、ひとたび放射性物質が大量に放出されると、その被害は空間的にも、時間的にも、社会的にも限定なしに広がり続け、人類は、それを防止する手段を持っていません。他の重大事故とは全く異なる被害が1年半たった今もなお拡大しています。我が党が大飯原発稼働停止の要請と原発ゼロの決断を求めたのに対し、国の判断任せという認識を示したのは、市民の命を守る立場に全く立っていないと言わざるを得ません。
 第3の理由は、景気の低迷に苦しむ中小零細企業への支援、市民生活を底上げする対策が不十分だという点です。本市はこの間、直貸制度をなくし、中小企業支援センターの相談窓口を経済団体へ移管、産業技術研究所は独法化の方針を決め、高度技術研究所も府との統合の方向を示すなど、市が直接責任を担ってきた中小企業支援制度を次々と後退させています。理事者は景気回復への足取りが重い、との認識を示すだけで、金融円滑化法の終了、TPP参加、消費税増税といった問題に対して、国の方針をそのまま受け入れる姿勢を示しています。これらは、市民生活と中小企業に極めて深刻な影響をもたらす問題であり、国に対して反対の意思表示を行うべきです。
 第4の理由は、地区計画を使った高さ規制の緩和を行うことによって、新景観政策に京都市自らが次々と穴を開けている点です。新景観政策が、多くの市民の賛同のもと、議会で全会一致で可決されたのが5年前です。市民や中小企業が京都の景観を守るために、新景観政策のもとで生活を送り、営業を行っているにもかかわらず、岡崎、島津、山ノ内と、京都市や一部の大企業が持っている土地だけは、地区計画という手法を使って高さ規制の緩和を行っていることは、到底市民の理解を得られるものではありません。また、岡崎地域における京都会館の建替えに関しては、世界遺産認定の審査をするイコモスが、世界でもわずか2回しか出しことがない遺産危機警告を出そうとしています。そのさなかに解体を始めてしまっていることは、世界に恥ずべき行為であり、直ちに解体の中止を求めるものです。
 次に公営企業関連の決算について述べます。
 まずは、自動車運送事業決算を認定しない理由についてであります。
 第1の理由は、市バス事業の民営化に道を開く「管理の受委託」を継続している点です。市民の足である市バスは、通勤、通学、買物、社会参加、観光等の市内交通の2割、バス事業の8割を担っている重要な公共交通です。ところが、市バスの半分は委託路線で、乗務員の労働条件や安全確保については「事業者任せ」となっており、公営交通としての役割が果たせていません。無駄を省くことは当然ですが、人件費の際限のない切り下げを進める制度を継続すれば、乗客の安全輸送に責任がもてません。
 第2の理由は、若年嘱託制度です。このような非正規雇用は市長部局にはありませんし、他都市でも例を見ないものであり、我が党は制度を廃止して正規雇用とすることを求めてきました。この9月から、従来の5年嘱託を4年に短縮しましたが本質的には変わっていません。乗務員を正規雇用とし、身分保障をして安心・安全の業務を保証することこそ乗客の安全輸送に責任を持つことになります。
第3の理由は、市バスを必要とする地域の声に消極的だからです。これまで左京区や山科区、伏見区、南区、西京区、北区など周辺部を中心として市バス路線の拡大や延長を求める声が多数寄せられています。止むに止まれず住民自らの努力で「生活支援バス」を運行されていることは、本会議や委員会の中でも紹介されてきましたが、路線の設定や拡大を求める市民の期待にこたえることこそ、交通局と京都市に求められています。
 次に地下鉄事業決算について述べます。大量輸送機関としての役割を果たして事業が進められていますが、バリアフリー対策や駅トイレの改善、乗降口の耐震化、ホーム転落防止柵の早期設置など乗客サービスの向上を一層前進させていくことが必要です。健全化計画では運賃の値上げが盛り込まれていますが、値上げが一層の乗客離れを引き起こすことは明らかです。今回の市長総括質疑で、副市長から「健全化計画の達成状況を見ながら、その時々に適切に判断する」と一律的な値上げはしない旨の答弁もありました。地下鉄建設、維持管理、安全対策、耐震化、施設の更新などに関しては、国補助制度の抜本的な改善が不可欠であり、その実現に向けての一層の努力を求めておきます。
 次に上下水道事業決算について述べます。昨年は洛西地区の水道管破裂事故が多発し、当該地区の老朽管は2年で更新することになりましたが、改めて老朽管の更新に多大な時間と経費がかかることが明らかになりました。鉛製給水管取替えを計画的に進めるとともに、老朽管の取替を計画的に進めるためにも国の補助制度を改善させていかなければなりません。市民負担の議論もありましたが、今の市民生活や京都経済の実態からすれば、負担増など求める事ができないことは明らかです。
 以上、決算についての意見を述べてきましたが、決算年度において議論がされてきた京プラン実施計画において、今後、さらなる福祉の切り捨て、市民負担の押し付けが進められようとしています。65歳以上の低所得者に対する府市民税軽減制度の廃止で6億5,000万円の負担増、社会福祉関係経費を中心に今後4年間で250億円もの市民負担増などについては、持続可能な財政のために必要なことかのように言われています。しかし、こんなことを行えば、市民生活の方が持続可能でなくなりますから、これは自治体のあり方として明らかに間違っています。さらに、防災対策の重要性が大きくクローズアップされているときに、消防職員80人の削減を含むさらなる職員の削減を打ち出していることも、住民の安全・命を守るという役割を後退させるものであり、断じて行うべきでないことを最後に指摘して、討論といたします。

 

 

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