西野さち子議員の代表質問 - 市会報告

西野さち子議員の代表質問

写真
本会議代表質問
西野さち子議員

 伏見区選出の西野さち子です。日本共産党議員団を代表して、市政一般について質問します。

大飯原発の再稼働に反対し、「原発ゼロ」の政治決断を

 まず最初は、大飯原発再稼働の問題です。
 2012年5月5日夜、北海道電力泊原発3号機の運転が停止しました。これまで54基あった原発のうち、東京電力の福島原発4機が廃炉ですので、現在50基ある日本中の原発が全て停止するという歴史的な日を迎え、原発ゼロの日本がスタートしました。原発の再稼働を許さない立場で質問します。
 京都市は4月27日に、関西電力に対して7項目の株主提案を行いました。その中で、原発の再稼働について大阪市の提案には「再稼働までに時間を要するハードルの高い内容のため、今すぐすべてを廃止する内容には乗れない」と、京都市は神戸市とともに別の提案をしました。提案理由で「ひとたび原子力発電所で大事故が発生すれば、市民生活や経済活動への影響は過酷なものとなることはあきらか」だとしながら、「安全性の確保と地域住民の理解を得た上で必要最低限の範囲で行うものとする」と、再稼働容認の立場を明らかにされたことは重大です。マスコミの調査では、大飯原発の再稼働について近畿では52%が反対、京都では56%が反対です。柏崎刈羽原発のある新潟県の泉田知事は、「福島第一原発事故の原因がはっきりするまでは再稼働を前提とした議論はしない」と明確にされています。市長、あなたは何を根拠に大飯原発3号機・4号機の再稼働を容認するつもりですか。いかがですか。お答えください。
 具体的にお聞きします。野田内閣は大飯原発の「安全性」と再稼働の「必要性」を判断したと言いますが、安全を強化する対策はなく、「電力不足」を脅しに使う再稼働ありきの新基準では国民の納得は得られません。政府の福島第一原発事故の検証委員会の中間報告でも、「事故で核燃料が溶け落ちた原子炉に現状では近づいて見ることさえできないため、地震による損傷の実態は把握できない」と述べています。また、検証委員会の黒川清委員長は、政府が決めた再稼働基準について、「30項目の中に住民避難計画などの防災が含まれていないこと。更に、免震重要棟の設置は先送りされている。基準の想定を越える災害が来た場合の対策ができていない」との指摘をされています。また、日本ペンクラブは、福島第一原発事故で「何が起き、現在どうなっているのかも分かっていない」として、「まずやるべき事は福島原発事故の検証であり、国内の原発をいつどのように廃棄して行くのか、工程表を具体的に示し、代替エネルギーの研究開発と実用化の道筋を付けること」だとしています。その上で、「再稼働をめぐる判断は、政権の一部や原発が立地する1自治体のみでなされる問題ではない」として、「大飯原発の再稼働に強く反対する」との声明を出されました。市長、あなたは安全性の確保とはどのような状態だと認識されているのでしょうか。お聞きします。

(市長)福島原発事故で、市民生活や経済活動が深刻になることが明らかになった。原発に依存しない社会を1日も早く実現し、再生可能エネルギー中心の自立分散型電源の普及が必要である。
 関電への株主総会の議案は、原発に依存しない電力供給体制の構築、再生可能エネルギーの拡大などを提案した。水垂にメガソーラー設置を進めている。
 大飯原発再稼働は、①電力需要の必要性、②原発の安全性確保、③地域住民の理解を得ることが大前提である。原発の安全性確保は、中立的第三者機関で安全確認を行う仕組みの構築、福島原発事故を教訓とした安全性を確保することが不可欠であるとして、国に要請している。

 また、政府と関西電力は「夏のピーク時に電力が不足する」と言い、大飯原発3・4号機再稼働の口実にしていますが、安全性を置き去りに電力不足を脅しに使うのはもっての他です。実際に今年の冬も同じことが言われてきましたが、電力不足は発生しませんでした。政府の需給検証委員会でも、関電に対して「節電や供給力確保の手段が数多くあるのに、きちんと検討されていない」「他社からの電力融通や夜間電力で水をくみ上げる揚水発電などの見込みが過小」と指摘されています。結局、原発再稼働を前提として、発電能力は低く、使用電力は過大に見積もり、原発再稼働を迫るものではありませんか。市長、あなたは原発ゼロでも夏を乗り切るために、関電自身の努力、企業の努力、そして市民の協力を求める立場に立つべきと考えますがいかがですか。
 福島原発で経験したように、原発はいったん重大事故が起これば他の事故にはない異質の危険が生じることや、使用済み核燃料の処理方法が確立していない未完成の技術であること。また、日本は世界でも有数の地震国であり津波も多発することなどから、私は、計画的に速やかに原発を廃止するべきだと考えます。4月28日には「脱原発をめざす首長会議」が設立され、大飯原発などの拙速な再稼働に反対する決議や原発ゼロを決定するよう政府に求める決議を採択しました。この首長会議は、全国35都道府県の69人が会員となっておられます。設立総会では、「福島原発事故が示すように、いざという時の防災上の措置が全くできておらず、今も、その対策はできていないにもかかわらず、電力会社の言う数字に基づいての再稼働はおかしい。脱原発を進めるべきだ」との挨拶がありました。世論調査でも約8割以上が段階的廃止の立場です。市長はこの声をしっかり受け止め、「脱原発をめざす首長会議」に参加すべきです。そして原発ゼロの立場をはっきりと示すべきではありませんか。いかがですか。

(市長)夏の電力需給は、大飯原発再稼働がない前提で、関電以外から電力融通を受けても、一昨年比15%程度の節電や電力使用制限令、計画停電が検討されている。国、関電に対し、正確な情報提供が行われるよう求める。
 市民生活や経済活動を守るために、使用制限令、計画停電は回避しなければならない。市民や事業者と協力し、ピークカット、自家発電などの節電対策にとりくむ。

 このパネルは、京都府から京都府防災会議に提出された放射性ヨウ素の高浜原発からの拡散予想です。京都市にも大きな影響が出ることが明らかになっています。冬の北風の吹く季節では、右京区から京都府南部まで流れてくる予想です。このスピーデイーによる拡散予測について、市長はどのように受け止められていますか。京都市原子力発電所事故対応暫定計画では、原発から30キロメートルを「緊急時防護措置を準備する区域」(UPZ)とされていますが、このように京都府南部まで放射性ヨウ素が拡散するという予測があるのですから、京都市民の命の安全を守る責任者として、暫定計画を抜本的に見直すことが必要ではありませんか。いかがですか。

(市長)国による新たな拡散予想システムを用いたUPZの設定や新原子力規制機関による防災指針等の見直しを踏まえる。府の拡散予測を参考にし、京都市地域防災計画原子力災害対策編として進化させる。

くらしと経済を破壊する消費税増税ストップを 

 次に、消費税増税についてお聞きします。
 私は、消費税増税に頼らなくても、社会保障を充実しつつ、財政危機の打開をする道を進めるべきだと考えます。今でも、国民の所得も消費も落ち込んでいます。そこへ13.5兆円もの消費税大増税をすれば、日本経済をどん底に突き落とすことは、火を見るよりも明らかではないでしょうか。増税ではなく、能力に応じた負担にすることが本来の税の在り方ではありませんか。ところが、野田内閣は、消費税を10%にまで増税しようとしています。しかし、国民の約6割からも反対の声が上がっているのが現状です。日本商工会議所の実態調査では中小企業の5割~7割は「消費税は転嫁できない」と報告されています。また、京都商工会議所の前年度の中小企業経営相談件数はリーマンショックを上回りこれまで最多の95件となり、京都商工会議所は「業績不振が長引けば、零細企業を中心に倒産が増えるおそれがある」と見ておられます。「消費税増税をしたら経済をむちゃくちゃにしてしまう。何としてもやめてほしい」「消費税増税は死活問題」等々、市民から多くの反対の声が寄せられています。市長はこの切実な声をどう受け止められますか。
 また、国全体でも京都市でも消費税率を3%から5%に引き上げた1997年の前と後の税収を比べると、消費税収は増えても、景気の低迷と後退などによる法人3税の減少などで、税収全体は減っています。この上、10%増税となれば、京都の経済は大打撃を受け、中小企業の倒産があいつぎ、税収がさらに落ち込んで、京都市財政の再建にも逆行すると考えられませんか。
2月議会の代表質問に副市長は「消費税はあらゆる世代の人が広く公平に負担する税」「社会保障給付を持続可能な制度とするための財源として、税率の引き上げ等、現在、国において議論されている」と、人ごとのような答弁をされています。しかし、消費税は高額所得者にも低所得者にも同じ率でかかってきます。低所得者は所得のほとんどを消費に回さざるを得ません。ところが、高額所得者はほとんどを貯蓄や投資に回せるわけです。
 このグラフは、消費税5%のもとでの総務省による消費税の逆進性を表したものです。横が年収で50万円ごと、縦が年収に占める消費税の負担率です。年収2000万円を超える世帯の負担率は1.0%ですが、年収が200万円までの世帯では5.8%と6倍にもなっています。市長は、消費税は公平な負担と答弁されていますが、このように所得に対する消費税の負担率は低所得者ほど高く、全く不公平な税制の典型ではありませんか。いかがですか。

(財政担当局長)消費税は、勤労世帯に過度な負担を求めず、あらゆる世代が公平に負担する税。少子高齢化が進み、年金、医療、介護など社会保障制度を維持するために、安定的財源確保は重要。国において、低所得者・中小事業者への影響を最小限にとどめる対応や地方財政への影響について議論されている。丁寧な議論をつくし、国民的な理解を得るべきもの。

焼却灰溶融施設の事業中止を

 次に、焼却灰溶融施設についてお聞きします。
 昨年の事故以来、いまだに試運転にも至っていません。4月上旬に住友重機械工業の副社長から現状報告と謝罪があったとのことです。昨年11月29日に行われた京都市と住友重機械工業との協議では、京都市から「この際、どこに課題があるのかも含めての総点検」を求めておられます。それから既に半年以上経っていますが、総点検での課題は明らかになったのでしょうか。また、「市当局と住友重機械工業は協議しながら」と言う事ですが、この間、どのような協議をされたのでしょうか。期限を切らずに総点検をしていますが、現時点で一体何がどうなっていたのか、全く明らかにされていません。京都市は「試運転開始から相当遅れている。誰が見ても何たることかという事になっている」とも指摘しておられます。当初の予定から2年半も遅れてまだ試運転さえできない施設ですから、これは事業の破綻でしかありません。予算計上さえできない破綻した事業に、なぜ、いつまでも固執されるのでしょうか。稼働すれば、運転経費が3年目までは16億円、4年目からは毎年20億円も必要になります。工事請負契約書では、契約を解除する権利が認められています。必要な時間を充分すぎるほど費やしても試運転さえできない事業は、市長が中止の決断をすべきです。いかがですか。

(環境政策局長)住友重工には、トラブルが発生した設備だけでなく施設全体の総点検を命じた。危機感をもって本社・関連会社が体制強化を図り、ゼロからの視点で点検を実施している。考えられるすべての問題点の抽出、それぞれの原因分析と対応を検討している。東部山間埋め立て地は22年の歳月と523億円もの経費を費やした貴重な財産。1年でも長く活用するために溶融施設は不可欠。

外環状線・桃山高架橋の抜本的改善を

 次に、桃山高架橋など外環状線問題について質問します。山科区から伏見区を走る交通の動脈となっている外環状線は、建設された当初から見ても、近年は走行車両の大型化が著しい道路となっています。生活道路でもあるこの道路は、住宅地の中を走っているため、道路からの振動による被害が増加しているのが現状です。外環状線のすぐ横のマンションでは、大型車が走れば地震のような揺れがあって、引っ越してきたときは地震かと思い何度も驚いたそうです。戸建て住宅の方からは「道がでこぼこになってくると夜も寝られない。壁にひびが入っている」等の苦情が寄せられています。さらに、特徴的で大きな被害が起こっているのが、観月橋の北側にあります桃山高架橋の周辺です。高架橋の下では、自治会あげて「外環状線大型車振動被害の会」を立ち上げられ、京都市や京都府警、伏見警察などに相談し、懇談や積極的な提案をされています。しかし、抜本的な対策が行われていないために、ここでも住民の方からは「地震のような揺れは尋常ではない」「揺れがきつくて2階では寝られない」「屋根がずれてきて、補修が必要になっている」等の苦情が寄せられています。代表者の方は「大型トラックやトレーラーが、夜などに猛スピードで走るので、制限速度の見直しや取り締まり、オービスの設置など検討してほしい」と具体的な提案をされています。この提案の積極的な検討をすべきです。また、大型車の台数が増えている現状から、高速道路並みの道路規格の見直しが必要です。小手先の工事の繰り返しでは、結局費用負担は増大し、周辺住民の生活環境の改善もしないことになってしまいます。長年住んでおられる方からは、「公共の利益のためと40数年我慢してきた」と言っておられ、我慢も限界です。早急に抜本的な対策をすべきです。いかがですか。

(建設局長)道路パトロールで損傷箇所の早期発見を実施している。全面的舗装は今後の路面状態を見定めて検討する。桃山高架橋は、継ぎ手付近の損傷が著しく、改善の要望がよせられている。西側は継ぎ手をなくした。東側は補修を定期的に行っている。振動の緩和対策を検討する。

醍醐地域のまちづくりについて(要望)

 次に、市営住宅における修理負担区分の問題です。京都市の責任で修理をする部分と、入居者の責任の部分が決められています。その公私負担区分の見直しが必要な箇所があり、日本共産党議員団は、これまでにも何度も指摘をし、議論をしてきました。その問題のひとつが畳の取り替えの問題です。畳屋さんにお聞きしますと、一般的には畳の耐用年数は約10年だという事です。ところが市営住宅では、何十年使っても取り換えは個人負担です。痛まないようにと畳の上にカーペットを敷くなどの工夫をしておられる方がほとんどです。ダニの発生など衛生的に良くないとわかっていてもせざるを得ないわけです。また、風呂釜も同じで、修理や取り替えは個人負担です。醍醐中山団地では、バーナーにクモの巣が張って不完全燃焼をしたり、故障の原因になることが多いそうです。ところがバーナーの取り替えは10万円以上かかりますから、その負担は大変です。しかし、お金がないからと修理しないわけにはいきません。例えばトイレのタンク関連の取り替えは、経年劣化によるものは公社の負担とされていますから、畳や風呂釜なども耐用年数を超えたものについては、京都市の責任で修理や取り替えをすべきではありませんか。これまでにも、実情に合わせて負担区分の項目追加等の見直しがされてきました。畳・風呂釜についても京都市が大家としての責任を果たしていただくことを強く要望します。
最後に、醍醐地域の乱開発の問題です。醍醐地域は世界遺産・醍醐寺の五重塔があり、「京都市眺望景観創生条例」で「守るべき京都の眺望景観」に指定されています。ところが、眺望景観保全地域を含む醍醐寺周辺の山すそにおいて、山肌を削っての乱開発が見られます。醍醐寺南門の前から東側に目を向けると、大きく削られた地肌が目立ちます。ここは数年前の台風で山崩れが起こった場所に隣接しています。また、醍醐寺北門を東に進むと何度も開発途中で挫折した開発地が無惨な状態で放置されています。醍醐寺周辺の山は土石流危険地帯でもあり、大雨の時などは崩れてこないかと住民の皆さんに不安が広がっています。また、どちらも醍醐寺に隣接し、世界遺産のバッファゾーンに入っています。違法ではないからと京都市は開発を認めていますが、このまま開発が続けば、世界遺産を取り巻く景観が台無しになり、かつてドイツのケルン大聖堂が周辺の高層ビルの建設計画によって、世界遺産登録抹消の対象である危機遺産リストに一時掲載されたように、醍醐寺が同じ道をたどることになる危険性も否定できなくなります。このケルン大聖堂は市当局の高さ規制などの努力によって危機は回避されていることを付け加えておきます。世界遺産・醍醐寺周辺の景観保全を進め、住民の安全を守る立場で京都市の指導力を発揮し、これ以上の乱開発にストップをかけて頂くように強く要望します。以上で私の第一質問を終わります。

第二質問

 政府が消費税増税法案に「景気弾力条項」を盛り込んだこと自体が、消費税増税が経済に重大な影響があると認めていることです。「負担軽減措置」で低所得者への現金給付を検討していることは、消費税のもつ逆進性を認めているということ。市長が京都経済と市民生活を本気で守ろうとするなら、消費税増税に反対の立場を明確にすべきです。また、福島原発事故の原因究明もないもとで、大飯原発再稼働を認めるべきではないことを求めて質問を終わります。

 

議会開催年月別目次

開催議会別目次

ページの先頭へ