「消費税増税に反対する意見書の提出を求める請願」の不採択に反対する討論 - 市会報告

「消費税増税に反対する意見書の提出を求める請願」の不採択に反対する討論

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本会議討論
井上けんじ議員

 消費税増税に反対の意見書の提出を求める請願について、日本共産党は採択すべきとの立場でありますので、私は党議員団を代表し、その理由を挙げ、討論を行います。
 まず最初に、消費税そのもの、及びその税率引き上げ自体の問題点についてであります。
 第一に、消費税は最悪の大衆課税であり逆累進性の典型であります。低所得世帯ほど負担が重くなり、税金の役割である格差縮小機能を果たさず、むしろ格差を拡大することになってしまいます。高額所得者と同じ税率というのは累進課税の原則に反しますし、また所得の無い人からも取るというのは生計費非課税の原則にも反しています。
 第二に、特に中小企業や零細業者が倒産廃業に追い込まれることになります。中小企業は全国でも京都でも7割前後が利益ゼロかマイナスという実態です。消費税はここにも容赦なく掛かってきます。今でも転嫁出来ていないのに、増税になればまして出来ません。昨年、全国の中小企業四団体がアンケートを採られましたが、転嫁出来ないという答えが圧倒的です。ある診療所や町工場など、もう閉めるしかないと言っておられます。影響は国民の命や健康、暮らしや地域経済全体に及びます。
 第三に、買い控えによりますます不況が深刻になることは、すでに3%から5%へ増税された時に経験済みであります。深刻になるとどうなるか。1996年度と2010年度との国と地方自治体合計の税収を比較すると、消費税収は確かに増えていますが、しかし消費税を含む税収全体は90兆円から76兆円へと、実に14兆円も落ち込んでいます。これはあとでも触れる大企業等への行きすぎた減税にもよりますが、全体として、却って税収は落ち込んでいるのであります。
 第四に、ここから以下は、税金の集め方使い方、税金や財政の在り方の問題ですが、まず今回の計画は、社会保障の改善のためにお金が要る、そこでやむなく増税を、という話では決してありません。年金の値下げ、支給開始年齢の引き上げとのセットなのであります。社会保障は改悪するは消費税は上げるはでは、一体改悪、踏んだり蹴ったり、やらずぶったくりではありませんか。これまでにも福祉が理由とされてきましたが、実際は福祉にはほとんど使われず、むしろ医療も年金も介護も、保険料は高くなり給付は切り縮められ続けてきているではありませんか。
 そこで第五に、税金の使い方であります。そもそも憲法による納税の義務は、その税金が憲法に基づく政治に使われる限りでの話であって、憲法違反の使い道にまで税金を払ういわれはありません。軍事費やまして在日米軍への思いやり予算などは、せめて当面もっと削減するのが当然です。一機99億円もする次期戦闘機F35Aはまだ試作段階で完成すらしていないのに、600億円も予算化されています。公約違反の八ツ場ダムに象徴される大型事業もそうですし、原発推進予算も大幅に削減すべきです。政党助成金にも320億円も使われています。国民には自己責任をと言いながら、民主党は本部収入の83%、自民党は67%をこの助成金に頼っています。身を削るなどというのなら、国民主権の大原則を後退させ国民と政治のパイプを一層細くする比例定数削減などよりも、政党助成金を廃止する方が財政効果もずっと大きいのであります。
 最後に第六の理由として、税金の集め方の問題であります。そもそも税源について考える場合、消費税しか頭に浮かばないのは全くの思考停止と言うべきでありまして、もっと多様な集め方があるはずではありませんか。
 所得税はかつて19区分・最高税率は75%でしたが、今日では僅か6区分・最高40%となっています。年間所得100億円の人も1800万1円の人も同じ税率で、累進的性格と格差縮小機能がどんどん緩和され続け、むしろ格差拡大の一因ともなっています。課税ベース自体も縮小されています。
 証券優遇税制も然り。なぜ庶民の利子へは20%で株の取引利益には10%なのでしょうか。濡れ手で粟の優遇税制は、勤労軽課、不労所得重課の原則にも、総合課税の原則にも反するのであります。トヨタや日産、キャノン、オリックス、京セラなどの名誉会長・会長なども億円単位・千万円単位の減税になっています。アメリカでは富裕層からもっと取るべきだと、オバマ大統領や、他ならぬ富裕層自身が言っています。
 法人税も同じです。かつて42%であったものが、今日では25.5%に下がっています。景気の動向はあるとはいえ、ピーク時の1989年度と2009年度を比べると、法人税収は、何と19兆円から5兆円へと減っています。先程、消費税が導入されてから福祉はむしろ悪くなっていると言いましたが、端的に言えば、消費税増税分は、大企業等の減税の穴埋めに充てられてきたのであります。応能負担こそが、税金や保険料の一大原則でありますから、行きすぎた減税をやめ、高額所得者や大企業から所得に応じた税金を求めれば、消費税を増税しなくとも税収は得られるのであります。
 日本経団連の経済基盤本部長は「日本の法人税は実はそんなに高くない」と言っておられますし、週刊誌アエラも、一昨年11/15日号で「法人税は高くない」、雑誌「世界」最新号も、何のための一体改革かとの、夫々特集が組まれています。経済産業省の海外事業活動結果概要報告でも海外への進出の理由は現地の需要があるからというのが、断然トップ、税制の優遇措置があるからとの理由は僅か8%しかありません。
 雑誌「週刊エコノミスト」一昨年10/26号は、日本経済の最大の問題点は賃金が上がらないことだと書いています。大企業の莫大な利益が役員報酬や株主配当に回され、なお且つ内部留保として溜め込まれ、労働者や下請けに回らないために、消費購買力の低下による消費不況へと繋がり、大企業の一人勝ちがまた円高の要因にもなっているのであります。大企業減税と消費税増税は、日本経済をますますいびつにするばかりであります。
 委員会では私は請願者の声を直接聞いたらどうか、交通局などにも来てもらってその影響を聞いたらどうか等と提案させて頂きましたが、同意が得られませんでした。多面的な論点が山ほどあるのに、十分な議論が尽くされたとは言えません。今からでも遅くはありません。46にも及ぶ団体からの請願であります。世論調査ではどれも反対が賛成を大きく上回っています。是非採択して、請願者と市民の期待に応えるべきであります。日本共産党議員団は、断固として、採択すべしとの意思を重ねて明らかにし、討論とします。

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