京都市都市計画特別用途地区の区域内における建築物の制限の規制緩和に関する条例の制定に対する反対討論 - 市会報告

京都市都市計画特別用途地区の区域内における建築物の制限の規制緩和に関する条例の制定に対する反対討論

閉会本会議討論

 日本共産党京都市会議員団は、議第123号京都都市計画特別用途地区の区域内における建築物の制限の緩和に関する条例の制定について、反対する態度を表明しておりますので、その理由を述べます。
 第一の理由は、市民合意の得られていない岡崎活性化ビジョンの実現に向けた都市計画制限などの見直しの一つとして特定用途区域内における建築物の用途に関する制限を緩和するためのものだからであります。
 京都市は、岡崎活性化ビジョンで「更なる賑わいの創出」などを図るとしています。しかし、京都市自身が2007年に行った市民アンケートでは、「岡崎のよさは静かで落ち着いたところ」とする回答が8割以上をしめました。数ある項目の中で一番高い比率となっていましたが、この市民多数の声を「一部の意見」と切り捨てる京都市の姿勢は極めて問題です。京都弁護士会は、岡崎活性化ビジョンが今の岡崎地域が魅力的であると認め、その特性と魅力を活用することを「目的」としながら、「その将来像については、岡崎地域の特性を維持しようとする姿勢に欠けている」「目的と目指すべき将来像とが乖離している」と厳しく批判しています。無理に賑わいを導入するのではなく、市民からの様々な声にしっかり耳を傾けるべきです。
 第二の理由は、今回の条例案とセットで提案されている特別用途地区などの決定とによって、岡崎の地域全体を面的に規制緩和することになるからです。その結果、特例許可の手続きが不要となり、今後、新築あるいは改築される建築物について、景観との調和を審査する専門家による検討や、市民が意見をいう機会も奪われてしまうからです。たとえば、15年前に建設された「みやこめっせ」の場合、建築審査会での特例許可で用途の緩和を行っています。特例許可の手続きによって京都会館再整備を行おうとすれば、高さに加えてデザインも含めて審査会にかけることになり、その前段として、市民に京都会館の改修・改築のデザインや高さを公開して意見を反映しなければならなくなります。ところが、今回の規制緩和と都市計画決定が行われてしまえば、その時点で市民は公式に意見を言う場すら奪われ、専門家による審査もないことになります。果たして、こんなことで、真に岡崎の景観に溶け込み、なおかつ市民に利用しやすい公共ホールとしての京都会館の再整備が可能といえるでしょうか。
 第三の理由は、実質的にこの条例案を含む一連の規制緩和で京都市が行おうとしている京都会館再整備の計画そのものに大きな問題が含まれているからです。京都会館再整備は、10年近い検討の中で、改修を基本に舞台関係者や建築の専門家などの意見を踏まえた計画が立てられ、現状の京都会館の外観・高さを守り保存しながら、機能面での充実を図るという案がまとまっていました。ところが、昨年のロームとの命名権譲渡の協議と前後して、当初の計画案から大きくかけ離れた計画に変わりました。整備費用も、当初は50億円くらいでしたが、今回打ち出された案では90億円に一挙に膨張しており、専門家からはロームからお金をもらって大きな建物をつくっても、その後の過大な維持管理費が京都市財政にのしかかる危険性が指摘されていますが、京都市はまともなプランを持ち合わせていません。果たして、この案のままで突き進むことが、京都の文化行政を充実させることにつながるでしょうか。現在京都市は、京都会館の建物価値継承に係る検討委員会においてデザインなどを検討していると言いますが、専門家の意見を聞くといいつつ、京都市がつくった「基本計画」からすこしでも離れると、その意見は反映されず、建物価値継承という言葉が看板に過ぎないことがこの2回の検討委員会で明らかになっています。建設後の使い勝手や、維持管理、利用料金なども含め、総合的な計画をしっかりもった京都会館再整備を行うべきではないでしょうか。議会に情報を隠して、特定企業とだけは図面も交わす京都市ですが、密室ではよいプランは生まれません。市民参加で計画を練り直すべきであり、規制緩和方針の撤回を求めて討論とします。

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