【声明】2月市会を終えて - 見解・声明

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 日本共産党京都市会議員団
団長  井坂 博文

一、予算及び関連議案の特徴について
 3月25日、35日間の2月予算市会が終了し、昨年4月から開会されていた2019年度の通年議会が閉会しました。今集中審議期間では、門川市長の4期目初の予算案をはじめ84議案が提案されました。2020年度予算は安倍政権による地方財政切り捨てにより法人市民税・地方交付税が大幅減額となりました。財政調整基金が底をつくなか、行革債や調整債の発行で対応することとなりました。
 来年度予算案の特徴は、①大型公共事業を一層大きく進める一方で、市民の暮らしに冷たく背を向け、②職員削減や公務の民営化をすすめ自治体の公的責任を更に大幅に後退させる、③観光インバウンド一辺倒、大企業の優遇や市外からの企業呼び込みの一方で、地元中小企業への支援が全く不十分である、④新型コロナウイルス感染症の広がりをふまえた組替が行われていないことです。 
 党議員団は、代表質問に先立ち2020年度一般会計当初予算案に対して、市民の暮らしを応援し京都経済を支える内容とするために12項目にわたる組み替え提案を発表しました。その上で、付託された84議案のうち、一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、介護保険事業特別会計予算、後期高齢者医療特別会計予算、自動車運送事業特別会計予算、水道事業特別会計予算、公共下水道事業特別会計予算など36議案に反対し、残りの48議案に賛成しました。
 文化スポーツ施設・公園についてネーミングライツを導入し促進するための議案11件については、施設の整備・管理運営にかかる費用は本来予算から捻出すべきものであり、名称が短期間で変わることは市民に混乱を招くとして、何れも反対しました。
 指定管理者指定の議案について、京都市中央保護所の指定管理の指定は2年後の廃止を前提としていることから、じゅらく児童館の指定管理の指定については保育所とともに、1年後の民間移管の実施を前提にした指定であることから、反対しました。
 来年度予算案に先立って提起された補正予算については、財界の要請にこたえてすすめられようとしているGIGAスクール構想は多額の費用負担の問題があり、個別化を進める方向について本来教育には「共同の学び」が求められていることを指摘。京都市美術館再整備で旧事務棟をレストランに再整備すること、地域リハビリテーション推進センター・こころの健康増進センター・児童福祉センターを一体化で整備することは、問題があることと合わせて討論で述べました。
 最終本会議に追加上程された人事議案など3件のうち、副市長の任命については反対し、残りの議案に賛成しました。
 自民、公明、民主・市民フォーラム、維新、京都、無所属議員は市長提出議案すべてに賛成しました。

一、新型コロナウイルス感染症の広がりから市民の命と暮らしを守る
 本市会は、議会中に新型コロナウイルス感染症が拡大し、経済影響が拡がるというかつてない状況の下で行われました。議会における十分な審議保障を実現しつつ、京都市当局の迅速な対応を確保するため、全会派の合意により審議時間を短縮しました。党議員団は団長を本部長に、議員団全員で構成するコロナウイルス感染症対策本部を設置。各地での実態調査をふまえ二度にわたる市長申し入れを行い、予算特別委員会の各局審査でコロナウイルス感染症対策の質疑を行いました。

〈2019年度補正予算案に賛成。2020年度予算の抜本的組み替えを提案〉
 市長から、本予算に先立つ補正予算として、新型コロナウイルス感染症対策相談窓口体制の強化2000万円と経済影響に対応する融資10億円が提案され、更に、経営相談体制強化等の企業経営支援や施設の衛生対策に取り組む観光関連事業者に対する補助1億円が追加補正されました。
 党議員団はいずれの補正予算にも賛成し、「2020年度予算案はコロナウイルス感染症対策による影響を想定したものではなく、抜本的な予算の組み替えが必要である」「あらゆる分野での異次元の対策が求められる」として2020年度一般会計予算案に対する組み替え提案(改定版)を発表し、結了委員会と本会議で予算組み替え動議を提出しました。
 組み替え動議では、①新型コロナウイルス感染症の検査や治療の体制を抜本的に拡充する、②中小企業への固定費(家賃等)の補助や市税等の減免・徴収猶予、社会保険料への補助など、特別な支援を行う③全員制の温かい中学校給食を実施する等すべての市民の生活を支援する④総事業費70億円の鴨川東岸線第3工区事業や北陸新幹線及びリニア新幹線誘致、堀川バイパス計画など大型公共事業の見直しを求めました。

〈新型コロナウイルス感染症対策の論戦と答弁の特徴、及び、行政対応〉
 感染症対策として、①衛生環境研究所の体制拡充や民間検査機関への協力要請など検査体制の強化、②医療体制の強化と受療権の保障、③行政区単位での保健所体制確立、保健衛生体制の再構築を求めました。①については副市長が「検査装置を増やして検査増に対応したい。短期証の発行には柔軟に応えたい」と答弁。医療機関等でのマスクの不足への対応についても、市の災害用備蓄を活用しての配布が実施されました。
 経済への影響については、①市内中小事業者への実態把握、②融資について設備資金についても融資対象とし、事業主等に対する利子補給制度を設けること、③固定費補助や税等の減免や徴収猶予など融資にとどまらない支援策をとることを求め、中小企業抽出調査と設備資金も含めた融資制度創設が実現しました。固定費補助については「固定費補助への基本的な考えは変わっていないが・・・業種に応じてどんな対応が取れるのか、府、市、経済団体とも相談していく中で、方法を考えていく」と答弁。追加補正について審議した委員会では固定費の補助や損失補てん対策を求めたことに対し「国まちの対応ではなく、対策を講じる」と答えました。市税の徴収猶予についても、国税の通知を参考に丁寧に対応することを確認。コロナウイルス感染症の経済影響によって苦しんでいる方々にむけた市税の猶予のビラも作成されました。また、金融機関や商工会議所、嘱託・派遣職員など任せにせず、市自身が直接対応して市民に向き合う仕組みと体制についても、求めました。
 非正規雇用の方の雇用環境悪化対策、フリーランスの方や音楽家・劇団員の方たちの影響把握と損失補填を国に求めるよう要望しました。新型コロナウイルスを理由とした内定取り消しは許されないと指摘し、内定は取り消さないのが原則であるとの答弁を得ました。内定取り消しの実態把握につても前向きな姿勢が示されました。
 学校休校措置は3日間の準備期間を経ての実施とされました。卒業式をめぐり、教育委員会が各学校に向けた通知において児童生徒が決めた歌を歌わないなど一律な対応を求めていることについて問題にしましたが「校長会から足並みをそろえた方がいい」と「要請があったものと」と答えました。学童保育所の受け入れについても全額補助を要望し、実施、対象期間の実態に応じた拡大も図られました。本市文化スポーツ施設のキャンセル料免除・使用料の返還も実施・延長されました。
 市バス・地下鉄において、①職員乗務員の体調チェック、②花粉症対策を考慮した上で混雑時の市バス・地下鉄の窓の一部開放、③消毒液の設置増、④全車両消毒の頻度を上げることを求めました。災害対応費用を一般会計から求めることができるという公営企業法を生かすよう求めました。

一、住民運動と党議員団の論戦が予算と市政運営に反映
 敬老乗車証制度の応益負担への改悪方針発表以来7年間にわたり、運動の力で改悪をストップさせてきました。4万4000筆に示された改悪反対の声に答えるよう求めたことに対し「応益負担や応能負担を問わず改めて幅広い観点で検討を重ねていく」と事実上の方向転換の表明がありました。引き続き応益負担方針の撤回を求めて全力をあげます。
 地下鉄烏丸線のホーム柵設置が具体化され、2020年度から北大路駅、2028年度までには全駅設置に向けた計画が示されました。党議員団も一貫して求めてきたものです。また、市バスの均一区間の拡大を求めたことについても民間事業者と引き続き協議する姿勢が示されました。西賀茂地域の市バス特37号系統の延伸がはかられ、長年の運動が実現しました。以前から求めているバスバス乗り継ぎ無料化についても、「多頻度乗車者優遇」等の問題はあるものの、検討していくとの方針も示されました。
 また、土砂等による土地の埋め立て等の規制に関する条例については、党議員団が求めてきたものであり、面積要件や展開検査の際の写真添付など、より厳しい中身となるよう修正案を提案しました。党議員団の修正案は他党と無所属議員が反対し、否決されました。党議員団は原案に賛成しました。
 下鴨神社・糺の森、二条城、仁和寺など景観と住環境を守る粘り強い運動が反映し、世界遺産「古都京都の文化財」に関しても、「包括的管理保存計画」をつくることになりました。

一、大型公共事業優先から「人と中小企業優先」にシフトチェンジを
 国の方針をそのまま持ち込む大型事業の推進や大企業優遇の施策からの転換をはかり、市民のフトコロを暖め中小企業の直接支援を行ってこそ、税収増や財政の健全化にも貢献すると、方針転換を迫りました。事業内容も財政規模も建設時期も不明な北陸新幹線延伸、堀川地下バイパストンネル等大型公共事業を「未来の投資」とするのではなく、人と中小企業こそ優先すべき、廃止提案された夏季歳末特別生活資金貸付事業の予算の復活と拡充を求めました。市長は「(大型公共事業)これらの事業は今後の課題。市民生活に影響は与えない。国において負担してもらう方向」とくらしの願いに背を向ける答弁を行いました。
 今こそ、消費税減税を国に求めるよう迫りましたが、市長は直接の答弁を避け、「消費税増税は社会保障を持続可能なものとするためのものと考えている」と、減税を求める立場には立ちませんでした。
 市長選挙で福山候補が掲げた「すぐやるパッケージ」の実現を迫りました。市長選挙で大きな争点となった小学校のような全員制の中学校給食について実施を求めました。2万3778筆の署名が提出され、請願を受け止めることを求めましたが、「(選択制給食について)真に必要な方には選んでいただける」と問われている行政の役割に正面から向き合わない姿勢に終始しました。子どもの医療費支給制度の拡充、国民健康保険料の子どもの均等割り免除についても、「財政状況を見極めながら進めていく」と述べ、新年度予算については盛り込みませんでした。
 若者支援について、給付制奨学金制度の創設を求めました。国の新たな制度について評価し、「取組の推移を見ながら検証」すると言及したものの、「不十分なら国に充実を求めていく」と国において取り組まれるべきものとの立場を変えていません。奨学金返済の利子補給、地下鉄通学定期券の割引率アップを求めました。
 共生社会の実現に向けて、パートナーシップ条例の制定、ジェンダー平等の実現、職員の育児休業取得率向上を求めました。
 自衛隊への若者の個人情報・宛名シール提供の中止を求めました。

一、「行革」リストラ・「民間に出来ることは民間に」から、公的役割果たす自治体に
 今こそ、十分な職員体制を確保し公的責任の発揮で住民のいのちと暮らしを守るべきときです。市長就任以来3401人、更に新年度205人の職員削減を進めようとしている職員削減方針の撤回を迫りました。
 介護保険認定給付業務の民間委託化について、当局の通知で「取り組みの必要性、サービス向上」が委託化の要件とされていることを示し、全く履行されていないと撤回を求めました。
 消防職員について出動態勢で最低乗り込みは3人の場合もあることを示し、職員育成や連携に課題が生じていることを指摘しました。ゴミ収集業務委託化を中止すること、技能労務職員の採用を再開しクリーンセンター技術系職員の技術を継承することを求めました。上下水道局で来年度63人の職員削減、更に、松ヶ崎浄水場・伏見水環境保全センター・下水道管路管理センター西部支所などを災害対応も含め業務委託しようとしていることについて、中止を求めました。また、「根幹部分は直営」と言いながら、災害時に行政職員が責任を負えないことは問題であることを指摘しました。
 救護施設について、民間事業者による建設計画が破綻しました。京都市は「2年間で新たな事業者を公募する」と述べる等公的責任で対応する姿勢に立っていません。党議員団は関係者の意見を聞いて中央保護所と救護施設、それぞれの運営に京都市が責任を果たすことを求めました。

一、観光インバウンド一辺倒・大企業優遇政策、呼び込み型開発の転換を
 観光インバウンド頼みの観光行政のあり方を見直すべきと追及しました。当局は「インバウンドのリスクも分かってきた」と答弁したものの、宿泊施設拡充・誘致方針、上質宿泊施設誘致制度について撤回せず、宿泊施設の総量規制の具体策も示さない姿勢に終始しました。市長に対し「地域の安心安全、そして、地域の文化の継承発展に寄与しない宿泊施設はお断り」との市長選挙での約束を守り、仁和寺前ホテル・元植柳小学校跡地ホテル計画の白紙撤回、南禅寺参道の景観を壊すホテル計画を見直すべきと質しました。宿泊施設について、住民生活との調和を図る立場から、住宅密集地・路地奥等での立地規制や施設内管理者常駐義務づけなどを求めました。副市長は「全国でもっとも厳しいと言われる条例を制定した」と開き直りました。
 企業立地促進補助金について、11年間・30億円の内、12億円・4割が大手二社に渡っていることを指摘。市内企業99.7%を占める中小企業に限定した制度とするよう求めました。商店リフォーム助成、固定費への補助を要望しました。
 高さ規制の緩和やオフィスビル・産業用地創出という呼び込み型ではなく、中小企業支援と賃金引き上げ支援策が必要であることを指摘。高さ規制の緩和は住民からの要望ではなく、国の成長戦略と財界の要望に添うものであることを批判しました。住宅リフォーム助成制度の創設を求めました。市営住宅について、管理戸数を減らすのではなく、市営住宅を市内中心部で増やすことを求めました。当局は「現状は公募しても応募がない。・・・真に困窮されている方はいらっしゃらない」と実態と乖離した答弁に終始しました。土木事務所予算の拡充や公園整備、身近な生活道路の整備を優先するよう要望しました。大宮交通公園の再整備事業について、「パークPFI手法」をやめ、市直営で住民要望を反映させるよう求めました。観光客混雑対策として、市民への説明をしないまま、市バス102号系統や12号系統、59系統の路線変更・バス停変更を強行したことは、住民生活や市民の足を脅かすものであり、問題であると指摘しました。また、地下鉄烏丸線ホーム柵の前進と合わせて、地下鉄のワンマン運転が明らかになりましたが、党議員団は現在の体制維持を求めました。
 地球温暖化対策予費が8259万円も減らされていることを示し、削減を撤回し、気候危機への積極的対応を求めました。

一、請願について
 今市会では、夏季歳末特別生活資金貸付事業廃止撤回を求める請願25件等市民からよせられた請願35件について、審査を行いました。国民健康保険料の引き下げ等、市営住宅の浴槽の改修、京都市計量検査所跡の活用を求める請願について、全ての他会派・無所属議員が反対し、不採択となりました。国民健康保険料等の引き下げや、市営住宅の浴槽の改修が切実な市民の願いであることから採択すべきことを討論で述べました。
 また、審議未了となった全員制の中学校給食実施を求める請願について、自民党議員から「何度も同じ議論するのは時間の無駄」「税金のムダ使い」との市民の請願権・議員の質問権を否定する発言がされたことに対し、党議員団は議事録精査と発言の撤回を求めるとともに、6年で13回もの請願が住民から提出された重みを受け止めるべきと指摘しました。

一、意見書・決議について
 終了本会議では、国に対して減税も含めた必要な支援策を躊躇なく講じるよう求める「新型コロナウイルス感染症対策への一層の支援強化を求める意見書」、地方財源の必要額確保のため、地方交付税の法定率を引き上げることを求める「大都市財政の実態に即応する財源の拡充を求める意見書」が、全会派一致で採択されました。
 自民・公明・維新・無所属提案の種苗法改正等に伴う万全の対策を求める意見書については反対し、我が党意見書案が提案している通り、種苗法改正中止・種子法復活を求めることこそ必要であることを討論で述べました。

一、最後に
 市長選挙期間中に市長の確認団体が「共産党市長はNO」との意見広告を掲載しました。市民が推薦した候補者に「共産党市長」とのレッテル貼りを行うネガティブ広告であり、市長にその認識を質しました。市長は「広告スタッフに任せていて後から知った。見解は差し控えたい」と答え、見解表明を拒否するとともに、スタッフに責任を転嫁しました。政治家としての姿勢が問われています。
 3月25日現在、本市の新型コロナウイルス感染症患者が22人となったことが明らかになりました。本市においても、感染拡大をくいとめられるかどうか重要局面を迎えています。党議員団は、行政機能を最大限発揮させ、市民の命を守るために全力をあげます。また、経済的な影響も深刻化しています。政府は第三弾の経済対策を3月末にも発表されると報じられています。実態をつかみ中小零細事業者の仕事や市民の雇用と暮らしを守るために総力をあげます。

年月別目次

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