声明「2月市会を終えて」 - 見解・声明

TOPICS ICON声明「2月市会を終えて」

日本共産党京都市会議員団

 3月24日、2月予算市会が終了し、昨年4月から開会されていた2016年度の通年議会が閉会しました。今市会では、門川市長の3期目2年目の予算案をはじめ101議案が提案されました。
 2017年度予算は、第一に、「財政が厳しい」として、京プラン実施計画で打ち出された社会福祉関連経費など5年間積み上げで600億円もの削減が具体化されている一方で、北陸新幹線誘致など大型事業を「未来への先行投資」として聖域化していること、第二に、国の地方創生戦略に則って、「民間にできることは民間に」「集約化・民間委託」の市政運営、自治体の公的責任を放棄する方向が強く打ち出された予算となっていること、第三に、市民の声を無視した美術館ネーミングライツ問題に象徴的に現れたように市民の声、切実な要求に背を向けた予算であること、が特徴的でした。
 党議員団は、2017年度予算特別委員会に付託された43議案のうち、一般会計予算、国民健康保険事業特別会計予算、中央卸売市場第一市場特別会計予算、自動車運送事業特別会計予算、京都市分庁舎(仮称)新築工事請負契約の締結、京都市職員定数条例の一部改正条例、美術館再整備工事請負契約の締結、子ども若者はぐくみ局の設置に伴う関係条例の整備等に関する条例など23議案に反対し、水道事業特別会計予算、高速鉄道事業特別会計予算など20議案に賛成しました。
 本予算に先立ち2016年度補正予算が成立しました。党議員団は、南部クリーンセンター第二工場請負契約の変更、中央卸売市場第一市場特別会計補正予算に反対し、一般会計補正予算には賛成しました。
 常任委員会に付託された29議案のうち、債権管理条例、市内高速道路建設費用出資金の債権を放棄する不動産の取得など5件に反対し、他の議案には賛成しました。
 最終本会議に追加上程された人事案件3件のうち、新副市長を任命する2件に反対し、市長等の給与減額と市会議員の議員報酬額の減額を継続する条例には賛成しました。
 自民、公明、民進、日本維新の会、京都党と無所属議員は、京都党が市立芸大移転整備工事設計業務委託選定委員会設置のための付属機関設置に関する条例に反対した以外、他のすべての市長提案に賛成しました。

一、市民のねばり強い運動と党議員団の論戦が貴重な成果に
 
 市民の粘り強いたたかいによって、敬老乗車証に関して、来年度も応益負担導入の予算化をさせませんでした。引き続き応益負担方針の撤回を求めて全力をあげます。
 子どもの貧困が広がる中で、就学援助・新入学児童生徒学用品費等の早期支給を求めてきましたが、「検討する」との表明がありました。また、子どもの貧困調査を受けて、子ども食堂に対する支援が始まることになりました。対象数や金額などの不十分さを指摘しました。
 市会常任委員会の実地調査と党議員団の独自調査と追及で横大路体育館などスポーツ施設の改修がおこなわれ、スポーツ施設整備運営予算も前年度比較で4割増額となりました。大規模施設の改修にとどまらず、今後も市民スポーツの充実を求めていきます。
 京都労働局、京都府・京都市が、ブラックバイト調査を行ったことは重要です。
 難聴者、高齢者への情報保障となる磁気ループシステムについて、区役所窓口等へ配置拡大を要望してきましたが、今年3月から全ての区役所・支所への卓上型磁気ループが配備されました。
 党議員の論戦のもと、宅地内における鉛製給水管の取替助成制度の助成額の上限が引き上げられました。使いやすい制度へ引き続き求めていきます。
 大雪による市内の農林被害について、生産者の声をもとに「緊急対策」を申し入れ、支援策が強化されました。

一、「京プラン」による市民サービス切り捨ての姿が顕著に

 市長は予算案の基本姿勢として「『京プラン』実施計画第2ステージを着実に前進させ、暮らしに安心、豊かさ実感、未来に責任のまちづくりを力強く推進する」と表明しましたが、市民サービス切り捨ての姿が顕著になっています。
 予算には京プラン実施計画で掲げる「聖域なき事業見直し」で「市民サービスや社会福祉関係経費など年間40億円、5年間の積み上げで600億円もの削減」方針が貫かれています。「受益者負担の原則」を口実にした中央斎場使用料の3割もの大幅値上げはその象徴であり、地域リハビリセンター・こころの健康増進センター・児童福祉センターの三施設合築は施設運営費や建て替え費用の削減が狙いであることは明らかです。
 「(国基準による)待機児童はゼロ」「大都市で最も保育所に入りやすい」としていますが、今年3月時点でも保育所入所ができない親子が多数残されており、保護者の願いに応えてさらなる認可保育所の増設による真の待機児童ゼロを求めました。学童保育の環境改善、児童館専任職員を二人に戻すことを求めました。予算には子どもに関わる福祉職場の職員処遇の引き上げが盛り込まれましたが、抜本的改善には程遠く、さらなる給与増額を国に求めると同時に、本市独自の仕組みをつくるよう求めました。
 京都市が昨年取り組んだ「貧困家庭の子ども等状況調査」において貧困状態が明らかになりました。市長は「世代を超えた貧困の連鎖を断ち切ることが極めて重要」としながら、「経済的要因に狭めないように」(副市長)と貧困の原因や具体的な目標等を明らかにしていません。子どもの医療費支給制度の拡充は2年先まで先送りし、「選択制は定着している」と温かい全員制の中学校給食の実施も拒否し、本市独自の給付制奨学金制度の創設も拒んでいます。子どもの貧困の解決のための具体的手立ての実施を強く求めました。
 国民健康保険制度について、保険料は据え置かれましたが、高すぎて負担の限界を超えている保険料の引き下げを求めました。また、保険料滞納世帯への差し押さえをやめるよう求めましたが、「学資保険も差し押さえは禁止されていない」と強弁し、都道府県化に伴う保険料値上げを回避するよう求めましたが、答弁で明言しませんでした。
 介護保険制度について、4月から始まる総合事業における緩和型事業が事業者・利用者の双方にとって困難が想定されており、市の責任で改善をおこなうよう求めました。
火災から住民の命と安全を守り、大規模災害への備えや高齢者世帯の支援が求められているにもかかわらず、消防職員を減らし、細街路や木造住宅密集地域にある大宮消防出張所の廃止計画を掲げているのは重大であり、計画の撤回を求めました。
 債権管理条例は、「京プラン」の具体化であり、「負担の公平性」の名で市民の債権徴収強化を図るためのものとして反対しました。

一、「民間にできることは民間に」 公的責任を放棄する市政運営

 予算では、「京プラン」実施計画にある「民間にできるものは民間に」の市政運営を進めており、自治体の公的責任を放棄するものとして厳しく指摘しました。
 4月から始まる「子ども若者はぐくみ局」の設置は問題点山積です。民泊指導を担当する保健センターの医療衛生部門の集約化は、調査の民間委託化と合わせて違法「民泊」対策の弱体化につながります。さらに青年期健診等の民間委託も市民と行政を遠ざけるものであり、現体制の強化を強く求めました。
 公立保育所の廃止、民間移管の流れを加速しています。障害児保育や地域子育て支援拠点事業を行政直営で提供してきた公立保育所を守るよう求めました。
 さらに国が「公的サービスの産業化」を推進し、「公権力を含む窓口業務を地方独立行政法人に」と閣議決定し、本市でも区役所市民窓口の集約化と民間委託化を検討していることが明らかになりました。市長は「『民間にできるものは民間に』がより効果的であり、民間でやるほうがより充実する」と居直り、強弁しました。

一、国のアベノミクス路線に迎合し、「成長戦略」にしがみつく京都市政

 予算では「市税収入の減少による財源不足」を強調しながら、その原因を円高などの外的要因にあるとして、背景にある貧困と格差を拡大するばかりの国のアベノミクス路線に迎合し、「成長戦略」にしがみついています。
 さらに財源確保のためには、地方交付税の法定税率引き上げとともに大企業優遇の不公平税収構造にメスを入れ、儲かっている大企業に応分の負担をさせるよう国に求めるべきと指摘しましたが、「大企業が元気になることが経済の活性化につながる」と、破たんした「トリクルダウン」論に固執し、国の悪政に無批判な姿勢が浮き彫りになりました。
 一方、「財源不足」を口にしながら、環境破壊、膨大になる地元負担、並行在来線の廃止など問題点ばかりのリニア中央新幹線・北陸新幹線の誘致運動をすすめ、堀川通地下バイパストンネルや、梅小路新駅と第一市場の賑わいゾーンを結ぶ歩道橋など無駄な大型事業を計画しています。計画の撤回を求めましたが、市長は「未来の京都の発展の先行投資」と計画推進に固執しており重大です。北泉橋架橋工事や鴨東線第三工区も不要不急のものであり、撤回するよう強く求めました。
 同時に、中央卸売市場第一市場・美術館・市庁舎の再整備、芸大移転など今後100億円を越える大型公共事業が目白押しであり、東京オリンピックに向けた建設資材単価や人件費の高騰を念頭に置き、身の丈に合った規模・施設内容・完成時期を見直し、事業の進捗をチェックする公共建築部業務の体制補強と充実を求めました。
 老朽化した美術館の再整備は必要性を認めつつ、事業費101億円の捻出のために京セラと結んだネーミングライツ契約(50年間、50億円)を撤回し、再整備は関係者の意見を反映させたものにすることを指摘し、工事中の展示場代替施設確保に市が責任を持つよう求めました。中央卸売市場第一市場整備計画は、再整備は必要なものの総事業費が600億円にも及び、場内業者の使用料が2倍にもなり、取扱量・額とも過大な目標設定であることを質しました。  
 耐震補強や外ビル対策などに伴う市庁舎再整備は、総事業費が350億円に膨れ上がることが判明しました。分庁舎に入ることが予定される市税事務所は各区役所に戻し、西庁舎に予定される賑わいゾーン計画は撤回し、過大なものにならないようにすることを指摘し、見直しを求めました。議案に対しては継続審議を求めました。
 文化庁移転について、文化で京都や全国を元気にすると言いながら、文化予算はイベント頼みであり、文化庁移転に協力した経済界にインセンティブを与えるものと指摘しました。
 
一、市民の声に耳を貸さない市政運営

 市民の反対や議会の批判を押し切って、市美術館のネーミングライツ契約を京セラと強行したことを批判したのに対し、「多くの市民から賛同をいただいた」(副市長)と強弁し、公有財産への「私権の設定」や美術館使用に関する京セラの特典が法や条例に違反するのではないか、との指摘に理事者は「それが美術館の魅力を高める」「法律に書いてないからできないということはない」と居直る答弁に終始しました。ネーミングライツ契約の際に議会への報告にとどまらず議決案件とすべきです。
 市民に親しまれている大宮交通公園敷地内に北消防署を移転する計画は、移転候補地の検討過程すら市民や地域住民にまったく示さないまま、「公園と一体となった消防署整備を目指す」と既定方針としていることは重大であり、住民参加も住民合意もない計画は撤回するよう求めました。
 公契約条例の賃金条項について、全国で広がる先行事例にも学び賃金条項を盛り込むよう求めましたが拒否を続けています。同時に、公契約における市内業者への発注促進を指針等に明記するよう改善が図られました。さらなる改善と賃金条項の導入めざして全力をあげます。
 ごみ袋有料化に伴う財源が、ごみ処理以外の他局の事業に流用され、環境ファンドに積み立てられていることに市民理解は得られていません。有料ごみ袋制を見直すこと、ごみ袋代を引き下げて市民に還元するよう求めました。
 東電福島第一原発事故による自主避難者への市営住宅無償提供の継続を求める声に冷たく背を向けています。国と東電の責任で継続するとともに市独自に継続するようを求めました。また、本市の「原発事故対策の手引き」において「日常生活の放射線は安全」がことさら強調されており、見直しを求めましたが、「風評被害が起こる」「原発のない地域には違う周知を」(副市長)と、新たな安全神話を振りまく答弁をおこないました。
 大型店出店による市内周辺地域における中小スーパーの閉店が相次いでおり、買い物難民や地域が衰退している実態を示し、洛西地域のAコープ撤退への対策を求めました。
 中小企業団体等の「人の確保が困難」との声を紹介し、中小企業、小規模事業者支援の強化を求め、各区役所に地域の中小企業と一緒に仕事起こしや地域活性化等を検討する担当課を配置すべき、と求めました。

一、「宿泊施設拡充・誘致方針」による、ホテル建設ラッシュ、違法「民泊」の激増

 「宿泊施設拡充・誘致方針」が市内にホテル建設ラッシュを引き起こしている実態を示して「住んでよし、訪れてよし」という観光の原点に立ち戻ること、中小の旅館への支援を求めました。違法民泊が激増して市民生活が脅かされている実態を示して対策を求めましたが、「衛生部門の集約化で重点的・集中的・機動的に対応し、無許可営業調査は民間に委託し万全を期す」(副市長)とし、国の「民泊」新法について「違法民泊を合法化するもの」と指摘しましたが、「地域の実情に応じて運営できるよう国に求める」(市長)との答弁にとどまりました。党議員団は「民泊」問題の解決と相談のために、「住民のための『民泊』対応ハンドブック」を作成し、市内にとどまらず全国からも注目され歓迎されています。
 会期中に市内高速道路計画に伴う建設費用の一部として負担してきた出資金113億円の返還を事実上放棄する議案が突然出されましたが、過大な需要予測に基づいた高速道路計画の破たんを示すものであり、財政危機を強調しながら債権を放棄するものとして、議案は継続審議を主張しましたが、他会派の合意を得られず反対しました。
 公営企業会計に関して、市バスの「管理の受委託」における経費の節減を理由に委託金額を抑えることが労働条件の悪化や市バス事故につながっていることを指摘しました。さらに市バス一日乗車券(現500円)の値上げ計画の撤回を求め、交通不便地域の解消、敬老乗車証の応益負担への改悪をおこなわないよう強く求めました。
 水道事業について、計画的な老朽管取替と耐震化の更新スピードを上げていることは評価しつつ、疏水通船事業について安全管理の徹底を厳しく指摘しました。公営企業全体として消費税の適用除外を国に求めるよう指摘しました。
 昨年の臨時国会で議員立法として成立した「部落差別解消推進法」に関して、法律に部落差別の定義がないことを理事者も認めました。新たな差別を生み出すような恣意的な対応をしないこと、国が自治体に実態調査や啓発を押し付けてきても、本市の「同和行政終結後の総点検委員会」報告に基づき毅然と対応するよう求め、理事者も「毅然と対応する」ことを表明しました。
 核兵器禁止国際条約の締結を求める「ヒバクシャ国際署名」に市長自ら署名したことを評価し、具体的な行動を求めましたが、「独自の取り組みは必要ない」と否定しました。

一、意見書及び決議について 

 「再生可能エネルギー熱等の利用の推進を求める意見書」「地域が現状に即し運用することができる民泊運営ルールの法制化を求める意見書」「無料公衆無線LAN(Wi-Fi)環境の整備促進を求める意見書」には党議員団も賛成し全会派一致で採択されました。CO2削減につながらないとの指摘もあり、設備費用も膨らむ「水素ステーションの整備促進を求める意見書」、問題の解決にならない「ふるさと納税の制度改善を求める意見書」には反対しました。
 党議員団は、民進党議員団と共同で「いわゆる共謀罪法案の白紙撤回を求める意見書」を提出し、「森友学園問題の徹底究明を求める意見書」「介護保険総合事業の発足に際し利用者の権利擁護と事業者への支援強化を求める決議」を単独で提出し、それぞれ討論をおこない、わが党の政策と見解を表明しました。

一、「野党共闘」と日本共産党の躍進で安倍暴走政治を終わらせよう    

 市民の暮らしと福祉を最優先に、自治体の役割を発揮する京都市をめざして奮闘します。同時に、国政では憲法改正、「森友学園」問題、安保法制、南スーダンからの自衛隊の撤退、共謀罪法案の提出など目まぐるしく動いています。政局次第で衆議院の解散・総選挙が早まる可能性もあります。引き続き「野党と市民の共闘」「野党共闘」の勝利と日本共産党躍進をかちとり、安倍政治を終わらせるために全力をあげます。



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