[団長見解]2017年度京都市予算案の発表に当たって - 見解・声明

TOPICS ICON[団長見解]2017年度京都市予算案の発表に当たって

日本共産党京都市会議員団 団長 山中渡

一、本日、2017年度予算案と関連議案が示されました。予算規模は全会計で1兆6897億円(前年度392億円増)、一般会計7669億円(同392億円増)となっています。
 安倍内閣は、「成長戦略」「地方創生」の名の下に、大型事業・再開発を浮上させるとともに、公共施設の統廃合・集約化、公共サービスの産業化・民営化など、自治体の役割を弱める方向を強力に進めています。京都市は、「京プラン」「まち・ひと・しごと・こころ京都創生総合戦略」を策定し、安倍政権のこうした方向に無批判にしたがい、リニア新幹線、北陸新幹線誘致事業、京都駅西部エリア開発など「都市再生緊急整備地域」による大型開発、ホテル建設など呼び込み型の企業誘致路線をすすめるとともに、福祉予算の削減・市民サービスの切り捨てなどなどを率先してすすめる予算案となっています。
 2017年度予算案は市長3期2年目の予算案です。新年度予算編成にあたって「暮らしに安心、豊かさ実感、未来に責任」「文化力」等をうちだしています。しかし予算案全体は、市民のくらしに直接かかわる事業についても聖域なき見直しを行うこと、市職員196人の削減など地方自治体としての役割放棄、市民サービスを大きく後退させる内容となっています。

一、「子ども若者はぐくみ局」を設置するとしていますが、子どもを主権者に据えない体制づくり、衛生部門の集約化など「行革・再編」であり認められません。
 「財政構造改改革」と称して事業見直しで48億円、公有地の売却等で20億円、職員削減により24億円、などの財源を捻出する予算案となっており、市民サービスはますます後退、職員削減による市職員の負担は限界です。
 保育施設等整備費に36億円を計上したものの、保護者の期待に応えるものになっていません。さらに市営保育所の民間化の促進で公的責任を後退させています。また、民間保育所の保育士の処遇改善について抜本的改善がはかられていません。学童保育所の詰め込み実態についても改善が図られていません。関係者の反対を押し切って三施設合築(地域リハビリセンター・心の増進健康センター・児童福祉センター)をすすめる予算になっています。
 運動が大きく広がった敬老乗車証の応益負担導入の予算化は見送りました。一方、応益負担導入の検討については引き続きすすめるとしています。直ちに撤回すべきです。
 国民健康保険料については保険料、保険料率とも据え置く予算案となりました。しかし、「高すぎて払えない」「負担も限界」となっている高い国民健康保険料の引き下げは実現していません。子どもの医療費助成制度の通院の3000円自己負担についてもそのままとなっており、いずれも重要課題です。

一、子どもの貧困の拡大が大きな社会問題になっており、京都市でも「貧困家庭の子ども等状況調査」でも子どもが大人以上のダメージを受けていることや親の貧困実態が明らかになりましたが、具体的な目標や充分な予算がみられません。
 京都府は、独自の中小企業の就労と一体とした奨学金制度を「生きやすい京都をつくる全世代行動」(LDA)等の学生の声に推されて創設しました。この声に応え、京都市でも独自の奨学金制度の創設をすべきです。

一、ネ―ミングライツをめぐって、市民の反対を押し切って「京セラ」と正式契約を締結し工事請負契約(101億円)が提案されました。また、専門家からも文化事業の発展にとって慎重な対応を求められた文化庁移転については1300万円を計上しています。
 国が、東日本大震災の被災者に対する住宅の無償提供施策を打ち切る中、避難者から無償提供継続を望む声が出ていることを踏まえ、京都市は自主避難者についても住宅の無償提供を継続すべきです。

一、中小企業対策について「企業誘致の促進」「未来の京都の成長、発展を支える」分野に特化した施策が新規事業の特徴となっています。しかし、中小企業の期待に応えるものになっていません。
また、予算案では正規雇用の拡大をうちだしていますが、観光産業や中小企業の担い手確保をかかげるだけで、非正規雇用を拡大した一連の労働関係法の改悪など根本問題に対する批判の視点はありません。
 中小企業の発展にとって要の一つである「公契約条例」の賃金条項の採用については引き続き否定したままとなっています。
 総事業費600億円となる中央卸売市場第一市場整備について予算案では50億円が計上されていますが、業界関係者の取扱量と取扱金額達成計画は、これまでの市場の取引実績や経済状況絡から見て極めて高く、達成できなければ業界関係者や市財政に新たな負担が生じることになります。事業の見直し精査が必要です。
 観光対策の中で違法な「民泊」施設の適正化をうちだしていますが、担当する衛生部門の集約化のもとで、違法「民泊」への対策強化は期待できません。

一、安倍内閣は「秘密保護法」、「戦争法」の強行に引き続き「共謀罪」の国会提出、憲法改悪の動きを強めています。また、日米首脳会談での異常な媚へつらいのもとで対米従属の姿勢をいっそう深めています。年金、介護、医療など一連の社会保障の改悪は市民生活との矛盾をますます深めています。日本共産党京都市会議員団は、市民との共同をすすめ、くらしを守る政治の実現へいっそう力をつくす決意です。

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